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残り物パスタで作る絶品オムレツ!イタリアの美味しいストリートフード

その昔、イタリア人はパスタが残ったらどうするんだろう?という素朴な疑問を持っていたことがありました。だって、ご飯なら一人分の量も決まってないし、残ったって別にいいけれど、ソースに和えてしまったスパゲッティ、アルデンテにこだわるイタリア人が次の日に食べるのだろうか?

その疑問は、イタリア人の夫ができて解けました。なんのことはない、お鍋で温めて食べるのです。夫に言わせると、トマトのスパゲッティを温める時は、ほんのちょっとの牛乳も加えると美味しいよ。彼は4人兄弟で6人家族。時にはパスタが余ることも普通にあったんでしょう。たしかに、牛乳入りの二日目ののびきったパスタは、不思議と美味しいです。

なんだ、普通、と思っていたけれど、ある日、子供たちの友達のおばあちゃんが、イタリアらしい残り物パスタの食べ方を教えてくれました。

それは、パスタオムレツ。

作り方はいたって簡単。残り物のパスタと溶いた卵液をあえて、フライパンで焼くというもの。

パスタの種類は、トマトソースでもなんでもOK。包容力のある卵は、どんな食材でもきちんと美味しく包み込んでくれるんです。う~ん、卵って偉大です。

ちょうど、今日はアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノが一人分くらい余ったので試してみました。計ってみると180g、卵は2個でちょうどの分量です。冷蔵庫に残っていたモッツァレラチーズも少し加えてみました。

写真のように、卵はギリギリ絡むぐらいで大丈夫ですが、心配なら少し牛乳を加えてもいいです。

小さめのフライパンに、くっつかないようにオリーブオイルをしっかり入れて、パスタ入りの卵液を投入します。蓋をして、弱火で中までしっかり火が通るように焼きます。

途中で裏返して、両面をよく焼いたらできあがり。お皿にのせて、ケーキのように8等分しておいておくと、いわゆるフィンガーフード。あちこちから手が伸びてきて、あっという間になくなってしまいます。

ナポリの方では、このオムレツはストリートフードだと聞いたことがあります。気楽に手でつまめるから、歩きながらの立ち食いにちょうどいいですね。

ちょっとおしゃれっぽくアペリティーボ(食前酒)のおつまみにしても最適です。

これはいつかの写真。緑が少し入ると色彩もきれいですね。

もし、一人暮らしとかで料理が嫌いな人は、夜にパスタをわざと二人分作って半分残しておいて、翌日のお昼にパスタオムレツを作るというのもいいアイデア。

そして、今、思いついた斬新なアイデア。これからの季節、素麺が少し余った時にもよさそうです。ちょっとお醤油をたらして!なんだか、このために素麵をゆでたい気分です。といっても、イタリア在住ですから無理な話。でも、きっと美味しいはず。

「パスタが余った時、オムレツにいれるなんて、日本人には想像できなかったわ」、と教えてくれたおばあちゃんに話したら、逆に「日本ではご飯が余ったらどうするの?」という質問が。

「お茶漬け!」と答えたら、心底びっくりされました。「お茶の中にご飯を入れるの?」と。イタリア人にとってはお茶はお砂糖をたっぷり入れた甘い甘い飲み物ですから、よけい想像が難しかったみたいです。

う~ん、食文化の違いですね。私の常識は、他人の非常識である、ということを常に体感しているローマ暮らしです!

残り物のパスタが入ったオムレツは、日本人的には変だと思うかもしれないけど、本当に美味しいですよ。パスタが残った時は無理して食べちゃわないで、簡単ですから、ぜひ、一度試してみてください!




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