ゲーム業界の炎上案件について解説してみた
こんにちは、凪咲薫です。
聞いてください。この前投稿した記事に嬉しいコメントがありました。それがこちらのコメント。
どちらも嬉しいお言葉ですね。
このコメントから気づいたのが、ゲーム業界の仕事って世間に知られていないことでした。私は学生の頃からゲーム業界で活動していたので、私の中では当たり前な日常が他の人からすると、新鮮なことだと知れたのはとても大きなことです。
私もゲーム業界のことをもっと知ってほしい気持ちがあり、このnoteを始めました。ゲーム業界の解明度を高めて、もっと身近なものに浸透させられるように記事を投稿していきますね。
「ゲーム業界で働いてみたい!」
そんな人たちのための発信を行いたいと思います。
そこで今回のテーマは、「ゲーム業界で待ち受ける修羅場」について書いていきます。ゲーム業界で働いていると、どんなトラブルに巻き込まれるのか、仕事をする身としては気になる部分ですよね。今回の内容は、ゲーム業界で働く前の当時の私が心の底から欲しかった情報になります。
ゲーム業界に携わりたい人、もっとゲーム業界について知りたい人は、ぜひこのまま読み進めてください。
ゲーム業界で巻き起こる炎上案件
ゲーム業界の修羅場とは、いわゆる炎上案件のことを言います。通常業務では到底こなすことのできない業務です。期日までにクオリティの高いものを作るためには、苦しいことが必ずと言っていいほど発生します。
これはどんな業界で働いても経験する案件だと思いますが、ゲーム業界では、ゲームを遊んでくれるユーザーを相手に仕事をしていることから、中途半端なものを仮にリリースして、プレイヤーが「つまらないな」と思ったらもう二度と戻ってきてくれません。
後から挽回が非常に難しく、制作日数が足りない、作品のクオリティを担保するのが難しい、など炎上しているからといって、妥協することができない難しさがあります。最初の段階でどこまでユーザーを惹きつけられるのかが重要です。そのためには、クオリティの高いものを作りきることが大事になります。
しかし、ゲーム業界でキャリアを積むのであれば、修羅場を何回も経験してほしいと私は考えています。プレイヤーの期待をいい意味で裏切るものを作ることは、簡単なことではありません。それが一般的に修羅場と呼ばれています。この修羅場を何回も経験すると、修羅場になるたび、ワクワクして、イキイキしてくるようになるほど、市場価値の高いプレイヤーになることができます。
実際に「炎上案件に火消しとして呼ばれちゃったよ〜(ニヤニヤ)」という人がゲーム業界に多いです。
困難なことを乗り越えることに快感を覚える人がなぜか多いです。私もそうですが笑ゲームのレベルアップと似てるかもしれませんね。倒せなかったボスが倒せるようになる、できなかった技を繰り出せるようになる感覚と近いかもしれません。
ゲーム業界で起こる炎上案件と火消し方法
ゲーム業界で働いて12年。経験してきた炎上案件やよく聞く炎上案件についてまとめてみました。
・リリース時期に開発が間に合わない
リリース時期が決まっているのに開発が遅れている、土日もやらないと間に合わない。そんなときの対応策は、メンバーが徹夜する、土日も出社して休みが取れないというブラック企業さながらの状況に陥りながらも対処することです。
・制作途中で企画や仕様がガラッと変更される
ステークホルダーが途中で仕様や企画をひっくり返して、作り直しが発生した場合、作り直しをする上で、締切を延ばせることが可能なのか交渉します。締切を延ばせるならまだ軽傷で済みますが、もし締切を延ばせないなら上記同様、メンバーが徹夜する、土日も出社して休みが取れないというブラック企業さながらの状況に陥りながらも対処するという事態になります。
・人手不足
人手が足りなければ、これもまた上記と同じですね。メンバーが徹夜する、土日も出社して休みが取れないというブラック企業さながらの状況に陥りながらも対処するという事態になります。もしくは、別のチームからヘルプを大量に投下できないか交渉するしかありません。
・チームもしくは社外から不満や事故が発生
チームもしくは社外から不満や事故が発生した場合、不満への対処をしなければいけません。ヒアリングして組織の改善をしていきますが、責任者はメンタルを非常にやられる仕事です。そして、必要に応じて、大幅な人事変更が発生することもあります。これをやるとチームのモチベーションが一気に低下していくので、働きづらくなります。
・ユーザーから不満の声がたくさん届く
すでにリリース済みのものにミスや不具合があってユーザーからの不満がたくさん届いた時、原因は主に2つあります。
原因1:仕様バグ
開発者としては想定通りに作り上げたつもりでしたが、そもそも企画や仕様自体がユーザーの気持ちをあまり考えられていなかった場合やプレイヤーのことを大事に考えないとこれに陥ります。
原因2:想定外のバグ
システム障害などが発生し、アクセスできないなど。未然に防げる場合と防げない場合があります。
・リリース日時が決まっているのに間に合わない!!!!どうしよう!!!
「リリース日時が決まっているのに間に合わない!!!!どうしよう!!!」に陥った時の主な原因も2つあります。
原因1:見積もりが甘い
開発の初めに開発スケジュールを作るが、そのスケジュールがそもそも楽観的なケースです。スケジュールを作る時は、バッファ(余裕)も最初から入れて作成することが重要です。
原因2:交渉ミス
そもそも無理な開発スケジュールなのに、こちらが弱い立場にいたりすると、向こうから強気な態度で何がなんでも作ってくれと言われてしまう時があります。この場合はこちらが辛い立場になってしまうので、強気の交渉が必要です。
炎上案件(修羅場)を予防するポイント
期限まで間に合わない、締め切りの炎上案件を未然に防ぐ方法は、最初の交渉が大切です。できること、できないこと、いつまでならできるのか、できないのか、などは曖昧にせずきっちり明確にしておかないとこのような状況に陥ります。
コントロールがうまければ、修羅場の数は確実に減らすことができます。ちなみに昔、私が原因で修羅場を作ったことも何回かあります笑
何回も修羅場を経験したことでだんだん自分起因の修羅場はなくなりました。そこは数を重ねて学んでいくしかありません。しかし、修羅場は外的要因で発生することもあるので、100%無くすことは難しいですね。
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炎上案件を抱えたくない、、、。そんな風に考えてしまうことってありますよね。正直、私もそうでした。
でも、大丈夫です。ゲーム業界には、炎上案件にワクワクしながら、楽しそうに働く人たちがいます。私もそんな人たちを見ながら、いくつもの修羅場をくぐり抜けてきました。
火消しの作業中は、しんどくて、満身創痍になっていましたが、その経験があったからこそ、ここまでのキャリアを築くことが出来ています。
炎上案件はこれからゲーム業界で働く人にとって、キャリアを積むチャンスにもなるので、ぜひ臆せずにチャレンジしてもらいたいです。
次回の記事もおたのしみに!
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