凪形/Nagikei(世界放浪中の京大生)

京都大学生。京都生まれ京都育ち 敷かれたレールから飛び出して世界を旅してます

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釜山の夜、謎の女について行ってみた。|逆ナンは唐突に

 薄暗い部屋に衣擦れの音が囁く。女は一定のリズムで体を上下に動かし、私もそれに合わせる。お互い息があがっているが、それでもなお動きを止めようとしない。恍惚感が部屋を満たす。時刻は零時を回っている。    はるか祖国を離れ、なぜ私は釜山で知らない女とこんな場所にいるのだろう。それも出会って一時間にも満たない女と。  ことの発端は23時、釜山のホテルで眠りから目覚めた私が食べ物を求めて散歩に出かけたことから始まる。(冬眠から目覚めた熊をイメージしてもらうとわかりやすい)  釜

    • ホーチミンに1ヶ月住んでみて

      東京とか大阪を歩いていると決まって頭が痛くなる。 巨大なビルが立ち並び、圧迫感が物凄いし、人が多すぎてせわしない。五感から入ってくる情報が処理できる量を超えたのだろう、逆に何の情報も得られない。なんだか鬱っぽくなってくる。 巨大な社会の中で自分というものはほんのちっぽけなもので、何の価値もないのだと感じてしまう。 ここ、ホーチミンでは所狭しと建物が並んでいるし、人で溢れかえっている。交通量は東京よりも多いだろう。 しかし、東京にいる時のような圧迫感を覚えることも無ければ

      • [オリンピック]フランス人を擁護したい

        パリオリンピックで誤審や会場の不備があり、フランスに対して悪いイメージを持つ日本人が増えたように思う。 フランスという国については特に好きでも嫌いでもないが、旅で会ったフランス人は良い人が多かったので擁護しておきたい。 前提として、私が会ったフランス人たちは私と同じく海外を旅している人たちなので、フランス国内の保守的な人についてはわからない。 まず、今回のオリンピックで話題となったのが「日本に不利な誤審」が多く、それがアジア人差別なのではということだ。 あくまで私が会っ

        • 人生において重要な「あるタイミング」

          こんにちは、今はタイのタオ島にいてビーチライフを楽しんでいます。 今回は「このタイミングって人生においてめちゃくちゃ重要だな」と思ったことを書いてみます。 そのタイミングとはズバリ、 「高校卒業直後」です。 このタイミングがなぜ重要なのかー 簡潔に言うと、大学を休学するのに最適だからです。 自分のやりたいことを最大限にでき、また、そのための時間を最も捻出しやすいタイミングです。 私は高校を卒業し京都大学に合格した後、即座に1年間休学し、オーストラリアにワーキングホリ

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        釜山の夜、謎の女について行ってみた。|逆ナンは唐突に

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        • 釜山の夜、謎の女について行ってみた。
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          オーストラリアレビュー🇦🇺[コアラあり][ワーホリ]

          海外の様々な場所に行って思ったことを、主観100%で雑に書いていくシリーズ オーストラリア編!! オーストラリアは私の第二の祖国と言えるほど慣れ親しんだ場所。ワーホリで1年住んでました。 ※1ドル=100円で計算。 ※主観100%で雑ということを念頭に置いて読んでください。 行った場所 ケアンズ、サンシャインコースト、ブリスベン、ゴールドコースト、バイロンベイ、シドニー、ブルーマウンテンズ、キャンベラ、メルボルン、アデレード 物価 日本の2倍以上。家賃はもっと高

          オーストラリアレビュー🇦🇺[コアラあり][ワーホリ]

          【オーストラリア】ハロウィン・ナイトと大自然と淡い思い出

          オーストラリアにハロウィンがやって来た。 私は当時、波に流されるようにオーストラリア北部のケアンズに辿り着いていた。 いつものように夜9時半頃に仕事がおわり、帰路に着く。 夜道は蒸し暑く、歩いているだけで汗が出てくる。ケアンズは一年中暑いうえに、ちょうどこの時期から雨季が忍び寄ってくる。 疲れた体を引きずってホステルに戻る。 ホステルにはバックパッカーも多く、世界中から集まった若者たちが共有スペースで酒を飲みながら談笑している。 土曜日の晩は決まってホステルは賑やかに

          【オーストラリア】ハロウィン・ナイトと大自然と淡い思い出

          台湾で東大生と話した「高学歴が抱えがちな悩み」

          京都でナンバー1の進学校から京大に現役合格。 こう書くと、エリート街道を歩む順風満帆な人生のように思われるが、私の実感としてはそうではない。 なんでなん? 知らん間に競争社会に乗せられている 「選択肢を増やす」ために勉強していたらいつの間にか選択肢が減っていた 上がり続ける「幸せのハードル」 ずっとモヤモヤしていた思いを言語化したら上記の3つになった。(台湾で会った東大生と話しているうちに明確になった) 一つでも思い当たる節がある人は、詳しく解説していくのでぜひ

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          韓国レビュー🇰🇷[ユッケあり][映えスポットあり]

          海外の様々な場所に行って思ったことを、主観100%で雑に書いていくシリーズ 韓国編!! ※1円=10ウォンで計算。 ※主観100%で雑ということを念頭に置いて読んでください 行った場所 ソウル、プサン 物価 日本とほぼ変わらない。地元民が行くような市場に行けば食事は比較的安い。ソウルのホテルは週末はかなり高くなる。アルコールは安いと思う(オーストラリア比)。 治安 悪いと感じたことはない。 交通事情 バスも電車も問題なく使える。日本語の表示がある駅もあった

          韓国レビュー🇰🇷[ユッケあり][映えスポットあり]

          台湾レビュー🇹🇼[台湾人に聞いたおすすめスポットあり]

          海外の様々な場所に行って思ったことを、主観100%で雑に書いていくシリーズ 台湾編!! ※1元=5円で計算。 ※主観100%で雑ということを念頭に置いて読んでください 行った場所 台北、台中、台南、高雄(恆春も行ったけど濃すぎたので後日書く予定) 物価 食べ物は安い。500円くらいあれば満足できる。ホテルもやや安い。最安で一晩1800円くらい。その他は日本とほぼ変わらない。 治安 悪くないがホームレスが散見された。特に台北駅周辺。スリや重大犯罪の危険は感じなか

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          釜山の夜、謎の女について行ってみた。Part5|まごころを、君に

          この作品は『釜山の夜、謎の女について行ってみた。ー逆ナンは唐突にー』から始まるシリーズのPart5です。よろしければ始めからどうぞ。  別室のドアを開け、まず目に入ってくるのは屏風だ。  屏風には、紺の下地に白の紙が貼ってあり、漢字で何か書かれている。お経のように見えた。  屏風の前には木の机。その上には先ほど買ったマクワウリが置かれており、さらに燭台らしきものや銀色の箸が3膳、また木製の椀もある。  その机の正面にはさらに小さい机があり、蝋燭と線香が置かれていた。ど

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          釜山の夜、謎の女について行ってみた。Part4|まだ結婚はしたくない

          この作品は『釜山の夜、謎の女について行ってみた。ー逆ナンは唐突にー』から始まるシリーズのPart4です。よろしければ始めからどうぞ。 暗い。寒い。  ビルの廊下の両脇には油らしきものの缶が並んでいる。狭い。もし背後から挟み討ちされたら逃げ道はない。石のタイルが冷たい印象を与える。 私はいつでも素早く反応できるよう拳を固めた。 Mはおかまいなしに階段を上っていく。一階、二階…三階…  二階から三階へと続く階段の入り口には鉄格子があって、牢の入り口のようになっている。

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          京大入学し即休学!なぜ合格後すぐに海外へ行ったのか

          やっぱり。 3月10日正午、京都大学の合格発表を見た時の私の感想である。 結果は合格。 喜ばしいことのはずなのに、私は無感動であった。 将棋の駒を一つ進めただけのように思えた。 その後すぐに京大を休学。 入学式を迎えるよりも前に教務課に休学届を突きつけたのである。 諸々の手続きをこなし、4月末にはオーストラリア行きの飛行機のゲートをくぐっていた。 結果的にオーストラリアで一年間サバイバルするわけだが、そもそも一体なぜ私は京大での黄金のキャンパスライフを尻目に海外へ

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          釜山の夜、謎の女について行ってみた。Part3|アブナイ散歩道

          この作品は『釜山の夜、謎の女について行ってみた。ー逆ナンは唐突にー』から始まるシリーズのPart3です。よろしければ始めからどうぞ。 「祈りの場」に向かう道すがら、私は彼女と断片的に会話した。 彼女が拙い英語で尋ねてくる。 「あなたの名前は何?」 「トムだよ。」 私が答えると、彼女は怪訝な顔をした。伝わっていないかなと思い、補足する。 「トム。これはイングリッシュネームなんだ。」 私は会話を円滑にするため、外国人相手にはイングリッシュネームを使う。 「違う違う、イン

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          釜山の夜、謎の女について行ってみた。Part2|スーパーでの攻防

          この作品は『釜山の夜、謎の女について行ってみた。ー逆ナンは唐突にー』から始まるシリーズのPart2です。よろしければ始めからどうぞ。 以下、数回にわたって彼女が伝えてきた内容 …おもしろそうだ。非常に怪しいが、怪しいからこそおもしろい。  危険そうだったらすぐに引き返せばいい、とりあえず何が起こるか試してみよう、と思い私はすぐにYes!と答えた。  この時点で私は日本の墓参りのようなものをイメージしており、20分もあれば帰れると思っていた。この考えがいかに甘いものだっ

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