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魂の交感から鎮魂へ。幽玄なる世界へと誘われる。人形アニメ「死者の書」★5

8世紀奈良、非業の死を遂げた滋賀津彦(大津皇子)の魂が目覚め、そして、藤原南家の郎女いらつめは、そこに尊いおもかげを見る。二人は交感し、郎女の純真な想いは滋賀津彦の魂を鎮めていく。

2005年/70分 監督川本喜八郎

内容
「ひさかたの天二上」2006年/14分
「死者の書」2005年/70分(副音声解説あり)
特典 メイキング・オブ「死者の書」2007年/47分

作品

人形劇というものにあまりなじみがないんだけれど、人形の動き、特に服の動きや目なんか、すごいなーと感心させられる。魅入っちゃうなー。何か普通の動画とは違う、人形であるが故の魅力(魔力?)を感じる

内容は、当然の高品質であるし、難解な「死者の書」の理解に大いに役立つ。こんなシーンもあったのかと、新たに気づくとこも多数。音楽も良く、この世界の雰囲気を盛り上げる。

声優さんたちも皆、キャラにピッタリで素晴らしい。郎女いらつめ(宮沢りえ)が、おっとりした印象だったのが、それとは少し違い、利発的で芯のある感じ?だった。確かに、原作ではそうだったような気がする。

特に素敵だなと思うのは、よく知らないが、大津皇子おおつのみこの観世さん。能のひとなんだろうけど、あーゆー感じは、思ってたのとは全然違い、まさに霊的な雰囲気で、大きく上回る良さを感じた。

黒柳さんも、やっぱりすごいんだなー改めて思う。うまし!その他の人たちもいい。ナレーションの岸田さんも。まあ、衣装やセットとか諸々すごい!いい感じ。メイキングとか見るとなおさら素晴らしい!

どこかで監督が、これは「執心と解脱」の話だと語られていたと思う。うーん、そうなのかーと唸る。たぶん、それぞれの主要キャラが何かしら執心してるものがあるんだろう。次、その辺を意識して読んでみよう!

最後に、エンドクレジット。能の音楽(「當麻」)もいいし、数多くのサポーター名が流れるんだけど、そこには知ったような名も多数。最後の最後まで、興味そそられ、ついつい見てしまうよ。

(副音声解説もありがたい、嬉しい。)

メイキング

良かったなー。久しぶりにこういうメイキングちゃんと見たけど、裏方さんの存在を再認識できて、作品の見方がまた変わる。作品の裏側にある思いを感じると、リスペクトの念が沸き立つ。

この人形劇というのは、またとんでもない労力がかかってそうで、すごいわー!ほんと、それぞれの役割の人たちがスペシャリストで、マニアック!圧巻ですわー。こんなのずっとやってたら気が狂いそうだけど笑

あと、声優さんも豪華なんだけど、その辺もうちょい見たかったなー。ラストにちょっとだけだったから。特に宮沢りえさん笑(結局そこ⁉)、黒柳さんとか江守さんとか、みなさんやっぱうまいのよねー。

川本喜八郎さんを初めて見たけど、なんか人柄も良さそうな、好印象。若い学生やスタッフも作品作りに参加してて、若手育成という面も意識的にやっていたのかなーと、勝手な思い込みをする。

あと、友情アニメーションとして、(友情出演ってやつか)ロシアのユーリー・ノルシュテインさんが参加。どこかなーと思ったけど、どうやら、大伴家持の回想の郎女が桃畑を歩くシーンらしい。

今回、久しぶりに思い出したけど、なんか能の音楽?が妙に好きなんだと。今まで能というものを見たこともなく、どういうものなのか全然わからないけど、なぜだか惹かれる。一度、ちゃんと鑑賞するのが夢の一つ。


原作(中公文庫岩波文庫角川ソフィア文庫、があるのかな)
漫画版も!

★\(^^)/☆

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