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石好きにはたまらない!沼に惹き込まれていく… 本「石はきれい、石は不思議──津軽・石の旅」★5

奥深き「石」の世界を巡る。

2007年
著 堀秀道中沢新一奥泉光中里和人(写真)

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(76ページ、内12ページ白黒)
・石を拾いに津軽へ。
・石の旅―本州最北へ/堀秀道
・石神の先史学/中沢新一
・石には宇宙史が凝縮されている/奥泉光
・津軽探石行/中里和人
・インタビュー 牧野喜美雄さん
・インタビュー 石戸谷秀一さん
・達人の石コレクション

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薄い写真集のようであるが、中には、石にまつわる4人の文章と二人の達人のインタビュー、詩などが掲載されており、そこで表現される言葉には、石の神秘や愛などを存分に感じられ、魅了されていく。

もともと石好きではあったが、詳しく調べたことはなかったので、大いに為になった。これを読んで、ますます石への関心が高まる。見方が深く広がり、向き合う態度が変わる。愛が生まれる。

写真で紹介される石たちはどれも惹かれるものばかりであるし、石についての読み物も、少ないながらも、読みごたえがあり、意識を変容させてくれる。大いに満足のいった一冊であった。石最高!

「雨に濡れて。独り。石がいる。億年を蔵して。にぶいひかりの。もやのなかに。」(草野心平「石」)

石についての色々が述べられているが、惹かれる言葉が多い。中でもときめいたのは、「養石」という言葉。植物を育てるのと同じように、養い育てる。不変と思いきや、石も成長し変化する、と。

今、自分が持っている石も部屋に置きっぱだが、「養石」のため、外に出して、雨・風・太陽に晒してみようと思う。どういう風な変化を遂げるか。こんな楽しみ方もあってワクワクする。養おう。

それから、「見立て」。「形や模様から、よく知る人や動物、あるいは自然の景観を見出す」ことらしい。石に魅了された古今東西の人々が熱心に行ってきたと。もう石の楽しみ方は無限大じゃないか!?

「石のねむりは深くして、花落つれども、ただ、しづか、石の眠はくらくして、雨ぬらせども、ただ沈黙しじま」(西條八十「石」)

また、愛石の歴史も少々知れたし、色々な愛石家も知れた。江戸時代の本草学者・木内石亭さんをはじめ、棟方志功、宮沢賢治などもそうだったようだ。エルンスト、ノヴァーリスという人たちも石の魅力を語っている。

あと、「すべてのひとに石がひつよう」という絵本のことが載っていたが、非常に興味深い。「石は地球の記憶装置」、もうこれは完全に観てみたいと思った。(ちらっと調べたら、ちょっと高そうだが…泣)

とにかく、石好きはこれを読んだ後、すぐにでも石を拾いに行きたくなる衝動に駆られるのは必須!と思う笑。素敵な石と出会いたい!授かりたい!そして、宇宙の、地球の、遥か悠久の時の流れを感じ、自分を想いたい…。

「石の持つそれ自身の美しさ、それ自身で完結し、もうこれ以上手を加える必要の全くない美しさには、芸術作品のあたえる感動などよりもはるかに以前の、人間の心に直接に触れる、原初の喜びに近いものがあるにちがいない」(澁澤龍彦「石の夢」)

津軽半島に行って、石と巡り合いたい!


☆\(^^)/★


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