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「天才になる習慣」に少しでも近付こう

 手元に『天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。-インプット・ルーティン-』(菅付雅信すがつけまさのぶ著・ダイヤモンド社刊)という本があります。

 2024年6月4日第1刷発行とありますから、まだ、発刊から間もないのですが、大型書店では、平積みされており、内容からしても、将来を担うクリエイター向けのベースとなる知識の醸成を図る目的で書かれたものです。

 サブタイトルにもあるとおり、“インプット・ルーティン”がこの本の趣旨ですから、次代を担うクリエイターには、読書などの大量のインプットが必要であると繰り返し書かれています。

 時代を画する漫画家・アニメーターの手塚治虫氏や宮崎駿氏が、どれだけの読書家であるか、雄弁な筆致を持って書かれています。

 この本の末尾で、坂本龍一氏が、亡くなる20日前の名物編集長(鈴木正文氏)とのインタビューの中で、病床で読んでいるという10冊の本をめぐり、次のように語ったというくだりがあります。

鈴木「今はこのあたりの本を行ったり、来たりして?」
坂本「鴎外を読んで、荷風に戻ったり、途中で荘子老子も読んだり、埴谷さんに行ったり。本当にこのあたりの本を行ったり、来たりしています。」
鈴木「ちなみに、今、読書の時間はどれくらいですか?」
坂本「2、3時間ぐらいかな。観たい映画もドラマもあるし、聴きたい音楽もあるし。本当に大変ですよ。忙しくて(笑)。」

著者「死が迫りつつある病床での、猛烈なインプット生活! この絶え間ない知的インプットのルーティンこそが、坂本龍一を坂本龍一たらしめた。 あらためて確信する。生まれつきの天才はいない。天才になる習慣があるだけなのだ。

 本の末尾に書かれたこのエピソードに、普通のクリエイターを“天才的なクリエーター”に変える“秘訣中の秘訣”が書かれていると感じ、かなりしびれました。

 私自身は、クリエーターでもなんでもなく、単なるサラリーマンなんですが、若い頃より、文章を書くのがかなり好きな方でした。

 また、読書家を自称するほどの読書家では全くありませんが、社会人になってから、年間百冊以上の読書を30数年続けており、おそらく4千冊以上の本を読んでいるだろうと思っています。

 雑誌などで、プロの作家がネタ探しに困っているのをよく見かけましたが、「それって、単に“インプット不足”なんじゃないの?」って、ずっと思っていましたので、先の本を読んで、クリエーターを真のクリエーターたらしめるものは、「大量のインプット」であると、改めて感じ入りました。

 私は、プロの作家ではありませんが、このnoteへの雑文投稿も、500を優に超えています。自分で言うのも何ですが、ネタに偏りがなく、本当に雑多なんです。
 ※自分の高学歴のことしか語ることのないクリエーターがいるのを見かけると、「社会人になってからの方が、ずっと勉強が必要なのに…」とかなり残念に思います。

 坂本龍一のくだりを読んで、大型書店で、「老子」を買って読んでいます。さすがに、漢文そのものとか、書き下し文を読み込むのは厳しいので、現代語訳文を読んでいます。

 「大丈夫だいじょうふという文言が出てきたので、訳注をながめていると、もともとは「立派な男子のこと。丈夫とは、身長一丈(約2m近く)もある大男を指す。」とあり、そうかと思って読んでいました。

 散髪屋の待ち合いで読んでいたのですが、ちょうどそのとき、MTVが流れるモニターから、Aqua Timez(アクアタイムズ)というバンドの「虹」という曲が流れてきました。

 「大丈夫だよ 見上げればもう 大丈夫だよ 七色の橋」

 ちょっといい偶然だな。いいことあるかもと、夕立が降る外の景色を見て思いました。

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