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広告クリエイティブ調査は、CMにとってのDX?

広告のクリエイティブ調査で、お悩みの広告・宣伝を担当されている方々は
多いのではないかと推察します。
最近は、従来の“好き嫌い”や“どの様に感じた?か”など段階的に点数を付け
て計るなどの手法に加えて、顔認証みたいな表情解析モノや、目線を追いか
けて計測するなど、調査手法も進化を遂げてきて調査報告に精度が増してき
たと思われますが、
どうも満足されていないという担当者からのお話を聞くことが絶えません。
何故なのでしょうか?

■クリエイティブ調査は何のためにやるの?
まず、根本的に、広告クリエイティブ調査を行っている企業さんによると
大方が、マーケティング活動におけるPDCAを回すという社内プロセスに
よって行われていると回答されますよね。
現在の日本の企業はマーケティング組織がしっかり構築されて、ブランド
マネージャーはマーケティング活動における投資?(経費?)額の大きい
広告は、どうしても投資対効果としての説明責任から、広告宣伝担当者へ
それを求めます。広告宣伝担当者にとってメディア費における効果効率と
同等にクリエイティブ調査を活用し、クリエイティブの側面から効果とし
てどうの様な評価をくだすのか?など、その任を果たしていくのは当然の
ことだと考えられています。
つまり、クリエイティブ調査は、表向きはマーケティング活動のプロセス
における重要な一つのパートであることを上記で認識することが出来ます。
しかし、本当にそれだけの機能だけなのでしょうか?

その答えになりそうなことが、ありましたので、これからご紹介します。
自分がフリーになり、クリエイティブ調査を行う調査会社の担当者から
企業…メーカーにおけるクリエイティブ調査について、本音のところで
どの様に捉えているのか、メーカー目線で教えて欲しいと頼まれました。
その理由は、一社に限らずクリエイティブ調査を依頼された企業に、その
調査報告するときに調査結果は分かったが、次回どうすればいいのか?を
毎回問われるということでした。
自分は美大卒の企業内クリエーターとして調査と向き合っていましたが、
結果に関しては、こんなもんだろうね~と、既に予測が出来ているというか
お客様の反応を冷ややかなりにも、重要な現象・傾向として受け止める
やり方を何気なしにしていました。
多くのメーカーの広告宣伝担当者は、一般大学を卒業し、いくつかの異動の
中で広告宣伝担当者になり、このクリエイティブ調査と向き合う中で対象
広告の調査報告における評価は、それなりに認識出来たにしても、次回に
企画・制作するCMが、どうすれば今回の調査結果を上回り良くなれるのか
想像出来なかったための質問だったと思われます。
それは、社内のマーケティング組織に対する説明会でもクリエイティブ調査
報告から次回の展望が語られなければ説明責任を果たしたコトには成らない
ための広告宣伝担当の苦しい立場を改善したいという切なる質問でもあった
と考えられます。

■クリエイティブ調査と広告の企画・制作を繋ぐモノが無い?
メーカーの広告宣伝担当者は、自社の大事な商品の広告を担当するのです
から、オリエン、プレゼンは勿論、撮影現場まで良い広告を作ってもらい
たいという思いで、広告会社の担当者と議論、調整を重ねながら心をこめて
責任一杯で担当します。
かたや、クリエイティブ調査会社の方々は、その制作プロセスにおける経緯
を当然ながら知るよしもありません。むしろ間違いの無いように、ある意味
冷静に調査し結果を取りまとめて報告されます。
広告会社を通じてメーカーが作ったモノを、第三者である調査会社が調査し
評価報告する。これは、これで一つのビジネスの形なんだと思います。
しかし、調査結果が示すモノは、あくまでも調査したその広告素材が
どの様にお客様の理解・認識・共感などが得られたのか、得られなかった
のかの結果に過ぎません。
サステイナブルなビジネスにおいて、次の展望を見いだしたいと目論む
メーカーの担当者にとっては歯がゆい思いが募っているのは自分もメーカー
に勤めていたからこそ理解ができるところではあります。
企画・制作を担った広告会社は、あくまでも今回のための企画であり、
さらにメーカーのオリエンに沿った企画であり、それを選択したのも
メーカーということでクリエイティブ調査の結果を共有されたとして
評価が芳しくなければ、そうですか!?残念でした、で済まされてしまう。
何故そうなるかというと、
根本的に、メーカーにとってクリエイティブ調査は、調査した広告の
クリエイティブ力よりお客様の態度変容がどれだけ高く推移したのか?が
重要になりますよね。販売に貢献するために広告投資をしているので当然
のことと言えば当然です。
ちなみに広告会社に取っては、“広く告げる”が広告の役割と認識されて
いるので認知度合いが重要となり、あらゆるジャンルの広告がオンエア
される中で、その広告が目立ったのか?覚えられたのか?面白かったか?
など「伝わったのか?」に着目され、広告に対するメーカーと向き合い方
が異なるというのが大前提として存在していることからも起因しています。
以上のことを踏まえたとしても、ハッキリしたことは、
折角、第三者の目線でクリエイティブ調査がなされても、広告そのものを
企画・制作するプロセスに調査の結果を反映させる仕組みがないという
ことです。
ですから、広告の企画・制作の知識・経験の無い調査会社の方々に、
どうすれば?と質問、問い合わせても、他社はこんな感じといった程度は
答えられたにしても、各メーカーの商品毎に異なる課題を前にして信憑性の
高い対応策を答えることが出来る調査会社の調査員は誰もいないのでは
ないでしようか?

■クリエイティブ調査の実態と可能性?
あらためて基本的なことですが、クリエイティブ調査は、その調査した広告
のクリエイティブ力だけであり、各調査項目の結果指標しか表していないと
いうことは今までの文章から読み取れたと思います。
残念ながら、クリエイティブ調査を次回に使い回すというのは虫の良い話で
そんな単純なモノではないということも分かっていただけたと思います。
しかも、次のタイミングで広告を企画し制作する時には、ジャンルにも寄り
ますが市場の環境、お客様の興味関心の矛先が変わっているコトが往々に
して起こるため、当然、前回と同じ条件のマーケティングプランにはならず
前回とは異なって全く新しく広告を作る際のオリエン内容、課題やテーマに
しまうこともたびたびです。この点においても、その都度のクリエイティブ
調査とならざるおえないということがここでも起こってしまいます。
ただ、先ほどから頭を悩ませている広告宣伝担当者の企業は、少なからずも
継続して同じ商品・サービスのCMやBtoB広告をされているメーカー・
企業かと思われます。
つまり、それにともない同商品・サービス・BtoB広告のクリエイティブ
調査の結果が、企画内容が異なっていたとしても1回どころか2桁単位で
積み上がっているのではないでしょうか?
積み上げておいても、それはただの書類でしかありません。
おそらく、しっかり、ただの書類と化しているのかもしれませんが、でも
それは商品・サービス・BtoB広告のブランディングにつながるお客様が
反応した重要なDATAなのですよね? 反応した反応しなかったも含めて
貴重なDATAが積み上げっています。
既に調査員なりの見方では調査済ですが、これを別な視点から一つ一つ
見ていくことによって、その何気なかったDATAが、大化けする可能性が
出てくるのです。

■何故クリエイティブ調査は、宝の山。その意味は?
タイトルのクリエイティブ調査は宝の山…と書きましたが。皆さんには
信じてもらえるでしょうか?
先ほど、多くの企業がクリエイティブ調査を行い、調査報告を受けながらも
結果としてデーター保管されるだけに成っている。
確かに、クリエイティブ調査は、そのCMの為だけに行われた調査では
ありますが、お客様の反応という貴重なDATAデあることには変わりが
ありませんとも先ほど書きました。
では、お客様は、何を見て反応したかですが、それは映像と音ですよね?

そのために私が大切にしているのは、CMの映像です。
よく言われることとして、多くのお客様は、CM映像をちゃんと見ていない
とされていますが、本当でしょうか?
確かに、自分も“ボ~っと”しながら、目に飛び込んで来る映像を無意識に
眺めている様に、振り返るとそうなんだろうな~と思います。
でも、不思議なのですが、人間はちゃんと見ています。
自分に必要なCMか?不必要なCMか?瞬時に判断しています。それは
恐ろしいほどの短い時間での判断ですよね。そして必要とされたCMは、
それなりに目線は追っかけるのですが、好き嫌い、良い悪いなどの判断も
同時に行っていています。何故、それが出来るのでしょうか?
クリエイティブ調査で、それは何故暴けないのでしょうか?

その答えを求めて、まず私はCMのすべての映像のカット割りに分解して
映像カットのコンテを作ります。そのカット割りされたコンテと調査項目
によくあるお客様の興味曲線などを活用して、どのカットに反応したのか
チェックします。そのチェックした映像が前後でどの様な役割を担って
いるのかを考え、さらに他の調査項目では、どんな数値が出ているのか?
など横にらみながら、さらにフリーアンサーなどもクロスさせて、お客様は
どの様にこのCMを認知し理解していったのか? 評価したのか分析と推測
をします。
しかも、カット、カットにおけるストーリーとしての役割とそれにともなう
認知・理解度がどれだけなのか?など、通常の調査会社の調査分析の項目
とは異なる自身のクリエーター視点もたくさん入れて分析をします。
それは何かというとCMのプランナーや監督がお客様の頭の中に記憶に残す
ために、どの様な仕掛けを埋め込んだのかを見るためです、記憶し易くして
あげなければ、あっという間に流れるCMなので記憶されずにCMが流れて
行ってしまうからです。
それは、よく言われる、面白い・目立ったとかではありません。それらは
時として主役を食ってしまいます。面白かった印象が強く残り、何のCM
だったのか覚えていないというのがそれにあたります。
当たり前ですが、上手くお客様を動かせたCMには、良いヒントが隠れてい
るはずですよね?何故ならお客様の心を掴み動かし行動まで導いたのです。
ダメなCMは、ダメなりの反応があり、クリエイティブ調査のデーターは
何かしら語っています。
ですから、クリエイティブ調査の活用の仕方は、まだまだ隠れていると
言うか、ちゃんと開発されていないのかもしれないと考えています。まさに
クリエイティブ調査のトランスフォーメーション(変換)が必要な時なの
かもしれませんね。これから紐解いていきたいと思います。
ということで、
いつの間にか、とても長い文章になったので、今回はここまでにしたいと
思います。次回をお楽しみに。


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