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走馬灯 | セクシュアリティ

マイノリティ。少数派。
「少数なだけでひとりではない」
そう言い放った自分がとても空虚で笑えた。

孤独な夜に胸は痛い。
所詮はただの記号。
それだけがただ、しんどくて死にたいよ。

生きていく中で性に関する話題が多すぎる。産まれてから死ぬまでずっと。死んでもなお、後ろ指差され、その果てに酒の肴になる。
増えすぎた多様性の海で救助も来ずに溺れ死ぬ。


僕はもう何もかも手に入れた。
ひとつだって手にすることは難しいこの世界で満たされすぎた。
同じ記号の友人、恋人、憧れの人、それぞれと作り上げた僕だけの走馬灯。
授かったガワが良かっただけ。大事な人に優しくいたいだけ。それでも叶えられない人間から妬みを買っては、やっぱりひとりがお似合いなのだと嘯いて耐えるだけ。

食欲も睡眠欲も失くして、僕には性欲しかなくなった。

よりによってなんで性欲なんだろう。どう考えても、いちばん最初に失くなれば良かったのに。心がぶっ壊れすぎていて、それでもこの身体が生きたいと願うから生きてやっているというのに。

さっきまで満たされていてもすぐに空っぽになって、求めるものだけは求めてくる。その瞬間だけは満たされた気がする。それも虚構なのだと気付いて絶望する。絶望した癖にまた次を、次をと欲しくなる。


「公園で片っ端から女の人に声を掛ける人も居る」という医者の言葉に、母が「そういうのは無いですね」と応えていて、本当にもう死んでやろうかなと思った。条件付きの愛で生きてきたから、死ぬまで自分を愛せそうにないです。そんな自分に他人を愛する資格なんて本当に無いんです。


p.s.
少し病んでいます。胸が痛いです(物理)。
ちゃんと休みます。優しい言葉を掛けてほしいです。




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