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続思春期の頃/映画「デボラの甘い肉体」

  「僕の昭和スケッチ」42枚目

43続デボラの甘い肉体

<画/もりおゆう 原画/水彩 サイズF5>

*この記事は先週の思春期の頃/映画「デボラの甘い肉体」の続きです。

さて、補導される恐怖と恥ずかしさも何のその、
私たち3人は、目くるめくベッドシーンを期待して映画館に入った。
何しろ、「デボラの甘い肉体」です!
そりゃあ、誰だって期待します、するなという方が無理です。
デボラの…(なんてsexyな名前なんでしょう!)
甘い肉体!…ですよ!

だが…

数時間後、私たちはどんよりと肩を落として繁華街を歩いていた。
1人が苦虫を噛みつぶすように言った。
「ふ…ふざけんな…!」と。

解説すると、デボラの甘い肉体はエロチィックサスペンス映画の部類に入るもので、こういった映画の典型のような作品だったのです。つまり…サスペンス映画として見てもさして面白からず、いやそんな事はどうでもいいのですが…肝心なのはエロチィック映画としてアクビが出るようなつまらないものだった…という事なのです。日本で一般映画として興行するためにベッドシーンの大部分をカットし、大袈裟に言えば「服を脱いでベッドに入った次のシーンで、もう事が終わってストッキングをはいている」といった展開です。要するに、僕達のような女の子の事で頭がいっぱいの男子を誘惑して映画館に足を運ばせるような巧妙な色仕掛け(何と言う適切な表現!)の作品で、僕達昭和少年は見事にその映画戦略にはまってしまったのでした😋。

結果として、あれ程甘い肉体を期待して映画館に行った私たち甘すぎる3人は、やり場の無い怒りに震え(そりゃあ震えます!)…
「デボラの甘い肉体」の大きな看板の前でもう一度地団駄を踏んだ…

「ふっ…ふざけんなっ…!」と。

*いやはや、若い日というのは色々な事があります😋

*「デボラの甘い肉体」はイタリア映画.
現在でもテレビ放送版、日本版のDVDでは性的なシーンの多くがカットされているが、スウェーデン版DVDではそれらのシーンの多くがそのまま収録されている、との事(Wikipediaより).
主演/キャロル・ベイカー
監督/ロモロ・グエリエリ
1969年日本公開


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