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「自分だけの答え」の見つけ方【読書記録】奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム

「自分だけのものの見方」を持って世界を見つめ、そこから「自分なりの答え」を生み出す人たちがいる。

それができれば自由であることを楽しめたり、
アートのように人生を楽しめることができるかもしれない!

読書ばっかりしているとそれはそれで視界が狭くなっていく。そう感じた時は美術館によく行きます。美術館で時間を忘れて目の前のアートだけを楽しんでいると頭がリセットされスッキリしますね。

そこで今回は東京都庭園美術館の企画展「奇想のモード」に行ってきたのでその内容と感じたことをこの記事で紹介します。

美術館で公式図録が売っていたのでそちらも購入しました。

このnoteでは、書評を中心に読書に関する記事を発信しています。ぐちゃぐちゃになった頭の中を読書で整理してみると、それだけで人生がラクになります。

シュルレアリスムとは?

この企画展のテーマとなっているシュルレアリスムは約100年前に起きた芸術運動のこと(らしい)。

そのシュルレアリスムが現在のファッション(特にモード系ファッション)に大きな影響を与えている。シュルレアリスムから現在のファッションへの大きな流れを楽しめる企画展でした。

シュール + レアリスム = シュルレアリスム

英語ではスーパーリアリズム(Super-Realism)、
超訳すると意識的にはまだ認識できない”無意識化のリアル"、それをアートという具体的なもので表現しようとする試み。

この企画展ではシュルレアリスムを代表するサルバドール・ダリやエルザ・スキャパレッリの作品から、ファッションブランドメゾンマルジェラのマルタン・マルジェラ、ジョン・ガリアーノの作品が楽しめました。

ユニクロとメゾンマルジェラ

この展示会に出てくるメゾンマルジェラの服はなんであんなの高いのか?

ユニクロでいいジャケットが5,000円で買えるのに、メゾンマルジェラはなぜ10万円、20万円、それ以上もするのか? 

それはファッションの歴史的な大きな文脈をしっかり理解した上で、それを現代の最適なカタチで再構築しているから、だと思います。

歴史的な大きな文脈(コード)を今の流行(モード)で表現する。
コードは大きすぎて見えなくなってしまったから、それをわかりやすいモードで表現する。無意識のリアルの具体化、シュルレアリスムな試み。

生活必需品とラグジュアリーアイテムの間にある見えない価値をしっかりとらえ、それをデザインという具体的なものに落とし込んでいるから。

「コードとモード」

私はコードとモードで見ます。コードは歴史的な文脈における表現の方法で、描く人の教養の深さが表れます。モードは時代の流行で、描く人のセンスに関わります。

田中 靖浩 (著), 山本 豊津 (著)
教養としてのお金とアート 誰でもわかる「新たな価値のつくり方」

もし世界中の人がユニクロを着るようになって、新しい大きな文脈(コード)に近づいていていくほど、その一方でメゾンマルジェラのようなモードなラグジュアリーブランドの価値はいっそう増していく。

大きな文脈(コード)と今の流行(モード)はそういう関係にある。

世の中で起きていることは一見デタラメに見えてもしっかりとした理由がある。コードとモードの関係もそのひとつ。

そういう「見方」を手にすることができた企画展でした。オススメです。

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