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隠れ上手

近所のスーパーに行ったら
『なんか匂うなー、いやこれ絶対に匂うぞー』と、久々に野性的な直感が訪れ、それを頼りにそろりそろりと近づいていくと……
やっぱり!!!

そのお姿すら見かけたことはほぼなく、まさに幻の逸品なんだろなー、お目にかかる機会は今後ないんだろうなー、とゆーか私そもそもそこまでメイクに気合もないしなー、と思っていた私の目の前に、奇跡の光景が!!

もうすぐ夜という中途半端な時間にもかかわらず&私立中高×2校の下校通り道(というかスーパーの中を通り道にしてる子、多数)という環境にもかかわらず!

完全に入荷したばかりと思われる整然とした並びっぷり!

ほぼ同じタイミングで気づいたカップルの彼女と私で、場所を譲り合いながらじっくり吟味してる間に、彼氏はどこかへ消え去り。

私が『こんなにあるの、信じられないよね!?』と話しかけると『ホントですよね!彼氏に聞いたら、どの色も同じだよーとか言われちゃって。どれにしようか迷ってるんです』。

『えっ、じゃーどれが似合いそうか見ちゃおっかなー。ちょと一瞬マスク外してくれる?』
『えー恥ずかしいけど、じゃー…(マスク外す)』
『……ブルベだよね?色白いし』
『私は、イエベの秋かブルベの夏だと思ってるんです。ちゃんと調べてもらったわけじゃないんですけど』
『いや、きょうの薄ピンクのマスクも似合ってるし、青みピンクのリップも似合ってるし、絶対にブルベ夏だと思うよ!』
※このあたりでおじさま読者のみなさまが去る足音が

『きょうのリップ、実はコレとコレを混ぜて塗ってるんです』
『(カラーチャートを見て)ほら!やっぱり黄みじゃなくて青みじゃーん!てゆーと、コレかコレかコレじゃない?』
『私、コレとコレは持ってるんです』
『じゃーコレしかないね!これが一番似合うと思うよ!』
『でもちょっと濃い目かなーと思ってて…』
『もし濃かったら、ティッシュオフするか、下地にリップクリーム塗ればいいんじゃない?』
『あ!確かにそうですね!』。

そしてそのかわい子ちゃんは、私が激オススメした12番を持ち、レジへ向かっていきました。

『彼氏くん、どっか行っちゃったね💧ごめんね』と言った私に『いつものことですから笑。でも、お互いに買えて良かったですね😊』と爽やかに去っていった22歳の彼女の姿を見て、私の人生初、こんな気持ちが沸き上がってきました。

『このまま君だけを奪い去りたい』

※ご参考まで。限定色全部ありました



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