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第10話 はじまりはじまり

私立の中高一貫校に進学した僕は、人生を取り戻そうとしていた。
今まで仲間外れにされていたのは環境が悪かったから。ここでは全く新しい自分になれるんだ。そう息巻いていた。

中学1年、両親の影響もありテニス部に入部。
そこでも僕は持ち前の社会不適合性を存分に発揮し、見事孤立をする。
進学し僅か1か月ほどで、たちまち日陰者のレッテルが貼られた。
その後しばらく、好かれることもないが特別嫌われることもない
超低空飛行な学生生活を送る。


中学2年、時々一緒に帰る「知り合い」が出来る。
部内でも、ムチャ振りされたものまねをやり遂げたことで
日陰者ではあるものの面白い人間であると認められ
少しずつ輪に入れてもらえるようにはなった。
居心地は決して良くはないが、居場所が出来たような気がして少し嬉しかったのを覚えている。


中学3年、人生の転機が訪れる。
僕が学年で最も憧れであった女の子と、なぜか付き合うことになる。

長いこと日陰者をやっていた僕は恋愛関係どころか
人間関係すらまともに築くことをしたことが無かったため
とても浮かれていた。



だが、この出来事をきっかけに
僕の中に「人間不信」という
重大な人格形成がなされることになる。









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