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音楽話

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投稿のメインです。自分の好きな音楽を勝手気ままに取り上げ、紹介していきます。
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#音楽紹介

(音楽話)94: Jessie Ware “Free Yourself” (2022)

(音楽話)94: Jessie Ware “Free Yourself” (2022)

肯定でも満足でもない「自己礼賛」

自己肯定は誰にとっても生きていく上で必要なもので、意識・無意識にかかわらず、誰もが切望するもの。長年抱えてきた自己承認欲・他者からの賛同欲求が大解放されたSNS時代では、もはや当たり前。でもそれは諸刃で、自己肯定すればするほど、それを全否定して罵詈雑言浴びせる要素も存在する。また、自己肯定の意味を曲解し、傲慢で他者のそれすら踏み潰していく御仁もいる。

私は若い

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(音楽話)93: 吉田拓郎 “人生を語らず” (1974)

(音楽話)93: 吉田拓郎 “人生を語らず” (1974)

叱咤(私のただの書き殴りですすみません)

10代の頃、吉田拓郎はあまり好きになれませんでした。がなり声、粗い歌詞、フォークソングというジャンル…すっと心に入るものではなかったし、メロディが美しいとか、歌詞がカッコいいとかすら思いませんでした。

よく考えるとそれは当時、私になにかを背負っている・担おうとしている気概というか、意識が無かったがゆえ、彼の歌詞が一向に耳から奥へ届かなかったのかもしれま

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(音楽話)92: Mad Dogs and Englishmen “Honky Tonk Woman” (1970)

(音楽話)92: Mad Dogs and Englishmen “Honky Tonk Woman” (1970)

【ズルい】

Mad Dogs and Englishmen “Honky Tonk Woman” (1970)
(Joe Cocker)

英国は、定期的にソウルフルなシンガーってのが世に出てきます。古くはTom JonesやSteve Marriott、Steve Winwood、Rod Stewart…比較的最近ではLeona Lewis、Amy Winehouse…Adeleもソウルフルと

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(音楽話)91: Swing Out Sister “You on My Mind” (2013?)

(音楽話)91: Swing Out Sister “You on My Mind” (2013?)

【毒と薬】

Swing Out Sister “You on My Mind” (2013?)日本でも非常にファンの多いグループ、Swing Out Sister。80−90年代のCMやドラマ、そこかしこで流れてましたよね。ヴォーカルCorinne Dreweryの低くて深くて温かい歌声と、ポップでノスタルジックで美しいメロディ・サウンドで数々のヒット曲を生み出しました。

当初はもっとシティポ

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(音楽話)90: The Beatles “Here Comes the Sun” (1969)

(音楽話)90: The Beatles “Here Comes the Sun” (1969)

【始まり】

The Beatles “Here Comes the Sun” (1969)新たな日々。新たな1週間。
胸を張って。楽しんで。

+++++++++

[+]
太陽がやって来た
太陽が昇ってきた、言った通りだろ?
もう大丈夫さ

リトル・ダーリン、ずっと寒くて寂しい冬だったよね
リトル・ダーリン、ここにいて随分長い時間経ったみたいだ

[+repeat]

リトル・ダーリン、笑顔が

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(音楽話)89: Peggy Lee “Black Coffee” (1953)

(音楽話)89: Peggy Lee “Black Coffee” (1953)

【前向きなヤサグレ】

Peggy Lee “Black Coffee” (1953)Peggy Lee、本名Norma Deloris Egstrom。70年ものキャリアを誇った大御所シンガー。

1920年米国ノース・ダコタ州ジェームズタウンで、北欧系両親の下に誕生。カリフォルニアで働きながらデビューのチャンスを狙っていた際、当時バンド専属の新しいシンガーを探していたBenny Goodman

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(音楽話)88: Raul Midón “Spain” (2021)

(音楽話)88: Raul Midón “Spain” (2021)

【情熱】

Raul Midón “Spain” (2021)2021年2月9日、79歳で亡くなったChick Corea。彼については最近ご紹介したことがあるので、よろしければ以下を。

Chickのキャリアにおいて、クロスオーヴァーの名プロジェクトReturn To Foreverは、彼の名声を確固たるものにしたばかりか、その音楽性の汎用性、野心、追究心が無尽蔵であることを世界に知らしめた、非

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(音楽話)87: Paula Cole “I Don’t Want to Wait” (1997)

(音楽話)87: Paula Cole “I Don’t Want to Wait” (1997)

【あんまりだ】

Paula Cole “I Don’t Want to Wait” (1997)Paula Cole。1968年米国マサチューセッツ州ロックポート生まれ。ボストンのバークリー音大でジャズ声楽とインプロヴィゼーションを学び、卒業と共にプロ契約。すぐにPeter Gabrielのライヴ前座を担い、94年のアルバム・デビュー後もPeterのライヴをサポートし、”Don’t Give U

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(音楽話)86: Chet Baker “Almost Blue” (1987)

(音楽話)86: Chet Baker “Almost Blue” (1987)

【天才でクズ】

Chet Baker “Almost Blue” (1987)時折、というかしょっちゅう、我々は「天才」を目にします。どんな分野において才能が豊かで突き抜けているかはさておき、そうした「天才」を思う時、その見た目が考慮されない、ということは基本的にあり得ないことだと、私は思っています。

…わかりづらいですか?我々は結局のところ、見てくれを重視している、ということです。

もちろ

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(音楽話)85: Joanna Connor Band “Walkin’ Blues” (2014)

(音楽話)85: Joanna Connor Band “Walkin’ Blues” (2014)

【心の器】

Joanna Connor Band “Walkin’ Blues” (2014)注意: ブルースと聞いて退屈だと思われる方、この曲聴かない方がいいかも、6分近いブルースなのでm(_ _)m 但し聴くとニヤつくこと間違いなしですよぉ…

皆さんに大事なことをお伺いします。
皆さんの生活にブルースはありますか?人生は人それぞれだけど、嘆きたくなる時、ポジティヴなことを一切考えずに今はた

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(音楽話)84: Prince "While My Guitar Gently Weeps" (2004)

(音楽話)84: Prince "While My Guitar Gently Weeps" (2004)

【#prince4ever】【pt3: 感謝】

“While My Guitar Gently Weeps” (2004@Rock & Roll Hall of Fame)Prince。説明はしません。私にとって最大級のヒーロー、永遠の憧れ、音楽的最高到達点です。

彼が亡くなったのは2016年4月21日。今から5年前。なので今週は勝手ながらPrinceで押し通させていただきますm(_ _)m

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(音楽話)83: Prince "Sometimes it Snows in April" (2013)

(音楽話)83: Prince "Sometimes it Snows in April" (2013)

【#prince4ever】【pt2: 4月21日】

Prince “Sometimes it Snows in April” (2013)Prince。説明はしません。私にとって最大級のヒーロー、永遠の憧れ、音楽的最高到達点です。

彼が亡くなったのは2016年4月21日。今から5年前。なので今週は勝手ながらPrinceで押し通させていただきますm(_ _)m

彼は映像作品=映画に非常に拘っ

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(音楽話)82: Prince "Manic Monday" (2019)

(音楽話)82: Prince "Manic Monday" (2019)

【#prince4ever】【pt1: 屈折した愛】

Prince “Manic Monday” (2019)Prince。説明はしません。私にとって最大級のヒーロー、永遠の憧れ、音楽的最高到達点です。

彼が亡くなったのは2016年4月21日。今から5年前。なので今週は勝手ながらPrinceで押し通させていただきますm(_ _)m

“Manic Monday”はThe Banglesの198

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(音楽話)81: Gladys Knight & the Pips “Neither One of Us (Wants to Be the First to Say Goodbye)” (1973)

(音楽話)81: Gladys Knight & the Pips “Neither One of Us (Wants to Be the First to Say Goodbye)” (1973)

【それでもやっぱり】

Gladys Knight & the Pips “Neither One of Us (Wants to Be the First to Say Goodbye)” (1973)映像は1973年、米国NBCの人気音楽番組「Burt Sugarman’s The Midnight Special」。ディスコ・ブーム前夜、ブラック・コンテンポラリーやソウルといった音楽が多く流

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