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マッシュの思考

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2023年10月の記事一覧

社会が歯車のようだとして、どこなら入れてもらえるの。

漫画を読んで、つまらない曲を聴いていた。夜、眠れないから読んでいた。読んでいたら眠れなくなったのかもしれない。

分子とか星とか数多の中のひとつという構造ばかりだった。嘘みたいだった。嘘みたいというより綺麗事だ。分かりきったことを並べて教訓として遺しているだけだ。

大人になって今更こんな本を読んだところで虚しくなるだけだ。早く知りたかったと思うだけだ。気付くのが遅かったけれどもう気づいたことばか

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形の違う手が広がる、それぞれの心みたいに。

早起きして、楽しい気持ちのまま支度を済ませて部屋を出た。

駅までの道も影を伝って歩くほど軽かった。若干の寝不足も気にならなかった。

友人に会って、過ごす。待って、買って、去って、食べて、夕方を待った。

別の友人が話しかけてくれたけれど素っ気ない返事回してしまって申し訳ない気持ちになった。また会えるから問題ないだろう。

予報が変わり、雨が降るらしい。

降らなかった。良かった。今日はとにかく

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あとに残るのは、ブラウン管の比率で余る黒色ばかり。

あとで読み返そうと思っていたのに、それがどれか思い出せずにいる。覚えていようと思ったことだけ覚えていて、肝心の内容は綺麗に抜け落ちるんだ。

その程度といえばそれまでなんだろう。本当に響いたなら、本当に気持ちが動いたなら忘れるはずがないと、まだ幼い自分が言う。こんなことさえ褪せてしまうなんて大人になるのは寂しいことだと思った。

あまり眠れないまま飛び起きて、配達を待っていた。ゴミをまとめて捨てた

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仕方がないから聞いたことのない曲で永遠を知ろう。

まだ起きたくなくて急いで布団に入った。そしてまた眠った。目が覚めた記憶は確かにあって、水を飲んだかどうかは覚えていない。

昼前まで寝ていた。ほぼ半日潰した。昨日は疲れることを何もしていないのにこれだけ眠れた。もうこんなに眠れないのかと思っていたから少し安心した。

残っていたパンを食べて、着替えて、外へ出た。数日間見なかっただけで街はすっかり秋めいていた。

微かではなくはっきりと秋だった。日の

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明日擦り切れたって良いくらい神経を剥き出しにしていたい。

何かやり合っていて、文字を送り合っていて、酔ってもいないのに歌っていた。全く違う土地で違う生活の中で、同じ趣味嗜好を育ててきた人と出会うのは奇跡みたいだ。それを目の当たりにして驚きと喜びで興奮していた。

誰かの人気はたくさんの人々の奇跡が集まったもので、奇跡なんていう簡単な言葉にしてしまえないほど儚い。

なかなか眠れなくて、ラジオを聴きながら眠った。朝は早起きして支度をして部屋を出る。

同じ

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いつから水さえまともに飲めなくなったんだろう。

肌寒くなって布団を被ったら、ベッドの近くのゴミ箱が倒れた。夜と反対側を向いていたから、いつもはかからない部分に布団が当たって倒れた。ティッシュがいくつか散らばっていた。ゴミ箱を立ててそれらを戻す。まるで何もなかったかのように元通りになった。

でも凝視しなければ分からないほどの小さなゴミはきっとまだ床に残っている。部屋の隅に溜まった埃は生活の吹き溜まりだ。この間掃除したのに、といつも思う。自分がい

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本当にずっと欲しいものっていつまで欲しいんだろうな。

本当にずっと欲しかったものは、いつしか手に入れることが目的になってしまってそのもの自体に価値を感じられなくなる。言葉では分かっていても、その場に直面したらすっかり抜け落ちているんだろう。

それなら欲しいものはなんだろうと考える。自分は目に見えないものが欲しい。関係や価値を手に入れたい。それは自分の存在もそうだけど、他人との在り方が大きい。

自分は他人、みたいなことを言っていた人がいた。自己と他

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季節は剥がれていくものだとして、もっと奥へ向かっているのだろうか。

昨日、帰りの電車でたくさん詩を書いた。ぼんやりした意識で深層みたいな状態だった。

人と会っていたときのことや、その後に寄った本屋のことを思い出していた。まだ混み合ってはいないけれど、席は埋まって数人が立っている車内で、夜の暗闇を裂く力に加担していた。

雑誌を立ち読みして、たった2ページだけど買いたくなった。でもたった2ページに払える額じゃなかった。忘れないように脳に焼き付けて店を出た。

視点

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先のことは見えないから、とりあえず一回だけ、みたいな。

今日は昼前に起きた。ギターを弾いていた。昨夜は小説を読んで、音楽に浸っていた。集中していたからあまり覚えていない。

別のことを考えたくないからそれだけで頭を埋め尽くしているような気がした。

小説は主人公が撃たれた。主人公は最後まで生きているなんて常識はいつからか消えた。読書は俯瞰で彼らを見る行為なのだから注目する人が変わるのは当たり前だ。

小さい頃から見たり聞いたりする物語の多くは最後まで主

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思い出したのは、吐き出して吸い込まれていく夜の光景。

寝る前に目覚ましの音楽を選んでいた。いくつか選んでランダムで鳴らしてくれるらしいからいくつか選んでいた。

目覚ましの音楽は嫌いになると言うけれど自分はそうではない。何で起きるかは結構大切で、極端に言えばその日の気分を担っている。

激しければ良いわけじゃないし、ゆったりしていてもまた寝てしまう。ちょうど良く気分と意識を起こしてくれる曲を選ぶために、夜はいろいろな音楽を聞いていた。

季節や予定の

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分岐点でどちらを選んだって始めからここは。

小説と音楽に溺れていたら、時を飛んで朝になった。でもまだ日は登っていなくてカーテンの隙間から差し込む光はない。少し前までは同じ時間でも眩しくて、焦るように逃げるように寝ていたのを思い出した。

正しいとか間違っているとか結果論ではなくて、どうしたいかとか、こうしたらどうなるかとか、そんな好奇心や衝動を最優先に動いたら人間の選択は悪になるだろうか。

ここでこうしたら凶悪犯になってしまうとか、そんな

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小さな波紋が泡のように照らされて。

昨夜小説を読み終わり、次はどれを読もうか考えていた。なんとなく手に取ったものを読み始めたので、それにすることにした。

開始早々人が死んでいた。事件が起きて、それを捜査する人が主人公だった。最近は事件を起こす側の話ばかりだったし、事件に焦点が当たっていないものばかり読んでいたから新鮮だった。

新しく手に取ったのは数年前によく読んでいた作家の本だった。一気に数冊読んだ後、合間合間で読んだはいたけれ

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もっと大人になったとき、自分で拍手してあげられるように。

そういえば昨日、ご飯ができるまでの間、本を読んでいた。歌詞がない曲が聴きたくてジャズを流していた。でもジャズなんて知らないから、好きなバンドマンが勧めていたアルバムをかけていただけだ。

そのアルバムは、3枚で割引になる売り文句につられてレコードを買っていた。でもまだ開けないで放置していたからこの際レコードをかけようと開封することにした。

透明のビニールの端を切って、盤を取り出すとプラスチックの

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