もっと大人になったとき、自分で拍手してあげられるように。

そういえば昨日、ご飯ができるまでの間、本を読んでいた。歌詞がない曲が聴きたくてジャズを流していた。でもジャズなんて知らないから、好きなバンドマンが勧めていたアルバムをかけていただけだ。

そのアルバムは、3枚で割引になる売り文句につられてレコードを買っていた。でもまだ開けないで放置していたからこの際レコードをかけようと開封することにした。

透明のビニールの端を切って、盤を取り出すとプラスチックの皿みたいで凄く綺麗だった。半透明みたいだけど、向こう側の輪郭は掴めなくて光だけが通り抜けられる色合いだった。

ジャケットも格好良いから聞いている間は立てかけて飾った。回転数を合わせて、針を落とすと部屋に音が響いた。

椅子に戻って読書を再開する。円盤の突起が針に引っ掛かり音が出る様を想像してしまって読書どころではなくなった。回る盤を眺めていた。贅沢な時間だった。その後出来たご飯もおいしかった。贅沢な夜だった。

それから早く寝るぞと意気込んで、日が変わるころには眠れる状態だったのに、眠ったのは夜中だった。

今朝は早めに起きられた。食事をして、飽きずに同じドラマを見て、最近考えていたことを書き起こしてみたり、ギターを爪弾いてみたりしていた。

外は眩しいのに、窓を開けると風が涼しくて変な感じだ。

昼過ぎに外に出た。まだ大丈夫だと思っていたのに、学生はもう帰宅していた。あの若さからくる無敵感なのか、群れている圧迫感なのか、学生は苦手だ。学生の頃から学生は苦手だったんだ。

肩身を狭くして裏路地に入る。もう少し動いていたかったけれど、早めに帰宅した。予定通り行かないなら別のことで埋めたい。

上り坂を歩きながら、音楽を聴いていた。書きたいことを考えていた。やりたいことは置いておいたって枯れてしまうだけだ。熟成するのを待っている暇はないんだ。だからやりたい気持ちが熱いうちにできるだけやってみる。

いつでもいいとか何歳でもいいとか、そんなのはもっと大人になってからでいいんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?