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パーソナルトレーナーの資格って難しい?(NSCA-CPT)

トレーニングを愛する皆さん、ご機嫌いかがでしょうか。
今日はパーソナルトレーナーの資格「NSCA-CPT」の難易度や勉強方法、取得後のメリット&デメリットなどについて書いていきます。

トレーナーを目指されている方や、この資格を検討されている方の参考になれば幸いです。

クレーム防止のため(笑)、まず最初に私のプロフィールを書いておこうと思います。
私は現在NSCA-CPTの資格を持っていません(←え?)
2015年頃に取得し、2017年頃に失効しました。
これについては「知っておくべき、合格後の大変さ」の項で後述しますが、あくまで【持っていたけど失効した人の話】として聞いて頂ければと思います。



NSCA-CPTとは

この資格はNSCA(全米ストレングス&トレーニング協会)が発行するトレーナー資格の1つで、主に筋力トレーニングやS&Cコーチを目指す方が取得するものです。ざっくり言えば「トレーナーの資格」ですね。
※S&Cとは、高いパフォーマンスを発揮するための筋力や柔軟性、体全体のコンディショニングなどを指します。

トレーナー関連の仕事は非常に多岐に渡るため上記2つの職業以外にも多くの方が持たれており、役立つ場面も様々です。


NSCAの資格には「NSCA-CPT」と「NSCA-CSCS」の2つがあり、後者が上位の位置付けです。故に受験資格に差が設けられているため、以下に記載します。

NSCA-CPT受験資格
① 出願時および受験時に、NSCAジャパン会員(正会員、学生会員、英文会員)であること
② 出願時に、満18歳以上であること
③ 出願時に、高等学校卒業以上の者または高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定)合格者。
④ CPR/AEDの資格を持っていること(ただしこれは受験後の取得でもOK)
細かい規定についてはこちらを→https://www.nsca-japan.or.jp/exam/outline/cpt-guidelines.html

NSCA-CSCS受験資格
① 出願時および受験時に、NSCAジャパン会員(正会員、学生会員、英文会員)であること
② 学位(学士、修士、博士)取得者、学校教育法が定める4年制大学もしくは6年制大学の卒業見込み者、または高度専門士の称号を保持する者
③ CPR/AEDの資格を持っていること(ただしこれはCSCS受験後の取得でもOK)
細かい規定についてはこちらを→https://www.nsca-japan.or.jp/exam/outline/cscs-guidelines.html


一番重要なこととしてはCPTは高卒以上で受験可能で、CSCSは大卒以上が必要なことですね。

受験料はCPTが46,000円で、CSCSが50,200円。
NSCA正会員の年会費が13,200円です。
不合格の場合は90日経過後から再受験可能ですが、受験料はその都度掛かります。

CPR/AEDの資格とはいわゆる救急救命講習で、お住まいの消防署から申し込めます。地区の消防署のHPに講習日時が公開されており、3時間程度で取得可能です。

NSCAの資格はどちらも「勉強すれば受かる試験」ですので、もしあなたが大卒以上の学歴をお持ちならCSCSを目指す方が確実にメリットが大きいだろうと思います。
またはっきり言いますが、この資格を取るためだけに4年も専門学校に通ったりする必要は全くないので【資格を取る目的】だけであれば自主学習で十分です(トレーナーの知識経験等の学びは学校に優位性あり)


NSCA資格を持つメリットとデメリット

まずはこの資格のメリットとデメリットを理解しておきましょう。

メリット
・就職が圧倒的に有利
・お客様の安全を守るための指導や問診の仕方が分かる
・いくつかのトレーナー業に関わる法律が分かる

デメリット
・資格の維持に労力、お金、時間が掛かる
・業態や職業によっては仕事に寄与しない場合もある


メリットから簡単に書きますが、まずこの資格を持っていると「就職が圧倒的に有利」です。
あくまでトレーナー業界やフィットネス業界での話ですが、NSCAの資格は業界で知名度No.1ですので、面接時にこれを持っていると合格までポンポンと話が進んでいきます。

実際面接時にこの資格を持っている人はかなり少ないため、持っていると光るわけですね。
さらに、後述しますがNSCAの資格にはCPTとCSCSの2種類があります。

CSCSは上位資格で業界での権威も高いため、これを持っていれば大抵のフィットネス業界の面接は受かると思います(もちろん年齢等もあるとは思いますが)

そしてもう1つメリットとして、勉強過程でお客様の安全を守る行動ができるようになります。
トレーナー業務はトレーニング前の問診やカウンセリングから始まっているのですが、ここを知らずしていきなりトレーニングに入ると思わぬ事故や怪我が起こってしまう場合があります。
また責任関係も泥沼化する場合があるでしょう。 NSCAの資格ではこの辺りを勉強過程で学べるので、これは1つ良い点だと思いますね。


次はデメリットについて。
「知っておくべき、合格後の大変さ」の項目で詳しく書きますが、NSCAの資格は合格後の維持に大きな労力が掛かります。金銭的負担もあります。
トレーナー業の方は忙しい毎日の中でこれらを並行して行う必要があるため、この点はデメリットに挙げさせて頂きます。

またこの資格は就職時に有利かとは思いますが、資格を持っていることによって給料が上がることは少ないでしょうし、就職してみたら業務では一切役立たない場合も多いはずです。
デメリットではないかも知れませんが、この辺りもお見知り置きください。



CPTとCSCSの違い

CPTは
・基礎的なトレーニングの知識
・医学的・運動生理学的な専門知識
・プログラムデザイン
・お客様の安全を守るための知識やトレーナーに関しての法律
などが出題範囲で、アスリートに加え幅広い年代、性別の方を指導するのが特徴です。

CSCSはそれに加えて
・解剖学的な知識
・怪我予防に関する知識
・ジムなどの施設運営や経営に関する知識
などの分野があり、アスリートへの指導を目指す方向けでもあります。

個人的には解剖学的な面の有無が一番大きな違いに感じますね。
またCPTは一般の方を指導するための問題が多い印象で、CSCSはアスリートを指導するための内容に寄せられています。


試験の内容と難易度

試験の難易度については非常に主観的な評価しかできないため、その前提で見てください。

個人的にはCPTもCSCSも、勉強すれば問題なく受かるものだと思います。
(CSCSを持っていない自分が言えたものではないですが)

勉強した上で、CPTは運転免許の試験より少し難しいというぐらいの感覚でしょうか。 CPTの合格率は2019年度で78.9%程度、CSCSは47.7%のようです。
これはこの資格を目指してきた方達のみの合格率ですので、CSCSはある程度の難易度があることが理解できます。

CPTは、正直トレーニング上級者なら今日そのまま受けに行っても受かる方がいらっしゃると思いますね。

その理由は、試験が4択問題で構成されておりトレーニーの感覚で正解できるものも多いからです。   例えばですが・・・

「お客様が40kgのベンチプレスを10回完遂することができた。次回のトレーニングで設定すべき重量はどれか」
①30kg
②35kg
③42.5kg
④60kg

という感じの問題。
トレーニングを少しされている方であれば感覚的に③番だと認識できますよね。
そのため消去法で進めていくとある程度正解することができます。

一方で、正解がNSCAの基準で作られているものもあります。
それらはトレーニーの感覚とはずれる場合もあるため、基準を学ぶ必要があるでしょう。

テストのセミナー動画がこちらのページにあるので「受験対策講座CSCS or CPT」の欄から動画の問題にチャレンジしてみてください→https://www.nsca-japan.or.jp/07_selling/movie.html


しかしCSCSについては少し難しく、いくら上級トレーニーでもそのまま受かることは難しいと思います。

例えば基礎的な問題として
「頭蓋骨は体肢骨格である。◯か×か?」といった問題があります。
※正解は×(頭蓋骨は体幹骨格)

これはなかなか感覚では難しいのではないでしょうか。1問目からこの調子だったりするので、無勉強では厳しいはず。
しかし、テキストや問題集を買えば問題ありませんのでそこはご安心をm(_ _)m

先程のこのリンク(https://www.nsca-japan.or.jp/07_selling/movie.html)に問題がたくさん出ていますが、個人的感覚ではこれらの問題は本番の試験よりも難しいと思います。実際にはもう少し簡単な場合が多いので、これがあまり解けなくても悲観する必要はないでしょう。


勉強方法

基本的にはNSCAから発売されているテキストに沿って勉強していくことになりますが、経験的に分かったことも多いので書いていきます。
言葉を選ばず書きますのでご了承くださいm(_ _)m


まず、トレーナー業と言えばこちらの書籍です。

NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識 第2版
一般価格13,200円 (税込み・送料別)   会員価格11,880円(税込み・送料別)

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業界では非常に有名な書籍で、トレーナー業に必要な根本原理がくまなく記載されています。全748ページに渡る長編書籍でバイブルと言えるものですが、正直NSCAのテストに役立つ部分は僅かです。

自分は「この本から問題が出るんだ!」と思って全てを読みましたが(マジで疲れた)ここから出た問題は5問以下だったと思います。
あくまで2014年ごろの話なので今は違う可能性もありますが、テスト勉強というよりはトレーナー業に役立てるつもりで購入するのが良いと思います。

はっきり言いますが、テスト勉強のためだけを考えれば買わなくても大きな問題ないと思います。トレーナー業として汎用性の高い知識やお客様の問診方法、法律面などを心得るための本として位置付けても良いかも知れません。


次に、自分が最もテストに役立ったと感じている教材です。

NSCA-CPT受験用問題集セット

一般価格11,000円 (税込み・送料別)  会員価格9,900円(税込み・送料別)

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DVD1枚と問題集2冊がセットとなっており、実際の試験に非常に近い問題が掲載されています。本番とほぼ同じ内容、難易度と言っても過言ではないと思います。

NSCAの合格基準は毎回少し変わりますが、概ね7割程度の正解率が必要です。
即ちこの冊子を7割以上程度正解できるようになれば、実際のテストでも合格を狙えるでしょう。

筋トレ上級者なら最初から結構解けると思います。
このテキストをほとんど全て正解できるようになってから受験すれば、ほぼ間違いないと思いますね。

またDVDも付属しています。
NSCAのテストは最初の35問がビデオ問題となっているのですが、このDVDにはその映像に非常に近い映像が収録されています。

1つ注意点ですが、このビデオ問題は少し難しいです。
これが7割程度解けるようになれば合格は近いでしょう。

前述の通りビデオ問題は本番の最初の35問として設置されています。
ここは結構難しいですがその後の文章問題の難易度は低いため、最初のビデオ問題が解けなくても気を落とさないようにしてください。

この「NSCA-CPT受験用問題集セット」は合格のために必要だと思います。
もし買った後で「こんなの簡単じゃん」と思ったとしても、合格率を上げるために損はないと思います。 販売サイト→https://my.nsca-japan.or.jp/salesList/

実はこの他の教材については自分は買っておらず、説明ができずに申し訳ないです。ぶっちゃけこれ以上必要だったとは思わないので、まあ良いかなと思います(笑)



意外と楽な、受験の仕方

受験方法は結構簡単で、全国どこでも受けられてすぐに合否が判明します。

受験までの手順
①NSCAに入会し会員専用サイト(マイページ)より出願
②テストセンターより願書受理のメールが届くので、受験手続きと試験予約を行う。
③予約した試験センターで受験(155問 内、採点対象140問、3択、映像問題約30問あり)
④試験後、すぐに合否結果が判明
⑤合格者は後日、NSCAジャパンより資格認定証が発送

私が受験した当時の試験会場には60名程度がおり、明らかにガチトレーニーの方もいらっしゃいましたが、主婦の方も多くいらっしゃった印象ですね。

合格すると以下のような合格証明書が届き、資格保持者となります。

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落ちてしまった場合は90日後以降に再受験可能です。

この辺りの手順については公式HPもご参照ください
https://www.nsca-japan.or.jp/exam/registration/



知っておくべき、合格後の大変さ

NSCAの資格で最も理解しておかなければいけないのが、資格維持に結構な労力が掛かる点です。
いわゆる「取ったら終わり」ではない訳ですね。

決められた期間(資格の取得時期によりますが大体1~4年)の間に、様々な活動をして所定の単位数を取らなければ資格が失効します。
この記事の冒頭で、私は失効したと書いていたのはこのためです(あくまで戦略的失効・・・笑)

一般的には3~4年の間に「4.0」分の単位を取る必要があり、下記の活動をすることによって併記されている程度の単位が付与されます。

①定期的に行われるセミナー等への参加(0.5~1.5)
②自主学習の報告(0.5   1年に1回まで)
③NSCA有料動画の閲覧(0.1~2.0 料金は様々)
④NSCAの有料クイズに合格する(10問中7問以上の正解で0.2 税込1,100円)
⑤セミナー講師を引き受ける(1.0~2.0)
⑥論文や報告書、書籍等の発表(0~3.0)

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画像は海外のセミナーですが大体こんな感じの雰囲気です。

現実的なものは①〜④まででしょう。
注意点として、各番号にはカテゴリが割り当てられており、同じカテゴリだけでゴリ押しして取ることができない点があります。
「全部をクイズで満たす」等はできない訳ですね。


①のセミナー参加が最も一般的な単位取得方法ですが「土日開催が多く、交通費や参加費は自費」です。
まあ当然ではありますが、土日により稼働する場合が多いトレーナー業の方にとっては繁忙日を休んで参加しなければいけない場合も多いと思います。
(平日開催もあるので、期限を見て余裕を持ったセミナー選びを)

また基本セミナーは各地で開かれてはいますが、場合によっては「単位取得期限が迫っているから○月のセミナーに参加するしかない。うわ〜めっちゃ遠い上に土日のやつしかないじゃん!」みたいなことが起こったりします。
だからこそ、期限を見て余裕を持ったセミナー選びを(笑)

期限に余裕がないと、行かざるを得ません。

②の自主学習の報告については、あまり声高に言えませんが公式HPから「学習しましたボタン」を押すだけなので以下ry・・・

③④の有料動画の閲覧と有料クイズについても自宅でできるため現実的な選択肢ですが、クイズについては結構難しいので注意が必要です。横にNSCAのテキストや機関紙を置いて回答するのが一般的なようです(それはルール上OK)

ということで、一般的には3年間でセミナー参加2~4回、自主学習報告2~3回、残りを有料動画やクイズでちょこちょこというのが現実的でしょう。
自主学習報告で1.0~1.5は満たせるので、あとは頑張ってください(笑)
この辺を事前に理解しておくのは大事ですね。


まとめ

箇条書きで個人的意見やポイントを書かせて頂きます。
・試験はどこでも受験可能で即日合否が分かる
・試験自体は勉強すれば十分合格可能である
・フィットネス・トレーナー業界で働く方なら持っていて損はない(特に就職時)
・就職後に役立つかどうかは業態次第
・資格維持に労力が掛かる

以上が私が感じた点や知っておくべきポイントであります。
これからNSCAの試験を受けられる方の参考になれば幸いです。
最後までご覧頂きありがとうございました。



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ではまた次回!♪( ´θ`)ノ



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