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【筋トレ歴1年以上の方へ】 中上級者向け筋トレプログラム

トレーニングを愛する皆さん、ご機嫌いかがでしょうか。
筋肉あるあると申します。

私はYoutubeで筋トレの解説動画を出しています。もしあなたの心の琴線に触れたら、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m Youtube→https://is.gd/cyhVr1

今回のnoteでは前半にトレーニングボリュームの誤解に関することを記載し、後半で「中上級者向け筋トレプログラム」をお届けします!

序文

さて、最近では筋トレに関する様々な情報が飛び交い、誰でもそれを手に入れられるようになってきました。
その中で10年ほど前から業界で言われていることが「筋トレはボリュームが全て」ということ。

ボリュームとは一般的に「おもりの重量×回数×セット数」で表されます。
例えば10kgのダンベルを10回挙げるトレーニングを3セット行ったら、ボリュームは300kgです。

「筋トレはボリュームが全て」
これは一部では正しいと思われ、私自身も動画で紹介したことがあります(https://youtu.be/u-oBPtYqeog)

ボリュームサムネイル

この動画を出してから、あるいは業界でこの説が囁かれるようになってから、各種のSNSでもボリューム論についてかなり多くのご質問を頂きます。
・筋肥大させるにはとにかくボリュームを増やせば良いのですか?
・高重量はやらずに低重量でボリュームだけ稼ぐのが得策ですか?
・毎日20000kgのボリュームをこなしていますが大きくなりません
etc

これらの中で感じたのは、この説が誤解されて広まっているという事実です。

今回のnoteはその誤解を正すため、そしてこの説を正しく理解してトレーニングにお役立て頂くために書きますので、その一助となれば幸甚であります。


トレーニングボリュームの落とし穴

一見、トレーニングボリュームが筋肥大を左右するという意見は正しいように見えます。

私がよく動画で引用させて頂いているブラッド・ショーンフェルト博士の2019年の研究でも「筋肥大には用量反応性があり、トレーニング量が多ければ多いほど大きな効果が得られる」と結論づけられています。

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研究リンク→https://is.gd/Kiq6aa


さらに同様の研究結果は多数ありますので、この言葉をそのまま解釈すれば「筋トレにはトレーニングボリュームだけが重要である」と思ってしまうのも無理はありません。

しかしショーンフェルト博士は別の研究でこうも述べています。
「筋肥大を左右する要素はボリューム・強度・種類・インターバル・追い込み・挙上速度である」

即ち、トレーニングボリュームは筋トレの効果を左右する一要素に過ぎないのです。筋トレの全てではありません。

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研究リンク→https://is.gd/9rGFCB


ではなぜ先述のような研究結果が多数見られ、世間にも間違って解釈されたのでしょうか?  それには3つの理由があると思います。

①研究結果は本質ではなく現象であること
例えば無作為にとある集団をピックアップして筋肉量とトレーニング量の関係を調査すると、概ねでは「トレーニング量が多いほど筋肉量が多い」という傾向が見えるはずです。 これは被験者がトレーニング経験者であっても同じでしょう。

試しに指標を重量にしてみても同じ結果が得られます。
とある集団の使用重量と筋肉量の関係を調べれば「筋肉量が多いほど各種目の使用重量が重い」という結果になるはず。
一般的に、筋肉量に合わせて段々と使用重量は上がっていくものですからね。

これを「使用重量が重ければ重いほど筋肉量は多くなる(筋肥大する)」と解釈したらどうでしょうか。 
そしてそれを見た初心者の方が無理な重量に挑んだら・・・

それは適切ではないはずです。

即ち、最近の研究で唱えられているこの論は単なる現象であって本質ではないかも知れません。


②研究結論の書き方によるもの
研究の世界では「研究で分かったことだけを忠実に書く」のが基本的なルールです。推測の部分は推測であると明示しなければなりません。

上記の研究では被験者を「週3セット」「週5セット」「週15セット」などの群に分けて筋肥大を調べ、トレーニング量が多いほど筋肥大も大きくなるという結果が得られました。

研究者らに非がある訳では一切なく①の特性等も当然理解した上で実験しているはずですが、この場合の結論の書き方としては【今回の実験ではトレーニングボリュームを増やすほど筋肥大した】となります。
そう書くしかないのです。

残念ながら世間に広まるのはこの結論部分だけですので、結果的に人々の中で「トレーニングボリュームが全て論」が形成されます。


③ボリュームは「技術」や「追い込み」を表現できないこと
これが非常に大きな要因だと思います。

例えば、初心者の方が行った10kg10回のダンベルカールと上級者の方のそれでは、筋肉への効き方や動作の仕方など全ての面で違いがあります。

また限界付近で行ったレップと、セットの最初のレップでも効果は違うはず。
追い込んでいった最後の5回以内のレップは最初の5回よりも効果が高いと思われ、これはRIR(余力回数)という概念で表されます。

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しかし所謂「ボリューム」はこれらを表すことができません。

初心者でも上級者でも、上手くても下手でもみんな同じ「10kg×10回×3セットで300kg」なのです。

「ボリュームだけでトレーニングを見る」ことが適切でないことがお分かり頂けるでしょうか。



トレーニングボリュームの正しい使い方

トレーニングボリュームは決して無意味な指標ではありません。
しかしこれを使用するにあたって3つの注意点を提唱したいです。


①「技術の加速度的な向上が止まってから」使用する
トレーニングを始めた最初の頃は、技術や重量がもの凄い速度で向上していきます。 前回のトレーニングで行ったベンチプレスと今回のベンチプレスではどちらも桁違いに伸びていることもあるでしょう。
そのような段階でボリュームだけを指標にトレーニングしてしまうとブレが生じます。 
前回と今回のベンチプレスが、技術的なレベルでも全く違うわけですからね。

ある程度中級者以上になると技術や重量の加速度的な向上は無くなりますので、そこからボリュームを指標にした方が適切な管理ができるでしょう。


②ボリューム管理をする間、できるだけ同じ種目を行う
一般的にボリュームを厳重に管理して行う期間は1ヶ月〜半年程度です。
その間、行う種目がバラバラだと指標がブレてしまいます。

トレーニングの種目には、同じ重量でも扱うのが簡単な種目とそうでない種目が存在します。

例えばベンチプレスで100kgを扱える人はいますが、ケーブルフライで100kgを扱える人はいないでしょう。
デッドリフト200kgができてもラットプルダウン200kgはできません。

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これは動員される筋肉量の違いと、てこの仕組みに理由があります。
本筋から外れるのでこれについては詳しく述べませんが、単純に力学的な違いなのです。

とある時、デッドリフト100kg10回とラットプルダウン60kg10回を行ったとします。次週、ラットプルダウンだけを同じ重量と回数のままロウイングマシンに変えたとしましょう。

この時「ラットプルダウン60kg10回」と「ロウイングマシン60kg10回」
が筋肉にもたらす刺激は同じでしょうか?

いいえ。効き方も重量の感じ方も筋肉の働き方も、全てが違います。
でも、ボリュームは同じ「600kg」です。
これも単純なボリュームでは表すことができない点ですね。

これも指標がブレていますので、ボリュームでトレーニングを管理する間は出来るだけ同じ種目を続けるのが良いでしょう。
1ヶ月〜半年程度で種目や管理を変更するのは、体への刺激を変えたり飽き防止の役割もあるわけですね。


③自分のレベルに合ったトレーニング量を使用する
トレーニング量はどんな人でも同じ設定にして良いものではありません。
トレーニングを始めたばかりの方が上級者と同じ量をこなそうとすれば明らかにオーバーワークですし、トレーニングを嫌いになってしまいます。

2005年のメタアナリシス研究でも「トレーニング量の増加はトレーニング経験の増加と比例したものでなければならない」と結論づけられています。

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各レベルごとの指標としては、1部位あたり
・トレーニング未経験者の場合はMAX重量の60%程度の重量で
1回あたり3~4セット 週3回まで(同一部位週3回以上は効果が下がる可能性も)

・トレーニング経験者の場合はMAX重量の80%程度の重量で
1回あたり4~5セット 週2回まで

・アスリートレベルの方の場合はMAX重量の85%程度の重量で
1回あたり8セット 週2~3回まで

が概ねの目安でしょう。
個人的に、トレーニング経験者の指標としてはBIG3の合計が200kg以上と考えます。
アスリートレベルはBIG3合計400kg以上とお考えください。

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ボリュームを利用したトレーニングプログラム

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