【連載詩集】No.23 つまらん大人。

 つまらん大人。

 つまらん大人。

 つまらん大人。

 つまらん大人。

 つまらん大人には、

 なりたくねえなあ。


 そんなことを思いながら、

 自分だっていつの間にか、

 つまらん大人になっていく。


 酒飲んで、あれこれ話して、

 あの時はこうだったなあ、

 この時はどうだったっけ、

 あれは良かったなあ、

 これはきつかったなあ、

 そんなことを言いながら、

 つまらん大人をディスって、

 あんな生き方はだせえなあ、

 あんな野郎にはなりたくねえ、

 あんな人生はごめんだぜ、

 なんて言いながら、

 結局、つまらん大人の、

 背中を追いかける。


 死に物狂いで働いて、

 まとまった金を稼いで、

 自由な時間を手に入れて、

 身に付けるものに金かけて、

 それっぽい車を買って、

 良い店に入って、

 良い酒を飲んで、

 良い飯を食って、

 かわいい女の子探して、

 おいおい、それって、

 お前がディスってた、

 あのつまらん大人と、

 おなじことやってるよって。


 つまらん大人。

 つまらん大人。

 つまらん大人。

 つまらん大人。

 つまらん大人には、

 なりたくねえなあ。


 そんなことを思いながら、

 今日も東京の街に降り立って、

 つまらん大人の行列に並ぶ。


 つまらん大人、

 そんな俺たちも、

 つまらん大人。


 手持ちのカードは、

 日に日に減っていく。


 さあ、どうする。


 ——どうやって、

 俺たちはこれから、

 かっこよく生きる?




▲詩集のバックナンバーは、上記のリンクからご覧いただけます。▲

サポートいただけたら、小躍りして喜びます。元気に頑張って書いていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。いつでも待っています。