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村嵜千草
2022年10月28日 09:45
時々に襲い来るそれは念慮などと奥ゆかしい表現に足らずいくつもの足を物凄い勢いで這わせてこちらへ駆けてくるのだ怪物のようだと思うまたしかしそれを生み出している自分もとんと可笑しな怪物だと思うどうせ生きてゆくのに怪物はしつこく飽き足らず迫り来る…………………………気づく気づかぬに関わらず、どの心にも棲んでいるのだと思います、怪物は。
2022年4月9日 19:43
おねえちゃん、おねえちゃん、だいすきだよおねえちゃん、おねえちゃん、大すきだよお姉ちゃん、わたし貴方の妹で幸せよどんな貴方もわたしの姉だって気づいてほしいのよ頼らせてね 生まれたその時から側にあった貴方頼ってね わたしの一から百までを見てきた貴方大好きよ それしか出てこないの
2022年4月6日 11:07
がんばりやさんだねたよりにしてるよふふ うれしいんだキンキュウジタイにおねえちゃんがいてくれると助かるよいもうとちゃんのことよろしくねうん もちろん、まかせてよだっておねえちゃんだから雨がざーざーふったってお母さんがシュッチョウのときだって地面がぐらぐらゆれたってもちろん、まかせてよいもうとをぎゅってしてあげるごはん、つくってあげるお片付け、みんなの分もがんばる
2022年2月21日 22:55
もう何度目でしょういつもいつも音は無くあるものを無かったみたいに喜ばれたとて 疎まれたとてなんにも気にも留めない風であなたを羨む私を仲間に入れてはくれませんか塵として埃として冷たくなって重たくなって舞って流れてどこかへ飛んで私の元へも集まって私の形にかたまって境目のないように誰にも分からぬようにあなたを羨む私を共に溶かしてはくれませんか儚くなくても美しく
2022年2月4日 12:25
明日にも一昨日にも今日のわたしはいないし1秒前にも1秒後にも今のわたしは生きてない今、今だけここに立つ今の足跡が 筆先が 追想がいつか来るイマのわたしに寄り添うだろうたまに助けもするだろう忘れたり 思い出したりしながら今を塗り重ねていくあの頃のイマにいたわたしへ居てくれてありがとういつかのイマにいるわたしへ今のわたしのこと 忘れててもいいや ちゃんと居るから
2022年1月27日 19:22
どうしても 何にも見えないのだたとえが 浮かばないのだ人の姿にも 動物にも 似ずただ そこにある物も言わず 靄を振り払うこともなくただ ぽっかりと そこにいる間抜け でこぼこ 照れ屋さん聡明 凛然 頑張り屋さん何かに見えて 何にも見えないそれだけのことが こんなにも人間を狂わせるこんなにも私に押し寄せる
2022年1月24日 19:52
2022年1月24日 19:06
「父が他界しました。」いつもと変わらない音と光に揺られて業務連絡のように届いた。お遣いを済ませました、のような今晩はカレーにします、のような。「追って詳しい日程を連絡します。」流れ作業のように雲が流れるように大切なはずの人が死んだ。葬式にも通夜にも行かなかった。行けなかった。大切なはずの人はとうに燃えて灰になった。見送れもしなかった。子どもみたいに屈託のない笑顔
2021年10月18日 11:21
心がきゅうと泣くような大手を広げて清々しいような目の眩むような果てなく心細いようなひょろりと一本 化粧の虚しいような山道をスキップしたいような土の匂いにとろけるようなつめたく突き放されるようなこびとのおどるようなしとどに袖の濡れるような体の表面に秋の真ん中の地球を感じて高い空を眺めながら
2021年10月14日 12:34
さよなら世界 ありがとわたし短いなんて知らないよ 十分すぎる長さだよありがと世界 さよならわたし溶けて溶けて溶けゆくの 土になる 水になる 大地へ還るありがと世界 おはようわたしなんて なんて 広すぎて なんて なんて 狭いのかしらおはよう世界 ありがとわたし眩しいだとか 気持ちいいだとか いったん忘れていいんだよ「揺れるカーテン 温かいスープの匂いふわふわのタオル
2021年9月22日 17:58
夕どきに母が耳鼻科へ行きました。耳の詰まりが気になるからと、出かけてゆきました。私は台所で母を見送りました。コンソメスープと、夏野菜のサラダを作りました。まだ母の帰りはありません。ひとりそそくさと食べることにいたしました。「おいしい〜!」我ながら腹も心も満たされる食事ができたと、私を褒めました。私の食事が終わるころ、母が帰ってきました。ぐったりとひどく疲れた様子でした。
2021年9月17日 22:24
神妙な面持ちと 固く握られた拳それから俯いて はい、はい、と頷くぼさぼさ頭僕はそれをじっと見てる さっきからずっと見てる僕には関係ないかもしれない父さんにもじいちゃんにも関係ないかもしれないでも
2021年9月17日 22:21
と、素直に言えない私をどうか見て見ぬふりをしてどうか放っておいていてどうか、話を聞いて 頷いて
2021年9月16日 09:38
歩いても 歩いても 歩いても辿り着けないところにあなたがいる考えても 考えても 考えてもあなたの大きなその荷物に手が届かない寄り添いたいと、思う気持ちが邪魔をするそばに居たいと、思うほどに離れゆくいつか やわかいそのこころを、少し覗かせてくれますか駄目ね わたしは 待ち切れずに また…気を悪くさせたらごめんなさいけれどあなたがすきなんだもの知りたいと 共感したいと詰