ロンドン行ってギャラリーなど見る回@Day03最終回
渡英したのでその記録である
Day3の2回目、トータルとしては第6回となる
前回の記事は以下
3日目の続き
前回はサーペンタインに行ってバゼリッツの彫刻みたところで終わり、今回はその続きでまたメイフェア(近辺)行ってギャラリーみる感じである
だいたい行ったとこは以下
メイフェア
Almine Rech
Gagosian
メイソンズヤード(近辺)
Saatchi Yates
Vigo
Whitecube Mason's Yard
現在地はサーペンタインでハイドパークのど真ん中なので、そっからの移動になる
海外あるあるの排泄問題
で、北に出てランカスターゲート駅から地下鉄乗ったんだけど、ここで問題発生
そう、急いで便所に行かないといかんくなったのだ
・駅に便所はない
正直「うんこなんかその辺ですればいい」派なので、あんまり心配したことないが、人によってはかなりの重大事な気がする
今回、自分がけっこう追い込まれたのは(日本と同じように)「まあ、駅の便所いけばいいか」みたいに考えてたからだ
が、探してみて気づいたが、(少なくとも地下鉄の)駅に便所なんていい物はない
そういや見た記憶ねえな・・・と思っても後の祭りだ
というわけでグーグルで公衆便所を探すわけだが
・公衆便所
デパートのセルフリッジの前にあるのがわかったので行ってみた
そしたらこういうポッドが立ってた
0.5£くらい払うとドアが開く有料型だ
いや最悪これでもいいんだが、金払わないと中がわからんのはちょっとアレだ
・やっぱデパートだわ
というわけで素直に向かいのデパートで用を足した
すげえきれいな便所で文句なし
やっぱデパートかホテルですわ
Almine Rech
東京現代にも来てたアルミーヌ・レックに来た
「パブロ・ピカソの遺産を保持するFABAの共同設立者」っていうパワーワード
タレル、マクラッケン、コスースということなので、確かにミニマル~コンセプチュアルに力を入れてるギャラリーって感じだ
正直あんまそういう感じしないのは、新進アーティストとの関りもつよいからだろう
どうでもいいが、相変わらず日本語表記が安定しないギャラリーだ・・・
ちなこのギャラリーは各国にあるが、今回いったのはロンドンのグローブナーヒルにあるやつ
1F(GF)と地下でそれぞれ個展やっててそれを見た
Amanda Wall 'Femcel'
ステートメントは以下
この人がどういう作家かというと
「展示主義」ってなってるが、露出症とかのことだと思う
'Femcel'のかんそうなど
これ色んな見方できるんだろうけど、自分的には昨今ひじょうに話題になってる「性的消費」をされてる女性像、に見えた
リボンとか掛けられてんのはストレートに「商品」感あるでしょ
ただ、キュレーター(なんかな)の解説とか読むと、どうもそれだとちょっと短絡的っぽい
要するに、見世物にある程度望んでなってるのに、結果的にそれでけっこうひどい目に遭う、みたいな無力さを描いてるようだ
確かにそう見ないと、単に受動的な、自我がないやつ、になってしまうのでかなり失礼ではある
大胆な構図と省略がされてる画面なんだけど、やっぱり主題が「若い女性」なため、これは人気出るだろ!って絵だった
またこの絵も、解説にあるような共犯関係にあるおじさんたちが買うんだろうから、すべてが自己言及的ですげえなと思いました
Inès Longevial 'Pourfendue'
地下ではイネス・ロンジヴィアル(gpt君説)の個展がやっていた
まさかのイタロ・カルヴィーノ・・・!!
紋章三部作ってなんだ???と思ったが、「まっぷたつの子爵 我々の祖先」のことっぽい
ちなみに読んでねえ(カルヴィーノの創作術は読んだくせに・・・
「二人一組で制作」されてるってことっすね!
'Pourfendue'のかんそうなど
ええやん!めちゃうまい!などという率直な気持ち
どういうことなのかわからんけど、でかい絵と一緒に小さいバラとかの絵も掛けてあるのがよかった
この作家も、さっきのウォールもそうだが、ふつうに絵として現代的な感性でよく見えるのを描いて、その上で主題性とか思想的なテーマが背景にあるのが現代美術の「現代」部分なんだろうな、という印象
この逆もよくある(思想とか主題は強烈だが美的じゃない)し、それも現代美術なんだろうけど、自分としてはこっちの配分の方が好きである
Gagosian
という感じで画廊を出ると向かいにガゴシアンがある
ここは写真の展示をやってるのを知ってたが、いまいち興味なかったのでスルーしようと思ってたが、たまたまアルミーヌレック見てるときに一緒になったお姉ちゃんが吸い込まれるようにガゴシアンに入っていき、後ろの自分もガゴシアンのドアマンに「おまえも見るだろ? え?」みたいな動きをされてしまったため流されて入った
で、入ったらそのドアマンに「Sir!!」って呼び止められ、なんだと思ったら背中のリュックは置いてけ、という話だった(日本でも場所によっては前掛けしろと言われることある
なんで、入口横の椅子に置かせてもらった
いわずと知れたくそでか画廊なので説明は省略
ロンドンにはデイビーズストリートと、グローブナーヒル(←いまここ)の2店舗があるが、前者は(初日に)見た通り展示入れ替え中だった
で、やっていた展示はこれ
RICHARD PRINCE 'Early Photography, 1977–87'
リチャード・プリンスについては、美手帖の説明があるのでそれと、そのgpt君による雑なまとめを貼っとく
「アプロプリエーション」は盗用をしていく手法で、よく問題になるやつ
個人の作品を盗用することもあれば、広告とかの既製品のイメージを使うのもこれになる
(元祖はウォーホルの花で、そのときは裁判で負けてる
とりあえずそんなにしっかり見てないので展示風景だけ貼って終わっとく
ちなみに外観からは想像できないくらい広いギャラリーだった
メイソンズヤードへ
ちゅうわけで早々にガゴシアンを切り上げてメイソンズヤードに向かった
まあ、あんま遠くないのででかい道を突っ切って南下するとすぐに到着
とにかく骨董屋とか画商が並んでる地域ではあった
で、メイソンズヤードの入口はトンネルみたいになってたんだが、そこには
ヨーコ・オノ! ヨーコ・オノじゃないですか!!
なんかしらべたら、メイソンズヤードで初めてジョンはヨーコに出会ったかららしい(ちなみにその店はもうつぶれてる
※誤字直したついでに以下追記
一般的に「ジョンの嫁さん」だが、前衛美術家でアメリカのフルクサスに入っていろいろやってた人。で、本場のというか、当時最先端のハプニング(パフォーマンスアート)を日本に持ち込んで草月会館(創始者の勅使河原蒼風はタピエの展示に呼ばれたりするなど、新興いけばなと前衛美術は深い関係にあった)で満を持してやるんだけど、当時の日本はネオダダ全盛期で篠原有司男が大暴れしており、小野の展示よりずっとイカれたことしてたのでそこまで話題にならなかったという事情がある。
尚、そもそも前期具体が50年代の小原会館でやっていた展示が60年代のパフォーマティブアートを先取りしているなど、日本はその分野では米に先行していたともいえる(無論それはブルトンらの活動があってのものなので、日本独自の動きではない)
Saatchi Yates
という界隈にあるサーチ・ギャラリーの別館
Elena Garrigolas
エレナ・ガリゴラスの個展をやっていたので見た
とにかくフロアが広いのと、あとカウンターの人がすげえフレンドリーだった
かんそうなど
最後のおっさん「彼岸島」にいなかった?という感想
ちょっとストレートすぎて、どうなんじゃろうこれは
「彼女は現代のインターネット文化、特にミームへの関心を作品で探求」って言われると、この過度なストレートさが意図的なものであることがわかる
Vigo
見に行く予定はなかったんだが、メイソンズヤードにあったので入った
ジョニー・エイブラハムズの個展をやっていた
JOHNNY ABRAHAMS: THERAPY APPLE
ステートメントは以下
めちゃくちゃエルズワース・ケリーを思い出すハードエッジな作風だと思ったら意外と若い作家だった
という感じだった
White Cube Mason's Yard
んで、最後に行ったのがここ
2日目にいったホワイトキューブギャラリーの別館
ちゅう場所で、ここは建物自体もホワイトキューブだった
Christine Ay Tjoe 'Lesser Numerator'
やってたのはアイ・チョー・クリスティンの個展
日本だとオオタ・ファインアーツが扱ってる(?)らしく、作家説明があるのが助かる(読み方わかるだけでもマジ助かる)
今回のステートメントとかは以下
こういう制作風景見られるのは楽しい
インタビューの中で言っているが、もともと版画、ドライポイントに取り組んでいたようだ
今回の新作は油絵だが、版画的技法の経験が生きている模様
隙間から地下へ行く
くそでか展示スペース!!
かんそうなど
全体的にすげえよかったんだけど、何がよかったの?と聞かれるとよくわからん絵だった
子供の頃に誰しも書いてた非具象のラクガキをすごいよくしたらこういうのになりそうなので、これは潜在意識というか非言語的な感覚を表象したものなんじゃないかという感想
一方でなんでそれがよく感じるか、という話だが、たぶんそこまで細かく書いてないというか、筆致の勢いが残ってたりするところがまずあると思う
こういう絵って、よくやたら細かく完成度高くなっているものがあったりするが、余計な情報が増えて、逆に見て感じるものが減るような気もする
(超精細、細密な日本画出身作家の絵とかよくそう感じる
クローズアップした画像みてもらうとわかるが、けっこう大雑把
で、それは版画に通じるなと思うところあって、ドライポイントなど金属版のものは(やればできるだろうが)絵ほど書き込みはできないので、そうじゃないところで勝負する
この作家の絵は、版画的な取捨選択ができているうえで、油絵的な良さもあると思うので、そういうところがよいのだろうと思った
いちおうこれで完結
というわけでこれで一応、旅行は終わりである
いろいろあって帰国を1日延期したりしたんだけど、そっちはテートブリテンを雑にみたくらいで、そんな活動してないのでこれでおわり
ロンドンのかんそう
・物価高杉
じっさい高すぎる 特に飲み食いが高いが、きほんあらゆるものが高い
以下、ざっくりイメージ
「ワガママ」で食った焼うどんが14£
当時のレートで2800円だ
ユニクロのヒートテックのなんちゃが25£
だいたい5000円だ
おめえ、そんな高いもんじゃねえだろ
特に自然史博物館とか、そういう観光地だとこれプラス観光地値上げがついてくるのでとんでもねえことになる
こだわりがない&体に自信がある人はグレッグスとかの格安店でメシくった方がいい
あとホテルも基本くそ高い
今回は1泊20000円(100£)くらいで収まってるが、かなり安いはず
・治安はそんな悪くないような気がした
かなり行く地域を気を付けてたとはいえ、それであれば問題なかった
夜7時以降も出歩いてないので夜中はしらん
ただ、これまもってればNYとかでも特に問題なかったのであんま参考にはならんかも
あとヨーロッパといえば「子供の職業はスリ」みたいなイメージあるが、とりあえずそういう感じでもなかった
・交通事情はまあまあ
ロンドン市内なら地下鉄で不便なかった
ただ、こっから別の街行こうとするととたんに時間かかる
新幹線がない日本、みたいなのを想像すればだいたいあってそう
地下鉄の運賃も、高いっちゃ高いが、めちゃくちゃ乗る場合はオイスター買えばよいので、そこまでヤバくはない
Uberは使ってないのでわからん
・ギャラリーはよい
めちゃくちゃよい
コマーシャル、パブリックともに想像以上によかった
自分は現代美術にしぼって見たので、そうじゃないのが好きな人はどうかわからんけど、現代美術については相当よかった
あと、とにかくタダなのも助かる
公共の美術館はかならず有料展示やってるが、だいたい10~14£くらいの価格帯だったので、ここは日本と物価変わらんかった
逆にいうと、日本の美術館が高い、ってことになる
ちゅうところでおわり!!
なんとか年内に終わらせたかったのでよかった
機会があればテートブリテンについてもまとめたい
一連の記事は以下
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