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ロンドン行ってギャラリーなど見る回@Day02ギャラリーを見る

渡英したのでその記録である
Day2の3回目、トータルとしては第4回目になる
以前の記事は以下



また移動

2日目はここまでテートモダン > ホワイトキューブ > ホワイトチャペルギャラリー とみて、予定ではこのあとメイフェアにもどりコマーシャル見る(暗くなるまで)って予定だった

こんな感じの道のり 割と駅まで歩く

で、地下鉄のエリザベス線が都合よかったためホワイトチャペル駅まで歩いたわけだが、けっこう距離あったし、なんか急に露店とかが増えてきたが、セインズベリー(中流スーパー)とかもあるので治安悪くはないらしい

ストリートビューだとこんな感じ

そんで回ったところ

Pace Gallery、Unit London、Hauser & Wirth を見た
けっこう遅くなっちまったのでこれくらいにしといてやる、という気分

Oxford Circusで降りた方よかった説ある

なお、「極度乾燥しなさい」は冒険魂をもっているらしいこともわかった

なんやねん

Pace Gallery

例によってなんの役にも立たない写真

最近できた麻布台ヒルズにも進出したギャラリーで、つい「ピース」って読みたくなるが、たぶん「ペース」だと思う(ラテン語でピースって意味なので、意味的にはピースだが

 ペースはニューヨークやロンドン、ジュネーブ、香港、ソウルなど、世界中に8つの拠点を持ち、2019年にはニューヨーク・チェルシーに美術館規模の8階建てのグローバル本社をオープンし話題を呼んだ。1960年にアーニー・グリムシャーによって創立されて以来、アレクサンダー・カルダーウィレム・デ・クーニングデイヴィッド・ホックニージェフ・クーンズソル・ルウィットマーク・ロスコ、ロバート・ラウシェンバーグなど、世界でもっとも影響力のある現代アーティストを数多く紹介しており、日本で活動するアーティストのなかでは、李禹煥奈良美智名和晃平チームラボなども取り扱っている。

記事より

リ・ウファン!奈良!名和!チームラボ!って並ぶと急にありがたみがなくなるが、まあ「自宅の芝生」現象だろう

本家によると、麻布のは「ペース東京」と呼ぶらしい

Pace Galleryは、1960年にアーネ・グリムチャーによって設立された国際的なアートギャラリーです。アレクサンダー・カルダー、ジャン・デュビュッフェ、バーバラ・ヘプワースなど、過去世紀の影響力のある現代アーティストや著名な芸術家の遺産を代表しています。現在、CEOのマーク・グリムチャーのもと、世界中で革新的なアートプログラムを展開しています。世界に7つのロケーションを持ち、東京に新しいギャラリースペースを2024年春に開設予定です。

公式より gpt4要約

まあさっきの記事と言ってることはほぼ同じっぽかった

Paulina Olowska 'Squelchy Garden Mules and Mamunas'

ポーランドの画家、パウリーナ(ポーリナ)・オロフスカの個展をやっていた。この画廊ではデビュー展らしい(※日本での名前表記はちょっとよくわからんかったけど先行事例に準じた

すごい雑な印象でいうと、「森ガール」みたいな絵だった
日本語で読める記事だと以下2つがあり、最初のやつは記録として助かる

作家と展示について

まず作家について
gpt君はポーリナ読み推しなのでそのままにしている

ポーリナ・オロフスカは、1976年生まれのポーランド出身の現代美術家です。彼女はポーランドのグダニスク美術アカデミーとアムステルダムのライクスアカデミーで学び、その後国際的な評価を獲得しました。オロフスカの作品は、スラブの民話や神話を現代的に解釈し、絵画、コラージュ、映画、サウンドインスタレーションを通じて表現されます。女性の視点からの物語と歴史の再解釈が彼女の作品の特徴です。

要約gpt4

つづいて今回の展示について
キータームはMamunasである

今回の展示「Squelchy Garden Mules and Mamunas」では、ポーリナ・オロフスカがスラブ神話におけるマムナ(水の精霊)を題材にしています。マムナは伝統的に悪魔とされていましたが、オロフスカはこれを女性の視点から再解釈し、女性性や自然との関わりを探求しています。彼女の作品は、神話の女性的側面を強調し、現代の文脈で神話を捉え直す試みと言えます。

要約gpt4

水の精霊っていうとフーケの「水妖記」(ウンディーネ)をたぶん連想するが、「悪魔とされてる」みたいなのを見るとそんな外れてないっぽい
こういう伝統的な見方を女性学的に読み替えてくみたいなのは宗教学、比較文化にもあって、女性神話学的なのを昔がっこうで習った記憶がある
まあ、だいたいわかったような気もするので展示風景にいく

展示風景など

ちゃんとしたのが公式にあるので、いんすとれーしょんびゅーはそっちに期待してほしい
すげえいい感じに展示されてっから!

ちなみに作品名メモってない&リストないのコンボでお送りします
ホワイトキューブすぎてサイズ感わからんと思うけど、絵はデカく100号サイズだった

展示は1F(GF)と地下のふたつだった

入口近くにあったやつ クリスマスっぽいからだろうか
動画とレリーフ的なものを組み合わせた作品

木彫っぽいものの中で映像が動いてる

この5人組のモチーフが繰り返し登場
ほんとに同じ人なのかはわからんけど、着てる物的にそうだと思う

背景というか、めっちゃ抽象背景の中に具象の人物が浮かんでる演劇的というか映画的構成の絵

1個前のと同じく、周辺空間はすごく抽象化されてるやつ
垂らしこみ的な技法で描かれているんだろうか

なんかのオブジェと一緒に飾られてるやつ

フォークロア的っていうかそういう印象だ
ちなみに左のヒモの先についてるのは・・・

泥付き野菜

根菜類である
根菜オブジェをはさんで左側にあったのが次の絵

なんかアパレルの広告にありそうな構図だなと思った

さっそうと歩くにわとりと女

で、地下へ行くとこんな感じである

ズギャーン

あっ! さっきの絵に出てきた人たちじゃん!!
こうやって立体で登場すると、(さっきまで知らんかったキャラなのに)まじでちょっとうれしいのが謎である

地下はこんな感じで、コラージュ作品などが並んでいた

こぶりの5人衆
個人的に一番すきだったやつ

かんそうなど

まあいろいろ読み方もあるんだろうけど、単純にみんなこういう絵好きそう、という絵だった(身もふたもない

画題の上では、共通の個性あるキャラクターが出てくるってところに特徴があるんじゃろうな、という感想
実際コスチュームを再現したマケット的な展示もあるし、一通り絵を見たあとだと、そのマケットから謎の実在性を感じたりもしたのはよかった

それらはみんな(外見上)女性的であるのと、水の上を旅しているところから、これが「水の精」の具現化したものなんだろうということと、あとは旅すること自体が「水性」(水の循環)を象徴しているものなんだろう、というくらいの妄想は膨らむ

個人的には、この人の絵を見たときに、シシリーメアリーバーカーの「花の妖精」シリーズを思い出した

だからなんじゃっていう話だが・・・

Unit London

ちゅうわけですぐ近くのユニット・ロンドンに移動

Unit Londonは、アートがすべての人にとってアクセスしやすいものであるべきという信念のもと、2013年に設立された現代アートプラットフォームです。最初は西ロンドンの空き店舗でポップアップグループ展覧会を開催し、その後、7つの異なるポップアップロケーションを経て、2018年夏にメイフェアの元シティバンクビルで最初の永久拠点を確立しました。Unit Londonは、新しいアーティストと観客に門戸を開くためのアプローチを進め、デジタルストーリーテリングに早くから取り組むことで知られています。

公式より gpt4要約

gpt君さあ、「元シティバンクビル」っていう情報いる? 
ただ、「アートがすべての人にとってアクセスしやすいものであるべきという信念」はめっちゃ強烈に感じられた
このギャラリーはとにかく入りやすかった

いくつか理由あると思うんだけど、思いつくとことしては

  • 外から丸見え
    基本有名ギャラリーはみんなこう(例外あるが
    なので、ここだけ入りやすかった理由にはならないが、最低条件としてはこれ

  • 入口で動画流れてて普通の店みたいに見えた
    最初の写真にあるとおり、ドアから見えるとこで動画流れてて、けっこうハデハデに店内を見せてる
    おかげで(いい意味でも悪い意味でも)安っぽくなって、敷居が下がる効果があると思う
    通じるかわからんけど、ムラサキ・スポーツみたいだった

こんなとこっす
↓はギャラリーの中から撮った入口方向なんだけど言いたいこと伝わるだろうか

この雰囲気、スポーツ用品店っぽいと思うんだよな

あとgpt君が取り上げてくれなかったこのギャラリーの熱いとこも引用しておく

設立当初から、当ギャラリーは変化を受け入れ、型にはまることに抵抗してきました。あまりにも不透明で不公平なアート市場において、私たちは純粋に実力主義に基づいてアーティストを発掘し、育成することを目指しています。その結果、私たちのプログラムは多様で直線的でなく、おそらく型にはまったものでさえない。私たちのビジョンは、Unit Londonが単なるギャラリーではなく、私たちの世代で最も才能あるクリエイティブな頭脳に力を与える芸術的プラットフォームとなることです。私たちは、増え続ける国際的な観客に彼らのストーリーを明確に伝え、世界中の個人、文化、社会に与える影響を拡大することに強い使命感を感じています。2013年以来、私たちは、彼らの作品が挑発し、挑戦し、鼓舞する重要な現代アーティストのキャリアをスタートさせ、発展させてきたことを誇りに思い、彼らの作品を一般の人々の意識に届けることに情熱を注いでいます。

deepL訳
  • アート市場の不透明さと不公平性に対抗し、実力主義に基づくアーティストの発掘と育成

  • 伝統的なギャラリーモデルに抵抗し、多様で直線的でないアプローチ

  • 挑発的で挑戦的なアーティストをサポートし、一般の意識に彼らの作品を広める

  • 単なるギャラリーではなく芸術的プラットフォームを目指す

  • アーティストのストーリーを明確に伝え、文化や社会に影響を与える

こころざしたけえええ!
特に「アート市場の不透明さと不公平性」や、「一般の意識に彼らの作品を広める」などは、現代とつく、つかないにかかわらず、この界隈で重要な課題だと思う

なお個展とグループ展をやっており、まずは個展から

MIGUEL ÁNGEL PAYANO JR. 'Limbguistics'

もらった冊子の表紙 かっけえ!

ミゲル・アンヘル・パヤノ・ジュニアの個展
ちなみにこの読みで正しいのかはまったく自信がない

Miguel Ángel Payano Jr.の初の個展「Limbguistics」は、絵画、コラージュ、レリーフ彫刻の手法を融合させた多様なメディア作品を展示しています。タイトルは「limb」(手足)と「linguistics」(言語学)を組み合わせた造語で、自然と人間の世界の手足を特徴としています。カリブ海の遺産や中国での生活から影響を受けた作品は、異文化間のコミュニケーションや共有された人間経験を考察しています。桃や猿などのモチーフを用い、芸術と視覚文化の言語を拡張し、様々な芸術史と文化をつなぐ対話を試みています。

公式より gpt4訳

タイトル意味わからんと思ってたら「「limb」(手足)と「linguistics」(言語学)を組み合わせた」んすね
なるほど・・・

例によって動画もあるのでそれも貼っとく

gpt君がトランスクリプトを要約してくれたものは以下

ミゲル・アンヘル・パヤノ・ジュニアは、子供の頃から物を分解し、再構築する興味を持っていました。北京での勉強を経て、アーティストとしての道を真剣に考え始め、多言語や多文化への関心から言語の形成的な役割にインスピレーションを得ました。彼は、人々を単純化し、より大規模な文化的関係を表現する方法を考え、桃のモチーフを使用しました。この桃は、人間の単純な形態を象徴し、彼の作品において重要な役割を果たしています。彼は異なる方法で表現し、ロンドンでの展示においては、枝分かれする肢や枠を超える概念を探求しています。

展示風景など

こんな感じである
ちなみに作品名は会場に表示なくて不明な模様

個展会場

これ見たとき色とかテクスチャからまったく桃に見えず
「リンゴか??」と思ってたのは内緒だ
文化的ギャップというか、背景的な知識の違いを感じた

同じ作品を斜めからみるとこんな感じ

という感じである

個展のかんそうなど

こういうチープな素材で作られた半立体作品、アッセンブリッジ(アッサンブラージュ)はよくあるが、この作家は立体としての構成がすごくうまくて、素材がちゃちなことによるゴミ感とたくみな構成による作品感があいまって、正しい意味でのジャンクアートになってる印象だった

(マジで古くて申し訳ないが)ティンゲリーとかがやってたころのジャンクアートとか、それに近いものを感じる
(そこまでゴミ性で突き抜けなくてよかった時代といえばいいのか

かといってゴミ性なくしすぎると、よくある(悪口の)「造形的すぎる」とか「工芸じゃん」批判が飛んできがちだが、この作家は構成のたくみさだけで作品性出せてるので、「加工の雑さ」とか「素材のチープさ」とかは失われない

そのため、ゴミ性のもつパワーがあるのに、作品としてもまとまってて、一般的な鑑賞にも耐えうる作品になっているところがすげえと思いました

…個展についてはそんなところで、次に地下でやってたグループ展に移動

'DREAMSCAPE ESTUARY'  Group Exhibition curated by Laura Shao

もらった冊子の表紙

「Dreamscape Estuary」展示会は、異なる文化の流れが交わる場所としての河口をメタファーに使用しています。14人のアジアのアーティストが集い、多様な背景と経験を持ち寄っています。各作品では、アイデアや記憶、風景が融合し、アジアの複雑さと矛盾を反映する個人的な神話を織りなしています。この展示は、個人と普遍的なもの、歴史的なものと神話的なものの間の複雑な関係を探求しています。

公式より gpt4要約

ちゅう感じの「14人のアジアのアーティスト」によるグループ展
ローラ・シャオがキュレーションを担当とのこと

ローラ・シャオはハイブ現代美術センターの国際開発ディレクターで、復旦大学とマンチェスター大学で言語学とスクリーンスタディの学位を取得しています。彼女は、クリスティーズで20世紀と21世紀のアート専門家としての経験を持ち、特にアジアのアーティストの国際展開を支援しています。ホンコンでのジャン=ミシェル・バスキアの展示「RADIANCE」など、いくつかの革新的なプロジェクトに関与しています。彼女は北京、上海、ホンコンで活動しています。

同上

参加作家は14名
それぞれの説明は公式見てもらう&作品のとこでキュレーターの解説引用するとして、gpt君に要約してもらったのを載せとく

アンジェラ・ユエン: 1991年生まれの香港出身アーティスト。既製品やプラスチック玩具を用いて、香港のスカイラインを思わせるカラフルな影を落とす3次元彫刻を制作。作品は、香港の色褪せたが重要な文化要素を時を超えて見せる。
アヤ・イトウ: 1987年生まれ、和歌山県有田市出身。京都市立芸術大学で美術学修士を取得。彼女の作品は、幽霊や精霊を連想させる不気味な図像が特徴で、リアリズムに基づいているが、明確な物語やメッセージはなく、「優しい、真剣で、愚か」というムードが中心。
ナティサ・ジョーンズ: 1989年生まれのジャカルタ出身の視覚アーティスト。インドネシアのバリ島とオランダのアムステルダムで活動。抽象と具象の間を行き来し、人間関係の二面性やアイデンティティに関する探求をテキストと共に描く。
リン・シャン: 1988年生まれの中国人アーティスト。個人的な願望の領域を探り、キャラクターや風景を織り交ぜながら、微妙な感情を暗闇に隠す。彼女の作品は、「人間」の欲望と想像力の形成から派生し、さまざまな形の組み合わせの同質性を利用して霊的刺激と共感を誘発する。
ジピン・ワン: 1995年生まれ、中国瀋陽出身。視覚的過負荷と商品化の加速する世界を、ダイナミックな色彩や食品パッケージのデザインを用いて描写。日常のビジュアル、ポップカルチャーや美術史の参照が混ざり合い、現代の多面的な心理を反映する。
ワン・ウェンティン: 1985年生まれ、中国河南省洛陽市出身。彼女の作品は、工場での子供時代の記憶に深く影響され、物質性と産業コミュニティの中での成長がテーマ。
スティーブン・ウォン: 1986年生まれの香港のアーティスト。中国香港中文大学美術学部を卒業。人類と自然の関係を探求する作品で知られ、香港での個展や国際展示会に参加。
ワン・シンヤン: 1995年生まれの北京出身アーティスト。先史文明への関心を示し、シルエット、荒々しい筆遣い、暗い茶色のトーンが特徴的なキャンバス作品を制作。
シャ・ユ: 1981年生まれ、中国安徽省出身。普通の人々の生活を反映した作品で、地域性の強い特徴を持つ人物像(ふっくらした顔、繊細な顔立ち、動じない表情)を描く。
ミー・ユィム: 1963年生まれ、韓国出身でニューヨーク在住。彼女の作品は、韓国からハワイへの急激な移住の経験に根ざしており、断片化された記憶からアイデンティティと目的を再構築する手段としての芸術を探求。
タン・ヨンチン: 1990年生まれ、中国河北省出身。人生の普遍性と多層性を探求し、ぼやけて歪んだ人物像を特徴とする作品で、人生意識と社会問題への関心を表現。
ル・ユ: 1996年生まれの山西省出身の視覚アーティスト。彼女の作品は、彫刻的な人物像を通じて、永遠性と田園詩的な夢想を表現。混沌の中で秩序を見出し、想像力を抑えて画像を本来の場所に戻す過程を描く。
チャン・ツィヒン: 1987年生まれの香港出身アーティスト。日常の物や経験を繊細で鮮やかな絵画で表現し、現実と記憶から導き出される作品を制作。
マ・ハイルン: 1992年生まれの中国人アーティスト。ニューヨークの視覚芸術学校で学び、西洋の芸術学校システムの影響を受けながら、自身の文化的背景からインスピレーションを得る。彼女の作品は、故郷新疆の人々を大胆で劇的な方法で表現している。

ちな、個展会場の床に窓があって、そっから地下がのぞけるようになってる

グループ展の展示風景など

ステートメント

入口のステートメント
下にだれかの頭が映ってるが、それはここでいちゃついてたカップルの片割れの頭だ
なんでこんなとこでべたべたしてたのかは謎

シメのとこが言いたいことだと思うのでそこだけgpt君訳

「Dreamscape Estuary」は、フリーズ・ロンドン2023と同時期に行われる、世界的なアートカレンダーの主要なイベントです。
高まるグローバルな繋がりがポストパンデミック時代の始まりを告げる中で、政治的、イデオロギー的な不安定さの表面下に潜む、世界的な分断の危険性を忘れがちです。ハイパーコネクテッドな世界で、文化的アイデンティティはなぜ重要なのでしょうか?
一つのクリックや一つのフライトでつながる場所や文化の中で、アジア人(アーティスト)であることはどういう意味を持つのでしょうか?
この展示会は、現在のアジアのアーティストたちの統一されたビジョンのユートピア的な空想でも、何であるべきかを指図する受動的な視聴体験でもありません。それは、夢の微細な風景を発見し、つながる旅に出る招待状であり、生活と物語が出会い、繋がる夢の風景です。

下もそこそこ広い

なんとなく全景っぽいもの
ANGELA YUEN The Dreamer III 2023

アンジェラ・ユエン(1991年生まれ、香港)は、香港の急速な都市開発の名残りであるヴィンテージマーケットから見つけた物を慎重に組み立て、馴染みのあるものを愛と郷愁に満ちた新しいダダイストの夢の国に変換します。

確かにノスタルジックだが、投影された影は虹色で夢の国感ある
現物と影で、多面的な表現になってる

TAN YONGQING Dark Heart 2023

シャ・ユ(1981年生まれ、中国)とタン・ヨンチン(1990年生まれ、中国)の作品は、ポートレートの緻密な技術を通して、人間と宇宙との関係を熟考しています。
『川と男性の肖像』では、主人公が空を見上げ、その顔が白い光で輝き、明るい未来への切ない探求を喚起します。そのイメージは、時間の流れや自然の永続的な力の象徴かもしれない川の狭い一部分と対比されています。しかし、その未来はどのようなものでしょうか?
『ブラックハート』では、タンは宇宙の深い影の中を見下ろす宇宙飛行士を描いています。まるで、私たち自身の存在の考古学的な証拠を掘り起こしているかのようです。

ものすごいダークな宇宙ってのは、『三体』じゃないが、なんか中国の人にけっこう特有の世界観な気もする
この絵も諦観があるっていうか、つらさを感じる

ちなみに『川と男性の肖像』ってのはこのあと出てくる作品のタイトル

WANG WENTING Flaming Night 2023

ワン・ウェンティン(1985年生まれ、中国)は、製錬所で物質が状態や形を変える魔法のような瞬間を子供の頃に見ていた記憶を呼び起こし、錬金術に対する人類の初期の驚きを想起させます。

手前 ZIPING WANG Sweet Wind From the South 2023
奥 WANG XINYAN Exodus IV 2023

展示を通して、観客は、各アーティストにとって愛着のある幼少期の物を様々なメディアを通じて回収する宝探しに参加することになります。ワン・ジピン(1995年生まれ、中国)の最新彫刻版は、一度に砂糖でコーティングされた甘いお菓子の魅惑的な力と天体の磁場の力を兼ね備えた魅力的なトーテムポールです。

日本的にはあんま「お菓子」って感じしないかもしんないが、中国の屋台で売ってる山査子の砂糖漬けとか考えるとありそう
キャンディとかドーナツっぽさがある個々のパーツが、同時にまた微妙に惑星感もあって、菓子という個人的体験が宇宙とリンクするんだろう

ワン・シンヤン(1995年生まれ、中国)もこの心理的な強度を共有しています。彼女は先史文明の岩画や儀式に深い関心を持ち、絵画を潜在意識の視覚化のための容器として使い、原始的なエネルギーを引き出し、最も内面的な感情的な風景への道を照らします。彼女の日常生活の断片である猫、夜空、シカゴのきらめく湖などが、彼女のアイデンティティをカタルシス的で絵画的な探求に統合されます。

「この心理的な強度」ってのが意味不明かもしんないが、前段に「記憶、感情、神話が融合し、現実の新しいつながりを形成する、しばしば神秘的な私たちの潜在意識の領域に没頭」する人もいる、っていう話があり、そっからっす
先史文明の岩画や儀式、潜在意識の視覚化、って言われると確かにそういう絵に見える
というか、ブレイクの「Tyger」(虎よ!虎よ!ぬばたまの云々、Tyger Tyger, burning bright, In the forests of the night; … )をまんま描いているようにも見える

XIA YU River and Portrait of a Man 2021

さっき比較に出されてた作品

シャ・ユ(1981年生まれ、中国)とタン・ヨンチン(1990年生まれ、中国)の作品は、ポートレートの緻密な技術を通して、人間と宇宙との関係を熟考しています。『川と男性の肖像』では、主人公が空を見上げ、その顔が白い光で輝き、明るい未来への切ない探求を喚起します。

のに対して、『ブラックハート』は暗い宇宙を見下ろす、みたいな話だった
「明るい未来への切ない探求」っていうのはどういうことなのか、いまいちよくわからない

AYA ITO Where are you going 2012

アヤ・イトウ(1987年生まれ、日本)の作品では、人物が重力や物理的現実のルールが歪められ、さらには排除された真空状態に入ります。彼女のキャンバスは、可能性に富んだ心理的空間に変化します。運命の終わりなき渦に喜びを持ってワルツを踊りながら、アーティストは平行宇宙の多くの自己に「私はどこへ行くのか」という問いを投げかけます。

この解説も前段がある「ソーシャルメディアによってイデオロギーが分断された今日のバベルの塔で、世界がますます訳がわからなくなるにつれ、多くのアーティストがシュールレアリズムの語彙に頼って、個人的な身振り手振りを形成し、見る者とつながっている」らしい
なのでこの作家の作品は、シュールの文脈(語彙)で解釈されているってことになる(まあ、事実そうだろうと思う
先行きの不明感、かといって自由ではない感じは、この絵によく表れていると思った

ちなみに会場だと誰の作品かはわからんかったんだけど、もし日本の作家がいるとしたらこれじゃろ、と思っていた作品だった

左 LIN SHAN Calla Lilies Dance No.3 2023
右 わからん・・・

というさっきのイトウの作品に対して、

一方、リン・シャン(1988年生まれ、中国)の寓話的な作品では、自己が隠されています。中国美術学院でフレスコ画を専攻し、その後イタリアのヴェネツィア美術アカデミーで絵画の修士号を取得したリンは、人間味のある物体の描写を通じて、合理性と欲望のジレンマを探求します。彼女は慎重にアルミニウム板に筆を滑らせ、絹のような表面を作り出し、野生の自然の背景に対して室内の花や静物の「肖像」を描き、自由への渇望とそれに伴う罰を暗示しています。

「自由への渇望とそれに伴う罰」ということだが、自分にはちょっと難しかったっすね・・・

STEPHEN WONG The Fire 2023

なんか絵の上にバスのミニカーみたいなのが置いてあった
それもおもろいが、ヴァルールが無視されてるというか、なんかドット絵などのCGっぽい味わいがあるくせにドット絵じゃない、っていう非常に奇妙な作品だった

歴史の大きな流れに直面し、日常の些細なことは非常に脆弱でありながらも貴重であり、それは芸術の天才によってのみ守られ、保存されるものです。チャン・ツィヒン(1987年生まれ、香港)とスティーブン・ウォン(1986年生まれ、香港)の作品は、芸術の粘り強さと癒しの力を強く表現しています。チャンは忘れ去られた破滅的な風景の微細なシーンを通じて、神々の瞬間的な輝きを見出し、一方ウォンは彼の視覚的記憶と想像力からくる細部に至るまでの自然の壮大さを披露し、観客をこの世のものとは思えないハイキングに誘います。

「日常の些細なこと」を、当時の記憶というか、当時の記憶であることを絵的に表現した結果の作品ってことなんだろうか
壮大と解説にはあるが、それにも関わらず日常感があるのが、この作品の肝な気がする

CHEUNG TSZ HIN dancing on the branches 2023

「忘れ去られた破滅的な風景の微細なシーンを通じて、神々の瞬間的な輝きを見出し」てる、と解説で書かれている作品

LU YU Peace Lily 2023

この展示会で最も若いアーティストであるル・ユ(1996年生まれ、中国)は、デジタル画像に満ちた時代に、田園詩的な夢想を漂う新世代のアーティストの典型的な例です。彼女の「Peace Lily」は、豊かな彫刻的なボリュームで描かれ、現代世界における古典的な優雅さとシンプルさへの永遠の探求を証明しています。

これも印象に残ってる作品
なんつーか、もちろんうまいし、うまいんだけど、それだけではすまない魅力がある
解説では「彫刻的ボリューム」と言ってるが、そういう生物のもってるふくよかさ、豊かさみたいなものを、これはそんなに誇張なく表現できてるとこが良さなんじゃね説である

NATISA JONES Precious Cargo II 2023

正直この作品も日本っぽいなとか思ってたが、見事に違った

一部の人々は意味を求めて外界を見つめますが、他の人々は、記憶、感情、神話が融合し、現実の新しいつながりを形成する、しばしば神秘的な私たちの潜在意識の領域に没頭します。インドネシア生まれのナティサ・ジョーンズ(1989年生まれ、インドネシア)は、タイ、オーストラリア、オランダでの大陸をまたぐ経験からインスピレーションを得ています。彼女の作品では、身体が肉体的な体験から霊的な旅へと移行する乗り物となります。

左 MIE YIM Peyote 2023
右 わからん

ミー・ユィム(1963年生まれ、韓国)の作品にも、同様の変位からの震えが感じられます。彼女は若い頃に韓国からハワイに移住し、後にニューヨークに移り芸術家としてのキャリアを追求しました。不確実性と疎外感が、万華鏡のような形や鮮やかなパレットの爆発に変わります。

「同様の変位」ってのは1個上の解説にあるやつ
これ実はムックとガチャピンなんじゃねえかと思ってて、どっちかというと右のガチャピンみたいなやつの方が好き
ちょっと前のAIが描いてた絵の傾向を取り込んでる気がしてる

グループ展のかんそうなど

当たり前っちゃあ当たり前なんだが、キュレーションしてる人が(当然だが)ちゃんと作品を理解しようという意思のある解説書いててよかった
あと、(これも当然そうだが)なんでこの展示の意図も明確でヨシ!

そもそも文化的アイデンティティになんか意味あんの?っていう問いは脱構築で相対化しまくった現代美術にとっては耳の痛い話な気もする

また(ちょっとうまいなと思った点は)香港とか中国のプレゼンスが大きいアジアで、政治的問題を正面から扱うと、最大顧客の中国を締め出すことになるのもアレなため、そこではない問題、1枚奥に視点を持っていくのは確かにありだなと思うなどした
これは別に商売上の話ではなく、直接ポリティカルな話やるなら政治でやればいいわけで、美術でやる以上は政治じゃ語れない部分を扱うべきっていう方向からみてもいいんじゃね?と自分は思う

Hauser & Wirth

なんか本売ってるサイドの入口の写真

ハウザー&ワース
が、どう見てもドイツ語っぽいので「ハウザー・ウント・ヴィルトやろが!」って思うんだけど。。。まあアメリカ式が正しいんだろう

1992年にチューリッヒで設立されたHauser & Wirthは、現代美術を専門とする国際的な画廊です。90以上の現代芸術家や重要な遺産を代表し、教育、環境保護、持続可能性に重点を置いています。歴史的建造物をアートスペースに転用し、地域文化と国際アートを結びつけています。ソマセット、ロサンゼルスではアーティストのレジデンスプログラムや教育活動を展開。2023年にはパリとニューヨークに新たなギャラリーを開設予定で、これらのスペースでは地元コミュニティとの対話と文化的な交流を促進し、現代美術の発展に貢献しています。

公式より gpt4要約

ちゅうことです

AVERY SINGER 'FREE FALL'

エイブリー・シンガーの個展をやっていた
非常に展示空間が凝っていて、すごかった、という子供みたいな感想

作家と展示について

シンガーについてはこんな感じ

エイヴリー・シンガーは、コンピュータプログラムと産業材料を使用し、伝統的な絵画とモダニズムの遺産に取り組むアーティストです。2010年から、彼女の作品は空間的な雰囲気やデジタル領域を想起させ、工業自動化や3Dコンピュータモデリングを利用しています。大規模なキャンバスに画像を投影し、エアブラシでアクリル絵の具を塗り重ねる手法を用いて、視覚的に魅力的な作品を創造しています。

pdfより gpt4要約

「伝統的な絵画とモダニズムの遺産に取り組む」作家で、手法としては「キャンバスに画像を投影し、エアブラシでアクリル絵の具を塗り重ねる」ということらしい

展示については911がそのテーマというかモチーフとして明確にされている

エイヴリー・シンガーは、彼女の母が世界貿易センターの双子の塔で働いていたことから、9/11以前に頻繁に訪れたという、そのオフィス内部の記憶を再現した環境を作り出しました。この展示では、オフィスの日常的な雰囲気と、世界貿易センターの象徴的なデザイン(ミノル・ヤマサキによる)を組み合わせ、部分的にステージセット、部分的にミニマリスト彫刻のような、静かに混乱させるインスタレーションを創造しています。この環境の中で、シンガーは新しい絵画を展示し、Autodesk Mayaなどのプログラムで作成されたコンピュータ生成の世界と彼女自身の内面的な宇宙を結びつけ、デジタルの無機質な世界と個人的な体験を橋渡ししています。これらはシンガーの記憶に基づいて構築された展示の没入型建築環境にも使用された同じ3Dソフトウェアで作成されました。

展示空間そのものがインスタレーション的に「作った」空間になってるっていう展示

尚、時間ぎりぎりにいったので、ほとんど写真とってない・・・

展示風景など

こんな感じにギャラリーの中にふつうの事務所みたいなセットがある

で、各作品はその中に展示されてる
(まあ、動画見たほうが早いと思われ

こんな感じ

ちゃんと天井とかもある
部屋の隅に座ってる画廊の人に、なんかアホみたいだが「あの植木とかも今回用につくったやつの?」と聞いたら「そうやで、あれもこれも全部うちらが作ったんや、あの植木も」みたいなこと言われてやべなと思った

がんばって作った植木

逆に思ったんだけど、ワールドトレードセンターのオフィスってこんなふつうな感じだったんだ、ってこと
もっとこう映画に出てくるようなハデハデオフィスだと思ってたんだが、そもそもかなり昔のビルなので昭和館ある方が自然だと気付いた

「この人なにしてんの?」って聞いたら、「たぶんタバコすってる」と言われたので「え? このフラスコみたいなので?」とまた聞いたら、「うん、だと思う」と言われたっす
あぶって抽出物を吸い込むっていうと追龍(チェイシング・ザ・ドラゴン)を思い出すが、なんかもっとオーガニックなもんを吸ってそうなのでちょっとよくわからんかった…

むちゃくちゃ暗い絵
なお、裸眼だともっと見えなかった(写真でみてやっとモチーフわかる

これはなんか言いたいこと伝わってくる感じがする

かんそうなど

写真少ないのでアレだが、ここも資本の力を感じる展示だった
(今日の現代美術はそういうゲームはあるので、それはそれで否定できない

作品としては、かなり見やすい平面作品で、そもそもかなりよく見えるが、特殊な展示形式と組み合わせることで、単なる美術的価値以上の歴史的文脈を獲得しようとしてる感じだ(←当たり前のこと言ってんなこいつ・・・

この人のいいとこ、というか強みは、世界史的な事件を個人的な経験として語っているとこなんだと思う

世界史的出来事を匿名、無名=デジタル、個人的出来事を私的、個人的=手仕事、と置いて、世界と自分との関係とかを平面上で再現してる、っていのうが一般的な見方なんかもしんない

というところで2日目終了!

やっっっっっと2日目終了!!!!
街はすっかりクリスマスムードだったが、急いで宿に帰って英気をやしなった
ちゅうわけで3日目に続く!!!

交差点によくぶらさがってた

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