三森正道

軟弱不屈クラブ

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  • みつもりりっく

    詩集になります。歌詞も合わせて投稿しています。

  • みっつ通信

    慣れ親しんだ日々を、日々、書き換えようと模索しています。

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    超不定期配信。

最近の記事

じゃあなんだったらいいのって本気で思うよ(詩)

ふるいにかけられて、涙の裏側に落ちてくよ 競争社会、弱肉強食、きれいごと、三者択一 生まれてから死ぬまで、じゅんばんこ ズレすぎて、異物 私だって笑いたいと思ってるよ 笑って、我に返って、明日のこと考えて 知らないあいだに日が暮れてく 夕暮れが目に染みる じゃぼん、じゃぼん 平和が尊いらしい 世界のどこかで今も誰かが傷ついてるらしい 自分ごとのような 他人ごとのような 祭日、人混み、心ここにあらず 思考に溺れている 日が暮れていく わからないことが増えた 懐かしいなんて思わ

    • こんな夢を見た

      薄暗い一室には、密やかな生命の気配が満ちていた。大きく育ったポトスの周囲には、羽虫が飛び交い、その姿が影絵のように壁に映っている。湿度の高い空気が肌にまとわりつき、居心地の悪さを際立たせていた。 私は三十代くらいの夫婦と同じ屋根の下で暮らしているようだが、自分が何者なのかは定かではなかった。ただ、雑用係のような存在であることは感じていた。 キッチンでコーヒーを入れていると、椅子に座っている母親らしき人が、新生児くらいの赤ん坊を抱いているのが目に入った。ふと視界の外から父親

      • 頑張るために頑張るな

        自分の言動が人を苦しめているということに鈍感だ。この頃、あまり調子が良くなく、終始イライラしてばかりいた。 機嫌のコントロールが難しく、何をしたら気持ちが楽になるのか見出せないまま荒れた。 こういう時、言い訳の常套句がある。育った環境のせいだ、と言う。それで一瞬は問題を誤魔化せるかもしれないが、その効果は長続きはしない。 なにせ死ぬまで一緒にいるのは自分自身で、逃げても逃げても同じ問題を抱えて追ってくるのだ。 荒れているのは環境のせいなんだよ、と言われても、言われた側

        • 不快

          なにもない敷地に草が生えてる 代わり映えのしない僕が見てる あとがきを書くようなものまねをして ストーリー一から始めなきゃいけない いつも中途半端で なにも手につかないばかりで かけがえのない生活のこと ないがしろにしてたのかな 押し寄せる人波に 流されるように僕はいつも うろたえていた 空を見ては あるまじき誇大妄想 机の上はごちゃごちゃしてる 菜の花の季節に鳥が飛んでる 着てる服はよれて僕は海へ 空き缶を蹴飛ばして石ころ手に 名もなき一人で色彩を探そう いつも崩れ

        じゃあなんだったらいいのって本気で思うよ(詩)

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          109本
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        記事

          朝が焼ける

          好意を疑う 耳鳴りがする 本質は変わらない それ以外が変わる それが複雑だ 誰にも定義されないよう できることはする わざとらしく 書き損じのまま 別の世界に 生きているような 君の自信が 僕を旅人にさせる 雷の日に 不透明な夜に 神経が震える またねと言うから また次がある それだけに救われて また期待を持って 息を整える 不安をよそに追いやるよう できることはする わざとらしく 書き損じのまま 見える景色は 同じはずなのに 君の瞳は 僕をとらえないでいる 昼

          朝が焼ける

          覚めながら見る夢

          楽しかった 楽しかった 楽しかった でも 寂しかった 寂しかった 寂しかった でも 嬉しかったし 嬉しかったし 嬉しかったし ああ 覚めながら見る夢のようなメモリー 覚めながら見る夢のようなメモリー……

          覚めながら見る夢

          君について語らせて

          どこかへ連れて行かれる どこへ連れて行かれるのか 訂正を繰り返し 改装を繰り返す 遊園地が見える 「逃げるな」って 所有物じゃない クマからは逃げるじゃない 星も街もハリボテ 好きな人はいるけれど 好きな人について語れない 遠い 遠い 遠い関係性 みんなを好きになれないように みんなを嫌いになることもできない 喜怒哀楽の何かを隠して 全部なくなっていく 遊園地が見える だめじゃなくなろうとして 思い通りになって 何一つ面白くない 善と悪はハリボテ 代わる代わる語り合

          君について語らせて

          俺よりすごい人

          すごくないないないない すごくないないないない 一番すごくない人間って 一体どんな人間なんだ ないないないない ないないないない 愛も金も友も何も ないないないない ないないないない 俺の周りには誰もいない 一番すごくない人間って 一体どんな人間なんだ すごくないないないない すごくないないないない あらかじめ設定された システムのなかで 虚しく虚しく虚しく 生きている 俺にはなんにもない なんにもない ラクダのような顔して 毎日生きている いや生きているのかもわからない

          俺よりすごい人

          完璧な一日

          完璧な一日のおくり方を 誰からも教わらずに 水槽のなかの熱帯魚のように 暮らしていたら ある日、君がそばにいた それから君がいないあいだ 君を思い出すようになって 君の横にいるあいだは 君を忘れて話に夢中になった ひとりきりで映画を観ると 思いきり泣けて ふたりきりで映画を観ると 涙を隠した 美しい日々は壊れやすくて 僕が不器用なほど 二人の詩が続く気がした 守るものは何もないから 君とは何度もケンカする 忘れるような日々をおくろう お互いを忘れない二人で 完璧な

          完璧な一日

          明るく生きるためには意志の力を使う

          睡眠がちゃんと取れたか、確認するには途中で目が覚めたときにフキゲンだったら不足、ゴキゲンだったら満足というふうにして分けている。noteをなるべく更新したいと思ってから、1ヶ月半をこえて、けっこう順調に続けられているが、フキゲンなときほど書きたいアイデアがわんさか湧いてくる。 でもあとになって感情に任せすぎたかもなと反省することがあり、繰り返していくにつれて、noteを書くときはゴキゲンなときにしようと思った。で、いまある程度、冷静だ。が、さっき買い物のレシートを見たら、そ

          明るく生きるためには意志の力を使う

          氷結

          無限大なちぐはぐが眼前を通り過ぎ、哀れな姿となって現れる。ヒトデの形をした星のような物体が舞い降りて、笑顔を作り出している。不思議なほどに酸いも甘いも噛み分けたかのようなその表情に影がチラついていて、俺はぶっきらぼうに片手を振り落として、そのヒトデみたいな星をぶっ潰した。我先にと玄関口に掻き集まっていく群衆が、俺には哀れに見えて、かけちがったボタンを一つ一つ外して、上から下まできれいに収めるように組み直す。カフェのコーヒーが苦く、意志について考える日々に、自由意志があるとかな

          制限の力

          村上春樹の『風の歌を聴け』の一節に「書くことは自己療養」と書かれていたと思う。 今日はよく眠った。夜の路上で空を見上げながら寝転がっていたら、まだら模様の雲がいきなり猛スピードで渦を巻いて、少し離れたところから目の中心に移動してきた。何だ何だと思っていると、遠くの空にオレンジ色の光の球が丸く膨れ上がっていて、ぐんぐん大きくなる。どんどん地上を飲み込んでいって、もうだめだ、これは隕石だと思った。体ごと飲まれ、夢だから痛みは感じなかったが、そのまま焼け死ぬと同時に目が覚めた。死

          「いつまでも先に進めない」

          水道代が高いと嘆いていたら、誕生日の近かった友人から節水シャワーヘッドをプレゼントして頂いた。この世から「ありがとう」という言葉が消えてしまったら、ゾッとする。毎夜、シャワーを浴びるのが一気に楽しみになった。光熱費を気にしながら入る風呂なんて脳みそから涙が出る。そう、誕生日の近かった友人からプレゼントを貰っていた。ありがとうございます。先ほども顔面にシャワーをぶちまけながら、神聖かまってちゃんのフロントメモリーを風呂場で爆唱しました。ACAねバージョンが公開されてました。

          「いつまでも先に進めない」

          一貫性なんてなくていい

          Twitterは140字以上は書けないので、それなら長く文字の書けるTwitterとしてnoteを使ってみようと思い立った。ブログだとアカウント作成が面倒くさい。noteはエディタを開けば「書くだけでいいんだ」と思える。だから使っている人も多いのだろう。 唐突だけど生まれて物心がついてから10代半ばまでずっと猫と暮らしていた。猫がそばにいたからインドア派になったのか、インドア派だから猫が好きなのかわからない。そういう性分が今でも続いていると思う。 よく犬派と猫派で分かれる

          一貫性なんてなくていい

          手錠

          僕は逃げたい 森から逃げたい 予言されたい 愛される日が来ると 次が読めない 保護すらされない 予言されたい 這い上がる日が来ると 終わりに終わりを告げ ここを裂け目にしよう 手錠の鍵を開けて 外の世界へ行こう 過去が暴れて 手懐けられない 予言されたい 抱きしめる日が来ると 次が読めない カオスな信条 予言されたい 手をつなぐ日が来ると 終わりに終わりを告げ 治る裂け目にしよう 手錠の鍵を開けて 夜が飛び立つ前に すれ違う人の顔がない 取り憑かれ始め

          ネットは居心地の良い場所

          いつのまにか嫌いになってた その場所をぼくはもう一度好きになれるかなんて考えもしなかった 考えもしなかったことを考えてしまった いつのまにか嫌いになってた あの人もこの人もその人も でもほんとうに嫌いなのは自分のこと 風通しの悪い場所に閉じ込められること ぼくにとっての桃源郷は牢屋 ぼくにとっての愛は家族愛 つながるとかつながらないとか 本当はそんなことどうでもいいんだ ぼくにとっての素晴らしい場所が ふたたび復活することを祈ってる それだけじゃ足り

          ネットは居心地の良い場所