詩音

普段は小説を中心に書いていますが、エネルギーを使うので投稿は小説じゃないものの方が多い…

詩音

普段は小説を中心に書いていますが、エネルギーを使うので投稿は小説じゃないものの方が多いかもしれないです。読んでくださったら嬉しいです。

マガジン

  • 短歌

  • 小説

    短編の小説を入れていきます。

  • 血のつながり【中編小説】

  • 恋愛掌編

    短編小説の中から恋愛を題材にしたものをまとめました。

最近の記事

糖度20~80%の短歌

見慣れない後姿も君なんだ 席替え直後の喧騒の中で  昼下がりあなたの隣で眠っていると見てしまうのは現実の夢  病的な眠気の中で出会ったらきっと気づけない運命の人でも 

    • 短歌と日記 ②

      暖房のこもった空気外に出す頬を寄せれば窓は冷えピタ 最近、冷え込んできましたね。 皆さん、朝起きてから1番に何をしますか。 私は窓を開けに行くのですが、その時に顔を窓に押し当てています。 家の窓はすりガラスなので冷たくなりすぎず、でもしっかり目が覚めるぐらいのほど良い冷たさです。 これが朝一番の目覚まし方法になったりしています。 窓は冷えピタのように心地よくて、熱の時はこれをすれば冷えピタいらずなのでは?と思ってしまいます。でも風邪はひきたくないですね。 これから

      • 短歌 三角関係

        日曜日楽しそうに待つ君をコーヒー片手に僕は眺める 待ち合わせ凍えるほどに冷えた指はやくあなたに温めてほしい 自分でも勝手だとは分かってる約束の時間動かない足 寒空のもとであいつに待たされるあなたの肩にコートをかけたい

        • 短歌と考えたこと

          内カメを使ってばかりいる僕ら たまには外カメ使っていきたい 「自分は人からどう思われているのだろう」 日常の中で、そんなことを考えることが多いです。 そんな中でも自分の周りにあるものだったり周りにいる人たちに、自分のことを抜きにして関わる時間が、1日のうちのどこかにあったらいいなと思います。

        糖度20~80%の短歌

        マガジン

        • 短歌
          5本
        • 小説
          1本
        • 血のつながり【中編小説】
          5本
        • 恋愛掌編
          5本

        記事

          短歌と日記

          人生はほんの少しの先のばし積もった洗濯 白紙の用紙 こんにちは。天気が良くて気持ちいですね。 バイト先に自転車で行ったのですが、家に帰って自転車を止めるときに、鍵の部分が錆びてなかなか閉まりませんでした。 前も同じようなことがあったのに、鍵の部分に油を塗ったりしなかったなと。 そもそも自転車の買い替え時期がとっくにきているのに、自転車屋さん行ってないなと。ちなみに自転車は購入して10年近く経ちます。 そんな日常のちょっとしたことを未来の自分に託す。 それが後になって、

          短歌と日記

          血のつながり⑤ (創作小説)

          リストカットとブラック企業を題材にして書いた話です。 ①を読んでない方は①からお読みください。 今回も社会人の女性視点からのスタートです。 -------------------- 今日は夕日が強い。眩しいオレンジ色の光で目が痛くなった。 角を曲がると建物で夕日が遮られて、私はやっとちゃんと目を開けることができた。目を開けると目の前にはなんとルカがいた。 ルカは制服姿だった。 落ち着いた赤色のチェック柄のスカートにブレザーで、その服装にボーイッシュな短い髪は合っていた

          血のつながり⑤ (創作小説)

          血のつながり④ (創作小説)

          リストカットとブラック企業を題材にして書いた話です。 ①を読んでない方は①からお読みください。 血が流れる場面が多数あるので、苦手な方はご注意ください。 今回は社会人の女性視点からのスタートです。 -------------------- 「ごめんなさい。今回の件はなしにしてくれる」 その言葉を聞いた途端、私の頭は停止した。いけると思っていた案件が消えたのだ。 今月は厳しくて、この案件が頼みの綱だった。坂井さんの声は私の耳をすり抜けていった。坂井さんが話している内容も少

          血のつながり④ (創作小説)

          血のつながり③ (創作小説)

          リストカットとブラック企業を題材にして書いた話です。 ①を読んでない方は①からお読みください。 血が流れる場面が多数あるので、苦手な方はご注意ください。 今回は少女(?)視点からのスタートです。 ******の部分で視点が社会人の女性に切り替わります。次の******で視点が少女(?)に切り替わります。 -------------------- ルカが森の奥の家から連れ出されてお城に閉じ込められてしまった少女の話をしたとき、わたしはばちが当たったんだと思った。 お母さん

          血のつながり③ (創作小説)

          血のつながり② (創作小説)

          リストカットとブラック企業をテーマにして書いた話です。 ①を読んでない方は①からお読みください。 血が流れる場面が多数あるので、苦手な方はご注意ください。 今回から新しい登場人物(少女?)が出てきます。 ******の部分で視点が新しい人物に切り替わり、次の******で視点が社会人の女性に切り替わります。 -------------------- 昨日は三時間しか寝ていないというのに、私の頭は信じられないほどすっきりしていた。 いつも頭に靄がかかったように、思考が鈍く

          血のつながり② (創作小説)

          血のつながり① (創作小説)

          リストカットとブラック企業をテーマにして書いた話です。 血が流れる場面が多数あるので、苦手な方はご注意ください。 -------------------- 深夜の十二時近くにパンプスの音を鳴らしながら、駅に向かって歩いている。いつも何かに追われているような気がして、気持ちばかりが焦って、気が付くと歩くスピードが速くなっている。  どんなに足を速く動かしても、速くすればするほど、何かに遅れているような気がして、もっと速く足を動かさなければならない気持ちになる。 そうやって

          血のつながり① (創作小説)

          チューリップ

           唇から血が出たら彼と別れよう。  そう思ったのは達也とキスをした後のことだった。 「なんか、ガサガサじゃない?」  達也が人差し指で私の唇にふれる。  ほら、ここ。皮むけてんじゃん。そう言って、その箇所を何度も叩く。荒れて敏感になっている箇所だから、刺激が直接とどいた。 「保湿しなよ。保湿」  そんなこと、言われなくたってしてる。  寝る前には必ず薬用リップクリームを塗っている。朝起きたときだって、家に帰ってメイクを落としたときでも忘れない。それ以外にも気がついたときに塗っ

          チューリップ

          抱擁

           大好きな人がいた。  朝起きたら、その人のことをまず真っ先に思い浮かべた。恋愛ソングの歌詞に出てくる「キミ」や「あなた」を無意識のうちにその人に置きかえて聞いていた。コンビニのスイーツを見かけたら、甘い物が好きなその人のことが頭の中に浮かんできた。  その人のことがすごく好きだった。その人のためなら何でもしてあげたいと思った。私が幸せにしたい、たくさんの喜びを、たくさんの愛を、私が与えてあげる、そう思った。  二週間ぶりにその人に会った。二週間前に別れたそのときから、会いた

          恋を知らない

           女の子は恋というものを知りませんでした。  その人のことを思うと、胸がどきどきして、昼も夜も眠れなくなる。その人に自分がどう思われているか気になってしまう。一日中その人のことを考えて、他のことに手がつかなくなってしまう。  それが恋というものなら、女の子はそういう経験をしたことが一度だって、ありませんでした。  十三、四にもなると、女の子の友達は恋の話ばかりをするようになりました。背の高いあの子がかっこいいだの、窓際でいつもぼうっとしている子がなんだか気になるだの、そんな会

          恋を知らない

          眠れる森の美女

           ある晴れた日のことです。王子さまは森に狩りに来ていました。いつもなら鹿や兎の姿を見かけるのですが、不思議なことに、この日は動物の姿はおろか気配さえ感じませんでした。王子さまは獲物を求めて、普段なら行かないような森の奥へと進んでいきました。  しかし夕方になっても動物の姿はいっさい見当たらず、王子さまは狩りをやめて城に戻ることにしました。来た道を引き返しましたが、いつもの狩り場ではないために道に迷ってしまいました。  日がすっかり暮れ、あたりは暗闇に包まれました。すると、

          眠れる森の美女

          ほくろ

           彼女には小さなころからあこがれている女優がいた。  左手にお酒のグラスを持ちながら、ゆったりと微笑む女性。酔いがまわったようなとろりとした、男を誘うような視線を投げかけている。その右目の斜め下には小さなほくろがあって、それが女優のトレードマークだった。  彼女は昔から、右目の斜め下にほくろがある女優のファンだった。その女優がテレビに映るたびに彼女はしていた作業をいったん中断し、画面にくぎ付けになった。  女優の持つ色気に彼女はうっとりした。それは、自分もこうなりたいと

          ほくろ

          日直

           今日から日直かぁ……。  晴美はため息をついた。  プリントを職員室まで取りに行って、それをみんなに配ったり、授業の号令をかけたり、黒板を消したり、日誌を書いたり。日直の仕事はかなり大変だった。  特に面倒だったのが、黒板を消すことだった。休み時間がくるたびに、次の授業に備えて黒板をきれいにしておかなくてはならない。もし消し忘れていたら、日直は誰だ、と授業中に先生に怒られることもある。叱られながら急いで黒板を消すときの恥ずかしさといったら、二度と経験したくないものだっ