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第4章<診断する>フィードバックにおける独自の課題と機会(付録4.3)

1.フィードバックにおける様々な立場と現状について

上司との難しい人間関係:ときに、学習者と上司の関係がうまくいっていないことがある。性格の不一致、職務における意見の相違、あるいは単なるコミュニケーション不足などが挙げられる。(例:「私たちはほとんど話しません」など)しかし信頼関係に問題があると、学習者は能力開発の必要性を上司に率直に語ることに自信が持てない。それに加え、支援や共感を得たり、新しい行動を試してみるよう励まされたりすることもないだろう。学習者が、自分の結果を身構えずに伝え、必要なものを求め、会社のためにすべきことに取り組むつもりであると示すためには、どうしたら良いのか。コーチは、その方策を練る手助けもしなければならない。また、ブレインストーミングによってさまざまな代替案を出すのも役立つだろう(人事部門に協力を求めるなど)。


弱い上司:悪気はないが有能とは言えない上司もいる。完全にいらだちが解消される方法ではないが、学習者は代わりに公式あるいは非公式なメンター、同僚、社内の人事部門から補完的な支援を得ると良いだろう。だが、上のシナリオ同様、能力開発に際しては上司の協力が必要だ。良いほうに考えれば、上司と協力することで双方のあるいはもっと大きなチームの能力開発につながるかもしれないことを、コーチから参加者に示せるかもしれない。例えば、学習者がテクノロジーに関する識見を伸ばそうとしているなら、同じニーズを持つ上司やチームとお弁当を食べながら話し合うのも手だ。

性別や文化の問題:これはデリケートな問題である。特に、問題が明白だったり極端だったりするときは細心の注意を要する。それほど明白でなかったり、外からは目につきにくかったりする場合は、ダメージの大きさは同じだが問題への取り組みはさらに難しくなるだろう。もちろん、性別や文化への偏見を参加者が過大解釈したり、不当に懸念と結びつけたりしている可能性もある。どんな場合にも通用する解決法はないが、コーチは学習者が問題の根底を見極め、可能な緩和策を考え出す支援をしなければならない。緩和策は、人事部門を巻きこむことから、同じような問題に直面したことのある人に相談することまでさまざまだ。

失敗への恐怖や変化への抵抗:個人的なリスクを回避する傾向のある人は、自分の弱さが露呈することに深い恐れを持っているのかもしれない。もっと言えば、自分の努力というより環境のおかげで昇進してきたことに対して、いつか「詐欺師」だと露呈すると確信している人までいる。失敗への恐怖に苦しむ人は、特にアセスメントによって自分の弱さが周りに見えてしまうことに不安を覚えるだろう。また、ストレッチされた能力開発にも気乗りしないことだろう。今の居心地の良い状態から引きずり出されることになるためだ。また、もともとの指向として変化におよび腰になる人、抵抗する人もいる。コーチは、そういった人が自分のリスク回避の引き金になっているもの(正解のない曖昧な課題など)を認識するよう支援する。さらに、変化や複雑性に焦点を置いた拡張的な能力開発に取り組むよう、参加者を鼓舞しなければならない。リスクの高い困難な状況に投げ込まれることで、彼らは自身の不安に立ち向かう生産的な機会を得るかもしれない。

2.個人の能力開発計画<付録4.4>

1:能力開発の目標

✅コンピテンシー(スキル)
✅知識
✅経験
✅個人特性/阻害要因

✅能力開発目標
✅チーム/部門、組織が得られる利益:
✅個人が得られる利益:
✅完了予定日:

2:計画

✅学習
・知識/スキル/経験をどのように得るか?
・どのようにして、阻害要因となる行動(必要な場合)に対する別の取り組みを学ぶか?

✅適用
・その知識/スキル/経験を職場でどのように適用するか?

3:支援と測定評価方法

・どのような障害や課題が予想されるか?
・どのような支援やリソースが必要になるか?
・どのようにして、学習状況を確認するか?

4:能力開発の結果

✅学習結果
・目的のコンピテンシー/知識/スキルを習得できたか、経験ができたか?
てきた/できなかった理由は?

✅適用結果
・能力開発目標を達成したか? はい いいえ ある程度
完了日:

・学んだことを職場でどのように適用したか?
・それにより、自分と組織にどのような見返りがあったか?

5:能力開発活動の振り返り

以下の質問のいくつかについてコメントを記入してください:

・能力開発の取り組みにおいて、うまくいったこと、うまくいかなかったことは何ですか?それはなぜですか?
・最も予想外だったこと、満足できたこと、困難だったことは何ですか?
・能力開発の結果を踏まえて、今後、やり方を変えたいと思うことは何ですか?
・習得した知識/スキル、得られた経験を、他のどのようなことに適用できますか?
・どのような計画外の機会を活用しましたか?
・その結果はどうでしたか?

3.おすすめ人材アセスメントソリューション

①コンサルティングソリューション

②オンラインシミュレーションアセスメント&アセスメントシステム

③オンライントレーニング&ディベロップメント

4.DDIとは

DDIは、世界最大手の革新的なリーダーシップ・コンサルティング企業です。1970年の設立以来、この分野の先駆者として、リーダーのアセスメントや能力開発を専門としてきました。顧客の多くは、『フォーチュン500』に名を連ねる世界有数の多国籍企業や、『働きがいのある会社ベスト100』に選ばれている世界の優良企業です。
DDIでは、組織全体におよぶリーダーの採用、昇進昇格、能力開発手法に変革をもたらす支援をすることで、すべての階層において事業戦略を理解し、実行し、困難な課題に対処できるリーダーの輩出に貢献しています。
DDIのサービスは、現地事務所や提携先を通じて、多言語で93カ国に提供されています。また、同社の研究開発投資は業界平均の2倍であり、長年にわたる実績と科学的根拠に基づいた最新の手法を駆使して、組織の課題を解決しています。

◆DDI社の4つの専門分野

DDI社は、4つの専門分野を中心に、長年の実績と科学的根拠に裏付けられたソリューションと、より深い洞察を提供し、優れた成果を生み出しています。

5.会社概要

会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

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