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選挙結果振り返り(2024 9.8投票)


 最も注目された沖縄の選挙は予想通りの結果となりましたが、大阪、そして福島でも驚くべき結果が出ました。 総選挙が近いと言われる中、細かい情報にも現況が表れるコトになるので是非チェックしてみて下さい。




◎福島県・いわき市議会議員選挙(定数37/47人)

 現職33人、元職1人、新人13人が立候補し、党派別では自民17人、公明4人、共産3人、社民・立憲・維新が2人ずつ立てている女性候補8人の選挙は、現職3人、新人7人が落選し、女性候補は7人当選しました。

 なんと自民が2人落選しています。 前回が20人擁立の全員当選に対し今回は15人当選に留まりました。 いわき市議会は自民議員が4会派に分かれているため直接的な影響は出ないかもしれませんが、コレは痛い。 衆院選の福島3区は自民候補に対抗する有力人物がいないとはいえ、裏金問題が尾を引いたのかもしれません。

 そして新たに議席獲得を目指し2人擁立した維新は、1人が25位当選し、もう1人が35位で落選しました。 確かに福島県内において維新はそこまで強くないですが、いわき市選出の県議を誕生させている中で、1人落選&当選した人も下位というのは、維新の凋落っぷりがモロに出た結果と言えるでしょう。

(統一地方選以降の東北ブロック内の維新戦績)
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 万博のズンドコがバレ始めたのが昨年の8月下旬。 その辺りから負けが込み始めているのがお分かりいただけるかと。

 一方、公明、共産、立憲、社民は全員当選で現有議席維持。 改選前に第三会派だった立憲+社民は無所属議員との連携次第では勢力を伸ばせるかもしれません。

 ちなみに、昨年の県議選いわき市選挙区で、れいわ系の無所属候補が上位当選したコトが候補者の名前から「山口ショック」と呼ばれていて、その再来を警戒する声があがっていましたが、れいわ系無所属(昨年11月、何故か党公認を取り消された)候補は最下位に沈み落選です。 件の県議も応援している様子がなかったので当選は厳しいだろうとは思っていましたが、まさかここまでとは・・・ 噂ではその候補はラーメン店を経営し現在従業員募集中とのコトなので、まずは忙しい(であろう)本業に専念するコトが先決かと思われます。


◎大阪府・和泉市議会議員選挙(定数24/27人)

 現職22人、新人5人が立候補し、党派別では大阪維新と公明が5人ずつ、自民と共産が2人ずつ、参政が1人立てた女性候補3人の選挙は現職2人、新人1人が落選し、女性候補は全員当選しました。

 改選前は公明と自民系会派の明政会が最大会派でしたが、それに並ぶべく大阪維新が5人立ててきた維新。 ところが1人落選してしまい1人増に留まりました。 コレは一大事です。 私としては維新の現職市長が始めて落選した箕面市長選に並ぶ衝撃です。
 コレが大阪府外なら(いわき市のように)有り得る話だし、東大阪市議選のような定数も落選数も多い選挙ならそれも分かります。 ただ、定数が23で落選者がわずか3人の中の1人に維新の看板を背負った人が入るのは、なかなかのインパクトです。
 例えば箕面市長選は現職市長が「ヤジ問題」を抱えていたり「61歳」という維新の候補としては “鮮度” を失っていたりしたコトも有りましたので単純に維新の凋落とは言い切れない部分も有りますが、議会議員選挙の場合は話が別。 だって議員選挙の維新候補は党の看板を抱えていれば正直中身は誰でも良いので、党勢がダイレクトに反映されやすいモノ。 この選挙の直前に1人離党(この人も今回落選)し3議席となっていたものを4議席まで回復させるコトは出来ましたがコレはあくまで「現状維持」。 本拠地大阪においても、維新の看板だけで党勢を拡大できる時代は、終わりました。

 一方、参政党候補は「35歳女性」というキャラクターと神谷独裁者プラス東京の吉川りな氏が応援に入るという厚い支援のおかげで、4位当選。 女性候補が少ない和泉市なので、こうなるのも分かります。

(統一地方選後の参政党戦績)
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 箕面市に続く市議誕生。 衆院選では大阪(近畿ブロック)の比例票が党の行方を左右する参政党にとっては、これ以上ない結果といえるでしょう。

 そしてプロレス好きな私が中もしていたスペル・デルフィン候補は13位で当選。 投票率が約4ポイント下がる中で得票数を約18%落としましたが、無事に4選。 なんでも「今度は市長だ!」なんて声も挙がっているとかいないとか。 ・・・ま、まさかね。


◎熊本県・西原村議会議員選挙(定数10/13人)

 全員無所属で現職8人、元職1人、新人4人が立候補した女性候補1人の選挙は現職、元職、新人が1人ずつ落選し、女性候補は当選しました。

 選挙公報を見ていただければ、まず元職がぶっちぎりの最下位で落選した理由が見えてきますし、落選した新人も他の新人と比べて出来が良くありません。 とかく軽視されがちな選挙公報ですが「レイアウト」で候補者の能力が判断できたりするので、重要なのです。
 そして現職で落選した候補は、1期務めた人。 比較的小さな自治体の議員選挙では「2期目を目指す現職」というのが鬼門でありまして、有権者は1期目4年の働きぶりをチェックしており、お眼鏡にかなわないようなら容赦なく他候補と入れ替えます。 この人と当選した女性候補が2期目の挑戦で、明暗が分かれてしまいました。


◎沖縄県・宜野湾市長選挙

 前職が東京出張中に急逝したコトを受けて行われる選挙で、自民系の元職と市議を辞して立候補したオール沖縄系の新人、そして最近の宜野湾市選挙ではお馴染み、“反ワク系” の新人の三人で争う選挙は、元職、、、つまり佐喜真淳候補が返り咲きました。

 この結果にガッカリしている方がいましたら申し上げますが、そもそも通常は県知事選と同日に行われ、玉城デニー氏が圧勝した過去2回の宜野湾市長選においても自民系候補が勝つほどに強く、加えて今回は “弔い選挙” となっている点を見れば、この結果が出るのは仕方がない、というか当然といえるでしょう。
 だって、東京出張中に突然亡くなられた前職の弔い選挙で違う党派の候補が勝つというのは前職に結構な問題が無い限り考えられないから。 なのでオール沖縄支持の方はあまり落ち込まないで、次にキモチを切り替えるコトをオススメします。

 私が最も気になっていたコト。 それは玉城デニー知事が如何にこの選挙から “距離を置く” か、でした。 明らかに勝ち目のないこの選挙に深入りしすぎてダメージを負うのはマズいと思っていたからです。 告示日こそギター(正確にはBEGIN考案の「一五一会」)を持って歌ったりしていてイヤな予感がしましたが、

投票日に基地問題を直接訴えるためにアメリカに飛ぶコトでダメージを最小限に出来たかと思います。 かつて小池百合子都知事が希望の党が「排除します」発言をキッカケに支持率がダダ下がりした末に惨敗した際、投票日に海外出張に行っていたコトと同じように見えますが、それはそれで(汗)。

 とはいえネット右翼の皆様はこの結果に大歓喜しているようで。 まぁ彼らのバ〇騒ぎに反応しても仕方が無いのですが、ひとつだけ的を射ているコトがありまして。

 この選挙、結果は “基本的に” ゼロ打ちでした。 が、それを報じたのは沖縄では販売網を持っていない読売新聞。 当然ながら出口調査もやっていて沖縄テレビは19時50分から開票速報をYouTube配信していたにもかかわらず、地元メディアはゼロ打ちを出しませんでした。「6月の沖縄県議選で落選候補に当確を出したから」という声も有りますが、

それは共同通信の誤報をそのまま報じたからであり、今回ゼロ打ちを出さなかった理由にはなりません。 前述の構図、そして開票後の票差を見れば充分にゼロ打ちを出せるハズなのに出さなかったのは、ネット右翼の人たちが揶揄するように「県政への忖度」と見られても仕方ありません。 報道に公平性は必要ないと思っている私ですが、報じるべきなものを報じないのは別問題。 もし私の見立てが当たっているならば猛省していただきたい。

 そんなこんながあったこの選挙。 最も得をしたのは知事選落選後も街頭に立ち続け三度目の知事選出馬の意欲が見え隠れしていた佐喜真氏を「宜野湾市長」の枠に押し込むコトに成功した、自民党でしょう。 きっと “厄介払い” できたような心境ではないでしょうか。
 そして佐喜真氏も、結局は市長以上を託せる器では無かったというコトです。 基地問題については期待しませんが、せめて市民の健康にかかわるPFAS問題は解決に動いていただきたいと、願います。



以上です
当選された皆様の御活躍をお祈り申し上げます


「選挙結果振り返り」テーマ曲
ギターパンダ / 選挙に行ったけど



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