ディープラーニングネイティブ

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最近の記事

改造人間になった話

ICLという視力矯正手術を受けた改造人間になって1週間経った。突然あがった視力にも柔軟に対応する視覚システムには感心してしまう。ただ、20年来の習慣というものはなかなか抜けず、未だに朝は眼鏡を探して、遠くを見ようとすると眉間を突いて、目薬を差そうとすると指がこめかみの脇の虚空を捉えてしまう。 久しく視力が悪かったので小町先生のブログ記事などを読んでICL自体に興味自体はあったけれども、眼鏡でも生活に特段困っているわけではない、せいぜい温泉に入るときに不便なくらい、と思って何

    • ミジンコのための博士課程サバイバルガイド

      おかげさまで博士課程を無事に終えて博士(情報理工学)になりました。コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻と、いろいろ予期せぬことがあった3年間でしたが、そういったときにも支えてくださった皆さんには本当に感謝しています。 巷では博士課程は非常に辛いものだと思われているようですが、幸い自分は余り辛く感じずに済みました。将来記憶が修正されて「俺は辛い博士課程をくぐり抜けたから凄い、偉い!」などと言い出す前に記しておこうと思います。ただしこれは例によって所属先や運の要素も大きいので、

      • 訪問研究S 1週目

        マスク イタリアでは公共交通機関の利用時にはN95などのFFP2マスク着用が義務づけられています。特に研究所に向かうバスや高級列車では多くの人がしっかりとFFP2マスクをしている印象があります。それ以外の場所ではFFP2マスクの人は減って、さらに鈍行の古い車両や一部のバス車両は冷房がなく暑く息苦しいためマスクをする人自体が稀になります。またこの時期のイタリアは欧米中から観光客がやってくるのでルールを徹底させるのは難しそうです。 訪問先の研究所では室内ではマスク着用が義務づ

        • 訪問研究S 0週目

          7月8日から「若手研究者海外挑戦プログラム 」によってイタリアに派遣されています。以前の訪問はオミクロン株の爆発によって途中で帰国することになったのですが、この度プログラムの目的である「90日以上の訪問研究」を実現するために再び舞い戻ってきました。本渡航に際して尽力くださった皆様に再度お礼申し上げます。なお、プログラムの詳細などについては第1期の記事をご覧ください。 前回の渡航から半年強、ヨーロッパの変化は凄まじく、あれだけ大騒ぎして整備したワクチン接種・陰性証明も、入境時

          2021年度に買って良かったもの

          結構こういう記事にはお世話になってきたので、2021年度に購入して良かったものをまとめてみます。 スクリーンバーディスプレイの上に取り付けるライトで、この類いの記事ではよく薦められているのではないでしょうか。とはいえ机上ライトがあるし、と思っていたのですが、ある日机の上が整理できそうだと考えて、他の買い物のついでにポチッと購入しました。 EIZOのEV2785に取り付けていますが、ぴったりです。机上のライトを取り外した分机は広くなり、これまでディスプレイの陰が机上での作業時

          2021年度に買って良かったもの

          訪問研究11週目

          11週目です。イタリアでの新規感染者数が今年最多になっており、当初予定していたようなクリスマス後の帰国では大変なことになりそうなので、JSPSに連絡の上、帰国しました。 以下の内容はあくまでも12月第3週現在での私自身の遭遇した情報です。 現在、日本入国にに際してはPCR検査による陰性証明などが必要です。例によって縦割り行政なので、官庁のウェブページではなく日系航空会社のウェブページを見ないと結局何が必要なのかが分からないです。PCR検査は出国72時間前までに受ければいい

          研究訪問10週目

          10週目です。街はクリスマスに向けて装飾に余念がありません。日本では商業施設と一部の住宅に電飾が施されているだけかと思うのですが、さすがに本場なので道々には電飾がぶら下がっています。イタリアは電気代が高いため街灯なども少なめで暗い道も多かったのですが、電飾のおかげで明るくなって助かっています。街の中心部の広場にはどこから持ってきたのか、大きなクリスマスツリーが鎮座しています。 さて、ずっと「イタリアの鉄道はそんなに遅れない」という話を書いてきたのですが、時間帯によっては結構

          研究訪問9週目

          9週目です。CVPRの提出も博論の提出も終わったので、研究室に来る人も少し減った気がします。 さて、俗に世界三大珍味というとキャビア、フォアグラ、トリュフが一般的です。そのうちトリュフは香りの良いキノコで、フランスやイタリアで生産されています。ピエモンテのトリノに行った際にはcarne crudaという牛の生肉のユッケのようなものに、トリュフのスライスをかけて食べました。一般にトリュフは黒いキノコなのですが、イタリアでは白トリュフも採れるようです。白トリュフは毎年秋が旬で、

          研究訪問8週目

          8週目、いよいよ残り1ヶ月となりました。 日本の午後開始の会議に出ると大体4時半起きになりその後研究室に行くので、必要な睡眠時間はアインシュタイン並の私にはつらいです。今週は週3でそんな感じだったので土日にたくさん寝ました。あまりネタが無いので今回は交通機関について書きます。 イタリアの鉄道やバスは(観測範囲では)改札はなく自由に列車に乗り込んで、検札で切符購入の確認を受ける仕組みになっています。列車内での検札は基本的にはInterCity以上の上級列車でしか行われていな

          研究訪問7週目

          7週目です。CVPRの締め切り間近ということで誰も構ってくれないのでフランスの友人のところに行ってきました。 フランスには陸路で海岸沿いに、ニースに向かいました。国境沿いのVentimigliaという駅でフランス国鉄の列車に乗り換えます。乗り換え後に特に理由もなく列車に1時間以上閉じ込められた挙げ句出発駅のVentimigliaまで戻されて、バスで振り替え輸送をする旨を伝えられたのですが、このバスも一向に来ません。一緒に待っていたイギリス人に「彼らは嘘つきなのでバスは来ない

          研究訪問6週目

          6週目です。ちょうど半分、といったところでしょうか。PIやポスドクがCVPRの締め切り前で忙しく、ミーティングもなくなってしまったのでフランスに旅行に来ています。 滞在許可証の発行手続きこちらでは外国人なので、90日を超える滞在をする場合には移民局からの滞在許可が必要です。以前郵便局から書類を送った話は以前に書きました。郵便局に行った際にタイプライターで打ち出されたような書類をもらい、その指示に従い移民局に行きます。具体的には顔写真を4枚、住所を証明する物、郵便局で貰ったレ

          研究訪問5週目

          5週目です。今週はサマータイムが終わって時間がずれたので、予めカレンダーに入れていた夏時間の予定がずれてしまって大変でした。 天気と気温イタリアは10月11月頃が雨季らしく、しとしとと雨が降っていることが多いです。あまりサーベイをせず、スニーカーで来てしまったので雨が強い日は休みにしています。 ただ、雨が一日中降っていることは基本的にはなく、適当に晴れてくれるので澄んだ空気のなかで散歩できるのが良いです。各所のあまり管理がされていない石畳は雨の後は足下をしっかり見ていない

          研究訪問4週目

          早いもので渡航して1ヶ月が経ちます。寝る前に白水社のテキストを眺めているだけではイタリア語は話せないのですが、スーパーなどでも英語がぼちぼち通じてなんとかなっています。 食堂イタリアの食事は美味しい、イタリア人もこのことを誇りにしているようなのですが、研究所の食堂はお世辞にも美味しいとはいえるものではありません。(イタリア料理のコースの)主菜1と主菜2、果物類、ピザなどから組み合わせるわけですが、主菜を両方とるとさすがに多く、主菜のどちらかを選んでいます。値段もけっして安く

          研究訪問3週目

          早いもので3週目です。段々目新しさがなくなって、飽きてきました。 研究室今週はCVPR(コンピュータビジョンの最難関国際会議)の原稿の研究室内締め切りがあったため、研究室には余り人が来ておらず寂しかったです。皆ようやく気兼ねなくオフィスに行ける、とはしゃいでいたものの、皆通勤に1時間ほどかけているので、自宅から作業することで2時間余分に執筆に専念できる、とのことでした。 コーヒーイタリア人はよくエスプレッソコーヒーを飲みます。コーヒーを提供しているバーは朝早くから夜までや

          研究訪問2週目

          渡航して2週間たちました。段々新しいネタも減ってきます。 グリーンパス何度か書いているようにイタリアにはグリーンパス、ワクチン接種証明または陰性証明、があります。陰性証明は薬局での抗原検査で得られるためか、薬局の前には毎朝行列ができています(未確認)。飲食店の店内での飲食する際には提示を求められ、高級の長距離鉄道に乗ると検札の際に確認されます。また、博物館や美術館、観光向けの教会などの入場にも必要です。グリーンパスにはQRコードがあり、スマートフォンのアプリで有効性の確認が

          研究訪問1週目

          早いもので渡航して1週間がたちました。 ワクチンパスポートEU内ではグリーンパス、ワクチン接種証明や陰性証明、がないと飲食店や博物館、美術館に入れません。そこら辺の小さなピザ屋でもグリーンパスがないとテイクアウトしかできません。飲食店に関しては実は屋内で食べられないだけだったのですが、知らずに1週間ほどずっとテイクアウトと炭酸水で我慢するという昔の芸術家の留学みたいなことをしていました。1週間ほどでこちらの保健当局が日本でのワクチン接種証明をEUのグリーンパスに変換してくれ