訪問研究11週目

11週目です。イタリアでの新規感染者数が今年最多になっており、当初予定していたようなクリスマス後の帰国では大変なことになりそうなので、JSPSに連絡の上、帰国しました。

以下の内容はあくまでも12月第3週現在での私自身の遭遇した情報です。

現在、日本入国にに際してはPCR検査による陰性証明などが必要です。例によって縦割り行政なので、官庁のウェブページではなく日系航空会社のウェブページを見ないと結局何が必要なのかが分からないです。PCR検査は出国72時間前までに受ければいいので時間的には余裕があります。イタリア入国時には入国72時間前までに検査を受ける必要があったのとは大違いです。厚労省の認めている検体、検査手法は限られており、厚労省の配布している検査証明フォーマットを使用することが推奨されています。検査の予約時に検体、検査手法を確認し、検査前には厚労省フォーマットを示して再確認すると搭乗拒否のような失敗がないかと思います。私の場合は滞在先研究室の秘書さんに頼んで必要な検査のできる施設を探してもらい、結果、鼻咽頭拭い液をRT-PCR法で検査してもらいました。検査結果は一端保健当局に送られるようで、検査後3時間ほどの11時過ぎに保健当局から結果通知がありました。この保健当局からの通知から陰性証明によるグリーンパスを取得することもできるようです。1時頃に再び検査会場に赴き、厚労省フォーマットを埋めてもらいました。

ミラノのマルペンサ空港空港でのチェックイン時に航空会社から陰性証明所の確認を受けましたが、この際、航空会社も厚労省フォーマットかどうかをまず確認しているようだったので、フォーマットに従う方が。乗り換えのフランクフルト空港で飲んだコーヒーは高価なのにひどく不味くて驚きました。日本までの便は座席ブロックを占有できたので、気を遣わずに済んだ反面、周りの人のように隣席の人と苦労話ができませんでした。

羽田空港に到着し、航空機から降りるとひたすら歩いて係の人が待ち受けるブースを回っていきます。広い空港内を手荷物を持ったまま歩くことになるので、早めにカートを入手できると楽かもしれません。私の搭乗した便は到着時間が適当で、また私が事前に用意できる書類の記載、アプリの導入などを済ませていたため手続きの待ち時間はほぼありませんでした。最も時間のかかったのが抗原検査のための唾液採取でした。唾液採取ブースの壁にはレモンの写真が貼ってあって、優しさを感じることができます。実装自体は大学での職域接種を大きくしたような感じで、ブースで手書きの紙を受け取っては次の窓口で渡し、を繰り返していく本邦伝統のスタイルです。係の人たちはiPadやパソコンを装備しているものの電子化が中途半端で、結局拠点間の連絡はFAXというのも日本に帰ってきた感じがあって感慨深いです(ただFAXは日本固有の文化ではなくイタリアでも利用されていました)。抗原検査の結果が出るまで搭乗ゲート付近に待機し、結果が出るとホテルに移送組、自宅待機組などのグループに分けられ、預け荷物の受け取り、税関の手続きを経ます。ここまでで所要時間は3時間ほどでした。途中でトイレは自由に行けましたが、混んでいる場合は難しいかもしれません。羽田空港の場合は降機後手続き前と検査待ちの搭乗ゲートの少なくとも2カ所は利用可能でした。

現在、羽田空港管内ではホテルに移送される人が多いらしく、私も都内のビジネスホテルのベッドと机、ユニットバスがある小さな部屋に割り当てられました。旅行後の荷物が多い状態には結構厳しい小さめの部屋で、大きなスーツケースでは広げることも難しそうです。設備としては冷蔵庫と湯沸かし器、テレビ、Wifiがあります。食事は冷たい仕出し弁当と紙パックのおーいお茶で、新入りの来る夕食だけ少し豪華になります。弁当は袋に入った状態でドアノブに吊されていて、館内放送を合図に取りに行きます。弁当は食品アレルギーが考慮され、また、ベジタリアンとハラール対応のものが別途用意されているようです。帰国するまで完全に忘れて怯えていましたが、日本では水道水が飲めるので、飲料で困ることはありません。湯沸かし器があるので、予め用意して置いた日本茶を飲んだり、インスタント麺やスープを食べたりして過ごしています。

ホテルでの待機は軽症患者のホテル療養がベースになっているようで、入国者健康居所確認アプリ(MySOS)による所在確認、健康状態報告とは別に、ホテル療養用のチャットシステムでも別途健康報告を行う必要があります。同様に、所轄の違いに依るのであろう同じような機能の複数のブースや、同じような内容の複数の配布書類などがあるので、上位の人たちにはそのあたりの調整をしっかりして欲しいです。現場の係の人たちは皆親切で、お土産を配りたくなりました。今のところ温かいご飯が食べたい以外の不満もなく元気に過ごせています。


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