デザイナーの価値について
どうも、旗振りデザイナーのしのこです。
デザイナー歴13年目。
ひよっことベテランの中間世代ですが、
細々とフリーランスとして働いています。
実は先日、デザインカンファレンスイベントの
トーキョークリエイティブコレクションに
一般参加してきました。
共創をテーマにした多くのカンファレンスに
感銘や刺激を受けながらも、
実はこんな感想を呟いていました。
今日はそんなお話。
「X」でも呟いておりますので
もしよかったら覗いてみてくださいね。
コミュニケーションデザイナーって?
このカンファレンスで多く耳にしたのが
この「コミュニケーションデザイナー」。
界隈で聞いていたこの職業ですが、
改めて知りたい!と感じnoteを漁ってみました。
しっくりきたnoteはこちら2点。
コミュニケーションデザイナーとは、表層だけでなく
目的に寄り添ったクリエイティブを自身で提案、制作できること。
果てはビジネスを活性化させるためのプランから立案し、
プロトタイプデザインをも提案できる人物であること。
またおそらく、こういったプロダクト立案以外の
プロジェクト内の定例的な運用デザイン等もこなしつつ、
スケジュールや品質管理も行っている。
そんなことを行っているデザイナーのように感じました。
そして両noteともに書かれていたのが
「作業範囲が多岐にわたること」
「目的達成のためには手段を選ばない」ということ。
つまりデザインの品質のみだけで判断するのではなく、
目的への明確な理解・解決するためのアイデア考案・
提案するために制作するモックアップの作成(場合によってはライティング、商品設計等も含む)など、ただただデザインという表面的なものを制作するだけでは、デザイナー業は厳しくなってきたとも言えます。
その上、上記のようなことを行うためには、
より社内での情報共有が必須になります。
たとえば、わたしが昔先輩から教えられたのは
「喫煙所に行って課長・部長と話をすること」でした。
わたし自身喫煙者ではありませんでしたが、
言われたことをそのまま実行し、喫煙所に通いました。
(今はあまり使えない手法かもしれませんが…)
そこでは「今後会社として、まだ表には出ていないが
こんな動きを検討している」といった、
ちょっとした裏話を聞くことができました。
そんなことを思い出し、ふと懸念として感じたのは
今後コミュニケーションデザイナーとして社内で動く場合、
「社として向かいたい方針」と
「実際のリソース・予算・他部署との兼ね合いの事情」を
知っておかなければいけないんじゃないか?
そしてそれを知るためには、昔でいう喫煙所、のような
クローズドな情報、もしくは様々な部署に顔を出し、
情報収集していくこともマストとなっていくのでは?と感じたのです。
本来必要な、デザイナーが求められる要件
と、ここまで書き連ねてきて改めて
「昨今のデザイナー、マジで大変だな」と痛感しました。
モノを買う時代から
サービス・体験を買う時代にシフトチェンジしたことで
より「良質な体験を制作する」企業は多く増えました。
今までのデザイナーは
「自身の発想力・想像力を用いて、
クライアントの指示をディレクターから仰ぎ、
デザイン制作に注力していく人材」
であったところから、
「ユーザー体験を最重要視し、ペルソナを明確にし、
社内プロダクトの方向性も理解しながら新規立案を行うため、
ビジュアル化して企画会議で提案、却下もあり」
という存在まで、デザイナーに対する需要の加速度が
かなり上がってきているように感じました。
ゆえに、
レベルアップを短期間で強いられているんじゃないか。
14年ほどデザイン業界で生きてきたわたしにとっては、
今後、デザイナー業はまた大きく変わっていく。
デザイナーの在り方や存在意義も変わっていくのだと、
痛感させられた側面もありました。
本来(というと少し語弊もありますが)、
デザイナーは「制作物に対して目的に寄り添ったビジュアルによる解決法を用いて制作を行い、クオリティ担保を行う人物」でした。
デザイナーの能力に期待が高まっているがゆえ、
求められる要件も多くなったのはポジティブに捉えられますが、
デザイナーの土台でもある「制作物に対する表現力」は
期待される能力の中で、どの程度の優先度を有しているでしょうか?
わたしは、ここだけは一番であってほしいと願っています。
デザインが好きでデザイナーになった子たちは、
一番にその部分に対して、情熱を持っていてほしいのです。
施策成功のための立案は大切です。
わたしもデザイン業務以外のビジネスプラン立案や、
ライティング、自社の新規商品設計、
SNS企画のプロダクトマネージャー兼デザイナーなど、
様々な提案をしてきました。
商品を使用してくれているお客さまの元に
直接赴き、ユーザーインタビューを行うなど、
当時これはデザイナーの仕事じゃないなと思いながらも、
行っていたこともありました。
そして、その一見「仕事じゃない」
と思えるような業務も、デザインに還元してきました。
ただ還元を行うにしても、
「基礎的な表現力」がすべてです。
いくら提案書では素敵なコトバを書き連ねていても、
「デザイナー」を背負っている以上、
その提案書は見やすく、わかりやすく、
伝わりやすいものであることは「最低条件」なのです。
そのクオリティがあると胸を張って言えるのか。
少なくとも、研鑽を積み重ねられているのか。
伝えられた意図を正しく理解し、
フィードバックをデザインに反映できているのか。
そんな点を、今一度振り返る機会があっても
いいのかもしれません。
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