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コミュニケーションデザイナーとは。誰もしなかった言語化をしてみる

SNSや採用プラットフォームで「コミュニケーションデザイナー」「コミュニケーションデザイン」と表現してるのをよく見かける。

しかしその実、実際はマーケティングクリエイティブでしか無いという事例も見受けられる。もはやトレンドワード。

そこでコミュニケーションデザイナーとして3年ほど勤め、悩み、評価いただき過去昇給までした(!)僕がこのnoteで明らかにしようと思う。

コミュニケーションデザインを行うコミュニケーションデザイナーとは、どういう仕事をする人のことなのか?

ただ、これも個人の見解に過ぎないのでどう料理するかはご覧になってる皆さんの手にかかってる🍳

コミュニケーションデザイナーとは

まず、バナーやLPだけをマーケティング担当者と連携して作ることではない。
また大手広告代理店でコミュニケーションデザインセンターという組織があったが、それとも現在違うように感じる。
後で書くつもりだけど、コミュニケーションデザイナーは組織が作り上げるポジションだと行っても過言ではない。

話を戻そう🔃
僕的には以下のようなことをする人だ。(もはやデザイナーに限ったことではないと思う

「情報の交通(伝える⇔認知・行動)」が発生するポイントにおいて、ブランドの理解を前提に、ドメイン知識と自身のプロフェッショナル領域の観点を持って意思決定・具体物のアウトプット・方向性の策定やそれらを助ける仕組みづくりを行う人のこと

ざっくりとした「コミュニケーションデザイナー」の定義
アクションし続けるサイクル

ここで言う「デザイン」の種類について一応書いておく。

「表層」のデザイン

見た目。UI、グラフィック、Web、それこそ、バナーやLPでもそう。ただ、これらをどういう目線と脳をもち、どれだけの行動をジェネラリスト的にするかどうかで大きく違う、という話だと思う。

「仕組み」のデザイン

見た目や印象が作られる企画や事象は、自分が居ない場でも、社内でも、社外でも起こる。バックボーンがデザイナーならば自分でアウトプットすればいいが、それでは身が持たない。
そこで、仕組みを作る。上図のように、ブランドやドメイン知識を持ってコラボレーションしていく。

「思考や指針」のデザイン

👆の「仕組み」と近い。
仕組みを作っただけでは残念ながら対処療法となる場合がある。
どうやったらブランドを基軸にメンバーが動くか?それを、プロフェッショナル領域の観点を持ってナーチャリングしていく。(インナーブランディングに近いかも)


デザインとはなんたるや、みたいな話があるが、それは優しく語ってもらえるとありがたい。

コミュニケーションデザイナー(僕)の業務の考え方の一例

僕が具体的にどうしてるのか書いておく📝
前項の「コミュニケーションデザイナーとは?」の詳細版かもしれない。

いる組織によって課題が様々なので、常に変わると思うけどだいたいこんな感じである。(記事にするため、いわゆる「延長線上」もすこーし書いてる)

クリエイティブの「コミュニケーション」とは?

ブランドをコアにして、それぞれの距離感に立っている対象に向け「興味→行動→好感」の循環を作り、ファンを増やすためにアプローチすること

メッセージ、ひいてはクリエイティブを考える最も根っこの材料として「ブランド(人格・思想)」をベースにするよ、という考え。

「ブランド(人格・思想)」をベースにした様々なアプローチにアクションする

それをもって、更にあくまで一例だが対象が「ユーザー」になるまで、製品や企業との距離の間にある様々な機会において、手段を使ってアプローチする。

👆のように、ここで言う「コミュニケーション」はマジで途方も無い道である…いろんな手段を使って距離を縮めていく。その実行人であり、大なり小なり協力者を作るためにあれこれしなくてはいけない。

コミュニケーションデザイナーを採用するには・コミュニケーションデザイナーがワークするには

組織においてのコミュニケーションデザイナーは組織自体によって作られる。

例えば「コミュニケーションデザイナー」の採用をスタートして、仮に上手く入社したとしても、以下の要素で結構大きく職務内容が偏ってしまう可能性がある。

  • 現場の周りの期待値が、組織が求めるコミュニケーションデザイナー像と擦り合ってるか

  • 裁量に対して他のデザイナーリソースが十分かどうか

Webデザインよろしく、バナー制作よろしく、という依頼ばかりがスタックすると結局は👆で説明したようなサイクルを実現することが出来ない。

デザイナー本人が、ポジションを自身で切り拓いていかなくてはいけないのはもちろんだが、周りの認識も大きく関わってくることは事実だ。

経験談としては、上手くいってないとバックボーンとして得意だった職務に戻ってしまう。

コミュニケーションデザイナーは大変だ

この考えに基づくと、LPや名刺だけ作ってどうや!とするだけがコミュニケーションデザイナーではないということになる(気がする

コミュニケーションデザイナーを成立させるのも、やるのも大変なんだよ、一緒に頑張っていい道を探していこう、というのが僕の言いたいことだ☕

雑な整理かもしれないが、共感・参考・ピッタリ!など何かしらのインスピレーションになったら嬉しい。

最後に、タイトルは若干釣り意識なので許してほしい🐟

ただ、これも個人の見解に過ぎないのでどう料理するかはご覧になってる皆さんの手にかかってる🍳

注意事項

番外編)参考にしたドキュメント

試行錯誤の参考にさせていただいたメディアを紹介する。書き溜めてたので、内容は少々古いかも知れない。あくまでここでの参考にとどめていただきたい。

書籍「デザイン組織の作り方」

コミュニケーションデザイナーは、 企業のパーソナリティの本質を抽出してビジュアルコミュニケーションに取り入れる。
デジタルとアナログ両方のメディアのデザインに通じていなければならない。
コミュニケーションデザイナーはたいてい、ビジュアルアートやグラフィックデザインといった従来の領域の 基礎知識を持っている。
コミュニケーションデザイナーは誰もが同じではない。
レイアウト、 色、構図、タイポグラフィ、 画像の使用といった重要な要素への基礎的な理解は同じでも、その活用方法はまったく異なる場合がある。
分析重視のデザイナーは情報デザインを好む傾向にある。
彼らは明確さと理解に重きを置いて、グラフィックデザインを使ってコンセプトとプロセスを伝える。
遊び心があってスタイリッシュな人は、企業のパーソナリティを感情に訴えるやり方で伝えるビジュアルデザインやブランドデザインに関心を持っている。
「構造」と「外観」も関係する。
「構造」重視のコミュニケーションデザイナーはブランド基準やガイドラインなどのシステムを作り、たとえば公共交通機関システムのために地図、 看板、パンフレット、その他の資料を作るといったように、複雑なサービスのプレゼンスを1つにまとめる。
「外観」 の作業に取り組むデザイナーはタイポグラフィ、画像、文字と図の相互作用、 そしてそれらのすべてがブランドにふさわしいストーリーをどう語るかにこだわる。
「戦略」 を評価するコミュニケーションデザイナーはブランドの特徴を定め、 会社全体のためのビジョンを確立することにスキルのすべてを注ぐ。
職種名として見ても、この名称ならソフトウェアデザインの分野にありがちな問題も起こらない。
たとえば「マーケティングデザイナー」はきわめて一般的な呼び名だが、サービスという考え方が一般となった現実を考えると意味がかなり限定される。
「コミュニケーションデザイナー」なら、その仕事はコミュニケーションという行為にフォーカスしているものの、特定のビジネスの文脈に限定されているわけではないことがわかる。
ほとんどのコミュニケーションはマーケティングに役立つものだが、販促物、ダイレクトメール、 パッケージ、 eメールによる通知、看板、 ウェイファインディングといった、 製品/サービス周りのコミュニケーションも含まれる。コミュニケーションデザイナーはプロダクトデザイナーと協力し、エンドツーエンドの顧客体験の一貫性を確保しなければならない。

THE INSTITUTE OF COMMUNICATION DESIGN

コミュニケーションデザインとは、情報のやり取りや対人コミュニケーションのような 情動を含んだ広義の交通と、計画性にもとづく合理的な設計という2つの意味の複合語で、(1)情報通信の効率性をあげるための設計理念や実践という意味と、(2)人間のあいだの適切な対人コミュニケーションの具体的な設計および実践などのことをさす
https://navymule9.sakura.ne.jp/iCD06.html

donguri社

コミュニケーションデザインとは、事業におけるブランド、マーケティング領域における状況を整理しながら、ユーザーへのベストなデリバリー戦略を組み立てつつ、タッチポイントとなるグラフィック・Web・映像・立体物などを組み合わせながらコミュニケーションのとり方を設計し、各媒体におけるデザイン定着までを実現することです。
https://www.don-guri.com/capability/communicationdesign/

コミュニケーションデザイナー(英:Communication Designer)とは、企業と顧客との間に最良なコミュニケーションの場を設計する専門家のこと。企業・商品・サービスの想いや意図を正確に汲み取り、UI・ビジュアルデザインをもって正しく伝わるよう、要件抽出から情報設計、表現までを担う。適切な相手に想いを伝えることを目指す。
https://www.don-guri.com/specialists/communication-designer/

jeki

ターゲットと企業の重要な接点=「マーケティング・コミュニケーションの場」と考えます。そのうえで、そうした接点をどう効果的に活用し、いかにブランドとの心理的あるいは物理的距離を縮め、親密な関係性を構築できうるのかを、常にニュートラルな視点からデザインしていきます。
https://www.jeki.co.jp/field/communication/index.html

あしたのデザイン

つまり、私はあしたのチームとみなさんを繋ぐハブにならねばいけません。
あしたのチームのファンを増やし、理解してもらうためにデザインの力で何ができるのかを考えることがコミュニケーションデザイナーというわけですね。
https://note.com/at_design/n/nd56b91cb2189

HONDA

将来に向けたHondaのブランド研究や、Honda Designのプレゼンス向上のため社内外へ向けたマルチメディア訴求やイベント企画を行います。https://www.honda.co.jp/design/internshipguide/jobcategory/communication/

ジャストシステム

ジャストシステムのコミュニケーションデザインの仕事は、顧客にサービスの魅力や価値が伝わる仕組みをつくること。
あるときはWebプロデューサーやデザインエンジニアとして、またあるときは編集ディレクターとして担当する自社サービスを成長させるために、未来のお客様へ伝わる仕組みを設計します。
実施したプロモーション施策は、自分で結果や数字を分析し、さらなる改善へつなげていきます。
業務を遂行する上では、マーケティング担当、エンジニアやUXデザイン担当とチームを組み、売上や集客アップにつながるクリエイティブとは何かを熟考し、ライティングやデザインの品質精度を高めていきます。
https://www.justsystems.com/jp/employ/career/web.html

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