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【読書記録】ECを始めるなら別会社をつくりなさい

ポイント

  • ECは「ついで」でなく別会社をつくるような覚悟を持って取り組む。

  • ECも実店舗も理屈は同じ。広告、集客を考え、人件費も含めて運営をする。

  • ECサイトはマーケティングに活かせ、他部署にも影響を与える。

本のこと

  • ECを始めるなら別会社をつくりなさい

  • 岩井淳行

メモ

日本のEC化率はまだ7%

2019年、BtoCのECの市場規模は約 20 兆円。
2012年が9兆5130億円で、7年で倍増している。
これは「衣類・服装雑貨等」「食品、飲料、酒類」「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」などの物販系分野、英会話や旅行などのサービス系分野、音楽・書籍・映画・ゲームなどのコンテンツのデジタル系分野を合わせた金額。
これでも日本の物販系分野におけるEC化率は、まだ6.76%でしかない。
※EC化率とは、すべての商取引金額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の割合を示したもの。
残りの93.24%の取引は現地での取引、または旧来型の通販ということになる。

価格で比較されるのを避ける

こだわりを持ってつくった商品は、それに見合った見せ方、アピールの仕方をすべき。
それでこそ、お客さんにも愛着を持ってもらえるというもの。
付加価値には機能性やその商品が生まれたストーリーなど、さまざまな要素があるが、それらをひっくるめて良いと感じてもらうことができれば、値段はあまり関係なくなるもの。
要は、高くても買ってくれる。
逆に言えば、それがない限り、いつまでも価格競争に晒される。

ECサイトの4タイプ

自社ECサイトを構築するには大きく分けて、以下の4タイプがある。
「フルスクラッチ型」
「パッケージ型」
「オープンソース(無償パッケージ)型」
「ASP(SaaS)型」

マーケティングに活かす

ECサイトで売上が増えていくと、自分たちの商品はどういう人に支持されるのか、どういう言葉が効くのかなど、実店舗のマーケティングにも活かせるデータが集まってくる。
たとえECサイトで最初から爆発的に売れなくても、商品の企画や販売戦略などにも充分に生かせるネタが落ちてくる。
ECサイトをつくって売上のデータだけを見て一喜一憂するのでは、ECサイトの本当の長所が生かせない。
直販できるだけでなく、マーケティングに活かせるデータが得られることもECサイトの大きな利点。

事業計画の重要性

ECを始めるなら、ECサイトの運営を一つの事業として認識することが必要で、事業計画は必要不可欠になる。
事業計画がないと、どんな仮説のもとにどんな施策を打ち、その結果がどうだったかの検証ができない。
打ち出した施策の成否が判断できなければ、次の仮説も立てにくくなる。
結果、行き当たりばったりの行動を繰り返すことになってしまう。
ECの成長段階に沿った事業計画を立案することが必要で、それを可視化することによってブレない目標となる。

フェーズ

本書では、
月商で0~300万円未満の段階をフェーズA
300~1000万円未満の段階をフェーズB
1000万円以上をフェーズCとしている。

自ら集客する

モールに出店するのではなく、最初から自社ECサイトで頑張っていこうという会社の場合は、モールのように勝手に人が集まってくるわけではなく、自ら集客をする必要がある。
最初の集客方法として、まずは広告を考える。
ネット広告、リスティング広告(検索エンジンの検索結果に、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告)やPR記事を書いてネットで配信したりというように、実店舗やブランド立ち上げのときにおこなう広告戦略と同じように考える。

ECサイトでの差別化

RODY(ロディ)という幼児向けの玩具を販売する株式会社JAMMY(ジャミー)の例。
RODYはモールや販売店、ネットショップなどで売っている。
そのため、JAMMYのECサイトでは差別化する意味で配送時の箱をオリジナルデザインにしたり、ギフト用の梱包を工夫するなどしていた。
それをさらに発展させて「Rody nino nino」という新ブランドをつくり、モールでは買うことのできない商品をECサイトでのみ売る戦略を取った。

ベンチマーク

ページをつくるときには、ベンチマークするサイトを持つ。
一見するとまったく関係のない言葉で検索していることがあり、そういうところまで対応しているサイトなのかどうかを見る。
関連していない文言を選びながらコンテンツをつくることもある。
競合サイトと似たようなコンテンツをつくっても分散してしまうので、競合しないワードや内容であり、かつなるべく即効性がある文章でコンテンツをつくるように考えていく。

感想

勤める会社がECを始めるにあたり、その担当者に選ばれたため、最近は関連する書籍を読み漁っています。
この本を読んで学んだのは、ECは「ついで」ではなく、別会社を作るくらいの覚悟を持って進めるべきということ。
ECサイトとはいえ、実店舗を開発、運営するのと理屈は同じ。
開発費や人件費もかかる。
それを忘れず、事業計画をしっかり持ち、事業として取り組むことが大切。


ありがとうございます。
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