感想
隠れ家でひっそりと暮らし、悲しく辛いことが身の回りで起きていても、ささやかな幸せや楽しみを見つける心の持ちように感動しました。
自分の生活はどれほど恵まれているだろう。
どんな環境にあっても、自分の好きなことや、価値観を失わずにいられるだろうか?
好きなものを好きだと言い、嫌なことを嫌だと言えるだろうか?
そんなことを考えました。
戦争によって世の中が混乱していく様が、アンネの視点から描かれています。
約600Pほどある本ですし、内容も辛い気持ちになる部分もあります。
それでも読み通せたのは、アンネの文章が、希望や絶望、期待、細やかな日々の楽しみなどを、鮮明に表しているからだと思いました。
アンネの元々の才能と、置かれた環境が、このとてつもなく人の心を打つ文章になって現れているのかなと考えていました。
「わたしの望みは、死んでからも生き続けること」と、作中でアンネは書き残しています。
約80年も経ったいま、私がこうしてアンネの日記を読んで、心を打たれているというのも、アンネが生き続けている、と言えるのかなと思いました。
人と人が争うのは、「自分とは違うから」と言えるのかもしれません。
違いを認めて、尊重し合えるようにはなれないのか?
そんなことを、この本を読んで考えました。
こどもにも、大きくなったら読んでほしい。