線上のキンクロハジロ 第十七話
登美彦はハバタキのスタジオ内を案内すべく、藤岡少年をカフェから連れ出した。寝袋から這い出てきた響谷が春斗を見かけるなり、やけにフランクにべらべらと話しかけた。
「なに? 君、中学生? えっ、なに? 高校生なの。ふーん、童顔だねえ。えっ、見学?アニメーター志望なの? えっ、話を考える方? そうか、じゃあ脚本志望なの? 大体そんな感じ? ふーん、じゃあせっかくだからいろいろ教えてあげるよ。あ、ぼく、響谷っていうの。作画監督っていってね、平たく言えば、絵の責任者かな。そうそう、