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少年コピーキャット 第十一話

 沙梨先生の自宅へ通っていた頃は、ただその建物を見上げ、素通りしていただけの文藝ビルであったが、今日は正式な用事があってここに来た。
 一昨日、見知らぬ番号から電話がかかってきた。
 ふだん自分の携帯が鳴ることなど滅多にない。電話をかけてくるとしたら沙梨先生か、暇を持て余した倫也だけ。だが、ほんの数日前に沙梨先生とは没交渉になったばかりだ。案外に強情なところのある先生が前言を翻し、国交を復活させるなど有り得そうもない。
 10コール以上も鳴り続けたので、なにか重要な要件であるのかもしれない。
 学校関連の業務連絡か、あるいは以前関わった異才発掘プロジェクトに関係する案件であろうか。切れる様子もなく鳴り続けたので、恐る恐る電話を受けた。
「文藝心中社の篠原と申します」
「は?」
 一瞬、自分の耳を疑った。
「弊社主催の新人文学賞にご応募頂いた件で、ご連絡差し上げた次第です」
「ああ、はい」
 半年ほど前、文藝心中社の短編新人賞に応募した。
 小説誌『文藝海』を立ち読みし、途中経過をちらっと確認したところ、最終選考に残ったようだが、結局は受賞には至らず、特に何の連絡もなくそれっきりだった。
 そもそもなぜ応募しようとしたんだっけか。覚えているのは応募枚数だけで、四百字詰め原稿用紙換算で七十枚から百五十枚だった。百枚ぐらいなら楽勝とか思って、腕試しがてらに書き上げて、送りつけたんだったっけ。
「近日中にいちどお目にかかれればと存じますが、ご都合いかがでしょうか」
 べつに、いつでも暇ではあるが、勿体付けて翌日の午後を指定した。
「弊社の場所はお分かりになりますか」
「ええ、なんとなく」
 なんとなく、どころではない。ばっちり分かる。
「それでは当日、弊社ビルまでお越しください。受付カウンターで篠原と約束がある、と仰っていただければ、係りの者がご案内いたします」
 沙梨先生に絶縁宣言された意味もよく分からなければ、文藝心中社から連絡が来る意味もさっぱり理解できなかった。
「篠原さんとお会いする約束をしております、藤岡春斗と申します」
 文藝ビルの正面口脇にある受付カウンターで、そう言った。出版社を訪れるのにどんな格好をすればいいのかよく分からなかったが、とりあえず無地の襟付きシャツと長ズボンにした。高校の制服で行く方がかえって悪目立ちしそうだから、無難な格好にした。
 へどもどするぼくを見かねたのか、三人いる受付のお姉さんの一人が微笑んだ。
「篠原ですね。それではご案内いたします」
 制服姿のお姉さんに案内されたのは、受付カウンターの反対側に位置する喫茶室のような場所であった。作家との打ち合わせに利用されるサロンであるという。
 円形のテーブルを囲むように、座り心地の良さそうな長椅子が四方に置かれている。それを一つの島と見立てると、六つか七つぐらいの島がサロン内にほぼ等間隔で点在していた。
 言うなれば、高級ホテルのラウンジみたいな感じ。
 違うのは、ピアノの生演奏や環境音楽が流れておらず、まるっきりの無音だということ。甲子園球場が高校球児にとっての聖地であるように、文藝心中社のサロンは作家にとっての聖地である、とどこかで聞いたことがある。そう言われてみれば、たしかに重厚な雰囲気が漂っているような気がしないでもない。
 其処此処に、昭和の文士の香りが漂っている気がした。
 窓際の奥まったところで、編集者らしき人物と作家らしき老人が打ち合わせをしていた。その他には誰もいない。案内係のお姉さんが、打ち合わせ中の島から二つ離れた場所に案内してくれた。対面にも横にも誰にいない場所に一人でぽつねんと座っているのは、どうにも居心地が悪い。
「コーヒーか紅茶、冷たいお茶、なにがよろしいですか」
 無難に冷たいお茶を頼んだ。
「あそこはなんですか」
 サロンを入ってすぐ、左手脇の暗がりは斜めにカーブした廊下のようで、その奥になにがあるのか、外から見ただけでは分からなかった。
「バーがあるんですよ。今はほとんど使っていないですけど」
 すごいな、サロン内にバーまで併設しているのか。
 昔は酒を飲み交わしながら原稿のやり取りをしていたんだろうな。
「ご覧になっていただいて構いませんよ」
「いいんですか?」
「ええ、どうぞ」
 案内係のお姉さんは、にこりと笑って席を離れた。ただ待っているだけなのも気詰りだし、せっかくの機会なので、バーがあるという場所を覗き見た。暗がりの先には、一枚板のバーカウンターがあり、五席のハイチェアーが横一列に並んでいた。
 このサロンは歴代の文士の打ち合わせ場所であると同時に、社交場でもあったらしい。
「ご用意できましたので、どうぞ」
 背後から呼びかけられた。案内係のお姉さんが笑いを噛み殺している。中学生だか高校生らしき場違いな少年が老舗出版社に迷い込んできたように見えたのかもしれない。
 案内されたのは、サロンのいちばん奥まった場所だった。
 円形のテーブルを挟んで、ぼさぼさ頭のおじいちゃんと、涼しそうな白シャツを着た年齢不詳のお兄さんが座っていた。さっきまで打ち合わせをしていたらしく、テーブルの端には原稿の束が積まれている。
「ご足労頂き、恐縮です。篠原と申します」
 細いシルバーメタルフレームの眼鏡をかけ、だれがどう見ても文学青年っぽい印象を抱くであろう黒髪の編集者は音もなく立ち上がり名刺を差し出した。すらりとした長身。白地のすっきりした名刺に「株式会社文藝心中 文藝局 篠原利久」と書かれていた。
「こちらはゲン 一朗先生です」
 玄先生の名はよく知っている。小説は一冊たりとも読んだことはないけれど、コラムならいくつか読んだことがある。文壇の重鎮であり、ご意見番的ポジションである。
 ラフな出で立ちながらも、どこかしらエリート臭がぷんぷんする編集者と違って、もじゃもじゃの髪、スタイリッシュさの欠片もない分厚い眼鏡をかけ、まるで考古学者のような風貌をしている。
「新人賞に投稿していただいた作品、読ませていただきました」
 テーブルの端に置かれた原稿は、ぼくの応募作を印刷したものだった。
 自分としては、わりとよく書けたと思ったけれど、プロの目にはどう映ったのだろう。
 沙梨先生は高校在学中には押しも押されぬ売れっ子作家だった。対するぼくはと言えば、新人賞にすら引っ掛かりもしない体たらく。誰が見ても、その差は歴然である。
「藤岡さんは、高槻先生と交流がおありなのでしょうか」
 事前に知ってはいるけれど、確認を兼ねて、あえて聞く。そんな風に聞こえた。
「はい。三年前ぐらいからお世話になっています」
「そうですか」
 篠原さんは静かに頷いた。優しげに微笑んでいるのに、何を考えているのかさっぱり分からない。時代劇風に言えば、「おぬし、なかなかやるな」って感じに近い。
 真の実力者は大抵、静かなものだ。落ち着きのない煩いやつは、だいたいすぐ斬られる。
 それもあってか、挙動の一つ一つが敏腕編集者っぽく見えた。
 新人賞には漏れても、拾い上げという仕組みがあることを聞いたことがある。
「もしかして出版できるんですか」
 願望込みで訊ねてみたが、篠原さんは首を縦にではなく、横に振った。
「残念ですが、今のままでは世に出ることはありません。あまりにも高槻作品に似過ぎている。高槻先生に指導を受けていたことが世間に知れわたれば、藤岡さんひとりの力で書き上げたものとは見なされないでしょう」
 無名の高校生相手に随分と大人げない言い分だと思った。これは間違いなくぼくひとりで書きあげたもので、沙梨先生の助けなど、なにひとつ借りていないのに。
「ぼく、ひとりで書いたんですけど」
 口惜しくて、ぎりりと奥歯を噛みしめた。
 玄先生は黙って、のほほんとお茶を啜っている。助け舟を出す気は更々ないらしい。
「同じ文体の作家は二人と要りません。高槻先生に影響を受け過ぎており、このままでは、一生かかっても世に出ることはないと断言します」
 挑発めいた物言いに、一瞬にして頭の中が沸騰した。
「いいえ、違います」
 玄先生は、にやにやと底意地の悪そうな笑みを浮かべ、ぼくと篠原さんのやり取りを注視していた。売られた喧嘩は買うのが作法だ。
「僕の文体が沙梨先生の文体に似たんじゃありません。沙梨先生の書き方が僕の文体に似てきたんです」
 篠原さんが一瞬、絶句した。いい気味だ。
「そんなことは……」
「ないと言い切れますか」
 返事がなかったので、一語一語を叩きつけるように言葉を重ねた。
「僕だけが先生の影響を受けて、先生は僕からは何も影響を受けるはずがない。本当にそう思いますか。文体はその人固有のリズムだ。似せようとしたって限界がある。でもリズムである以上、生活なり、空間なり、思想なりを共にしていれば、自ずと似てしまうものでもあると思う。長年連れ添った夫婦の顔がそっくりになって、言葉遣いや喋り方までそっくり同じようになってしまうのと何が違うんですか」
 胸の内をぶちまけると、篠原さんは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。
 半分ぐらいは出任せだったが、こういうのは言ったもん勝ちだ。咄嗟の虚言は、おそらく小峰先生の影響だろう。
 文体の完全なるコピーはどだい不可能だ。言葉の選び方、語り口、言葉の並べ方。そこに書き手の思索が滲み出てしまう。でも、都合三年も一緒に創作していれば、文体が酷似することだって十分あり得ることだろう。
「あい、分かった。坊やの言い分はよーく分かった」
 玄先生が、ぽんと手を打った。
「あれは坊や一人で書いたの」
「はい」
「何の助言もなく?」
「はい」
「そうか、そうか。そりゃすごいね」
 玄先生が相好を崩した。なんだか親戚のおじいちゃんに褒められたみたいだ。
「篠原の言う通り、あまりに文体も構成も似すぎてるからねえ。さすがにこりゃいかんなと思ってね。そんじゃ本人にいちど会ってみようかとなったのさ」
「同じ文体の作家は二人も要らないですからね」
 篠原さんは、玄先生の言葉に同調した。
「いんや、そりゃ違う。文体なんてもんは、いくら似せようったって、どっかしら自分の書き方のクセが出ちまうもんさ。だから丸写しでもしない限り、同じ文体の作家なんてのは存在しない。似たようなテイストの文章を書くってだけだ」
 つまり、どういうことだ。ぼくの文章は、沙梨先生の類似品ではあるけれど、まるっきりの模倣ではないということか。
「よく分からないんですけど……」
「坊やの応募作、読ませてもらったけど、初めて書いたにしてはよく書けてたよ」
 まあ、初めてじゃないですけど。
 そこらへんは、いちいち訂正しなくていいや。
「ほんとうによく書けているし、趣味の域は十二分に超えているのは私が保証するよ。でも、こりゃあ一作目に出すべきじゃないな、そうも思ったね。もしもこの作品でデビューしたら、高槻作品のコピーとしか認識されないだろう。デビュー後に、いちど付いたイメージを覆すのは相当に難しい」
 ああ、なるほど。そういうことか。まるっきり沙梨先生風の文体で綴った作品でデビューしたとしたら、ぼくは高槻沙梨の模倣者コピーキャットでしかないと目されてしまうのか。
 それにしても、趣味の域は十二分に超えている、ってさらっと褒められたけど、なんだか妙に高評価じゃないですか、玄おじいちゃん。今のままじゃ世に出られないよ、と宣告されたはずなのに、悪い気はしなかった。どころか、だいぶ嬉しかった。
「つまり、ものまね芸人みたいなもんだね。ものまね芸人を低く見るつもりはないけど、純然なる個として世に出られるだけの下地があるなら、わざわざ誰かのものまねをする必要なんかあるまい」
「芸を極めたものまね芸人は、半端な芸人より面白いと思いますけど」
「ずっと真似をし続けたいわけじゃないのだろう。どうしても真似したければ、まずはきちんとした形で世に出てから物真似を披露すりゃいいのさ。そうすりゃ、世間はそれをパクリとは評さない」
「パクリじゃなければ何なんですか」
 ちゃんと自分なりの文体を確立してから、誰かのものまねをするのはいいのだろうか。
「高槻作品を坊や流に解釈し直した、と言うのさ。アーティストのカバー曲みたいなものだ」
 玄おじいちゃんの言いたいことはよく分かった。
 君には才能がある。でも、まだ世に出るレベルには達していない。
 結論は、そういうことだろう。
「ぼくはどうしたら世に出れますか」
 聞くまでもないことだ。高槻沙梨のコピー文体から脱却しなければ、ぼくはいつまで経っても世には出られない。
「篠原、お前さん、この子の面倒見てやんなよ」
 おじいちゃんは、しれっと告げた。
「私が、ですか」
「なんだい、不服そうだな。美人のお嬢ちゃんの面倒は見るくせに、可愛い坊やの面倒は見てやんないってのかい。今どき、性差別は流行らんぞ」
「いえ、そういう訳では」
 篠原さんが微妙に口ごもった。
「ただ、自分が担当した作家に対しては、小手先ではなく、本気で書いたものを要求しますので、才能の芽をみすみす潰してしまうんじゃなかろうかと」
「なんだ、そんな心配いらねえよ。思いっきり潰せ、潰せ。潰れたらそれまでだ」
 いやいやいや、なに言っての、このおじいちゃん。
 目の前のぼくは完全に置いてけぼりで、勝手に高速で話が進行していた。
「この子は案外、潰れねーよ」
 そんなことないです。わりとすぐ投げ出しますよ、ぼく。中学時代の前科もあるし。
「な?」
 念押しのように、玄先生がぼくをじろりと睨んだ。
「はい」
 ……としか答えられないだろう、この状況下。
「だとよ、篠原」
「篠原、ぶっ殺す! って言いたくなるぐらい追い込みますよ。たとえ高校生であろうと」
 篠原さんが軽く嘆息した。
 まったくもう。言いだしたら聞かねーんだから、このじじいは。 
 篠原さんの苦々しげな表情には、そう書いてあるようだった。
「そりゃあ、お前さんが才能を認めた場合に限ってだろう」
「玄先生がお認めになっている才能を、自分ごときが無能だなんて申しませんよ」
 なんなんだろう、この高度な掛け合い漫才は。
 なんか不発弾の処理の譲り合いみたいだな。
「それでお嬢ちゃんをまるっと潰しちゃったわけか。めっきり新作が出ねえなと思ったら、お前さんが止めてたのかい。やっぱり鬼だね。虫も殺さない優しそうな顔して」
「なにぶん手は抜けない性分ですので。自分に預けたらどうなるかはご承知の上かと」
 ――お嬢ちゃんを潰しちゃった? 
 どういう意味だろうか。
 沙梨先生は三作目以降、担当編集者の要求水準が高過ぎて、何を書いてもすべてボツ扱いにされた、と言っていた。今までと同じようなクオリティのものを書いているはずなのに、それでは足りない、と言われ続け、終いには一切書けなくなった。
 嘆き交じりだったが、編集者の個人名をあげつらうことはなかった。
「篠原さんは、沙梨先生の担当だったんですか」
 篠原さんは何を今更、とでも言いたげな顔をした。
「玄先生が才能をお認めになった若い作家は、私が担当するようになっていてね」
 そういう裏の育成ルートがあるのは先の会話からなんとなく窺い知れたが、だとしたら沙梨先生はどこで玄一朗先生に見いだされたのだろうか。
「玄先生と高槻先生は、どこで知り合ったんですか」
 重鎮と新進気鋭の若手が交錯するきっかけはなんだったのか。
 ぼくの素朴な疑問に、玄先生はさらりと答えた。
「お嬢ちゃんを文藝功労賞に推したの、私だもの」
 重鎮のひと押しが受賞の決め手になったそうだが、文学賞が派手さありきの空中ショーじみたものになった、文学の権威が失墜したなどと識者から揶揄されるようになったのも、丁度この頃からであるらしい。
「ただ、さすがに賞を与えるのが早過ぎたのかもしれないね」
 賞は獲った。そして売れた。美貌も相まって、絶大なる人気を博した。
 でも、長く書き続けるための燃費のいいエンジンまでは備わっていなかった。
 だから世に放ってしまった先達の義務として、沙梨先生を篠原さんに託した。
 世に出るのが早過ぎた才能に、容赦ない再教育を施して、一回りも二回りも大きなものになるよう鍛え直す。
 それはつまり、異才再発掘プロジェクトということか。
 一度世に出た光り輝く才能でさえ、再びの光を灯すには四年もの歳月を要するのである。
 いまだかつて光ったことなどない、まだ世に発見されてされてすらいない才能が輝きを放つには、いったいどれほどの時間が必要となるのか見当もつかない。
「最近は、若い人が小説家に憧れるような時代ではなくなりましたからね。小説の世界に才能が集まらなくなったのは寂しい限りですが、その分、若い書き手は貴重です」
 篠原さんが相槌とも本音ともつかぬ言葉を漏らした。
 出版業界の先端を走る編集者の目には、現状がそんな風に見えるのか。
 だとしたら、これまでであれば文芸畑に集まっていたであろう有為なる才能は、いったいどこに流出しているのだろうか。
「俺から見れば、お前さんもずいぶん若いけどな」
「恐縮です」
 呵々と笑った玄先生は、ぼくの頭のてっぺんから爪先までを値踏みするかのようにしげしげと眺め回した。
「坊や、歌える?」
 唐突に、そんな質問が飛んできた。
「歌えません」
「じゃあ、踊れる?」
「踊れません」
「喋るのは得意?」
「苦手です」
「だろうね」
 いったいなんの審査だ、これは。
「じゃあ、書きなよ」
「そのつもりです」
「お、威勢いいねえ」
 玄先生は、からからと笑った。
 歌うか、踊るか、喋るか。
 一昔前までであれば、小説の世界に集まっていたであろう才能は、アーティストなり、アイドルなり、芸人なりの方面に進むようになってしまったのかもしれない。
 最近は出版不況だなんだと散々に言われることもあってか、名のある芸能人やお笑い芸人、アーティストに小説を書かせようという、なんちゃって文学が流行りみたいだし。
「ま、あとは若い人たちだけで好きにやんなよ」
 玄先生はおもむろに立ち上がり、出口の方へと歩き出した。
 話し合いはこれでお終い。
 どうやら、そういうことらしかった。
「では、今後は名刺にあるメールアドレスにご連絡いただければ」
 玄先生を会社の外まで見送った後、篠原さんが事務的に言った。
 新たな書き手として歓迎されているのか、はたまた大御所の酔狂に付き合わされて、可愛げのない高校生のお守りを押し付けられたとでも思っているのか。そこらへんの真意は測りかねたが、とにもかくにも担当編集者なるものがぼくについた瞬間であった。

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