note創作大賞2024応募作一覧
note創作大賞2024に応募した作品をまとめました。
お仕事小説部門
清澄白河にある零細アニメーションスタジオ『ハバタキ』に所属する新人アニメーターのお仕事モノ。
女子中学生のアルティメット部創設物語。舞台は鎌倉。
部活の立ち上げがお仕事かどうかはさておき、アニメーションスタジオ『ハバタキ』がちょっと絡んできます。
稀代の筆跡鑑定師が挑む最後の大仕事……。
そして、受け継がれる「傾き」の遺伝子。
ホラー小説部門
ホラー小説部門が新設されたそうなので、書いてみました。
下記のような感想をいただきました。
補綴の子
部門はホラーですが、率直に怖いというより、なんだかやるせない気分にさせられる作品です。
結合双生児の兄弟のみを視点に据えていますが、弟の歪んだ世界認識に対して、読者が俯瞰的に捉えられるよう誘導する構成が面白い。
単純に人の醜さ、と言ってしまうには何とも哀しい、一組の兄弟の話です。
補綴の子がじんわりコワい系だとすると、こちらは胸糞悪い系……。
ミステリー小説部門
自動運転車が人を轢き殺した。
自分はただ運転席に座っていただけなのに。
人工知能という代物について、いろいろ考えさせられる社会派ミステリー。
犯人は、まあ、二択なんですけど。
素直そうな二択に見えて、二択に見えること自体が罠で、実際は一択なのか、と思いきや、やはり二択なのか？ とか、そんなやつ。
主人公は、獣医師国家試験に三回連続で落第した不運過ぎる男・鷹桐忍。
学生時代、ビットコインバブルの波に乗り、ウン千万円を儲けるが、「億り人ほどは儲けていない」という理由から無申告でいると、税務調査のメスが入る。
鷹桐忍は「無申告のマネーロンダリング男」、
相方の藪内カヲルは「マッチングアプリの詐欺女」、
父の鷹桐富士雄は「ハゲワシに死体を食わせる遺体処理屋」
という嫌疑をかけられる税金ウォーズ小説。
前回の創作大賞2023『別冊文藝春秋』〈お仕事小説部門〉〈ミステリー小説部門〉の最終候補四作に選ばれましたが、残念ながら落選。
前回は〈お仕事小説部門〉に応募しましたが、今回は部門を変えて、〈ミステリー小説部門〉に応募してみることにします。
獣医師のお仕事連作モノは、いずれ書きたい……。
新川帆立さん・評
獣医師関連のパートがずば抜けて面白かった。獣医師国家試験に落ち続ける主人公、猛禽狂いの父、主人公に想いを寄せる先輩獣医師等、キャラクターがとてもよい。軍鶏料理屋の叔父が出てきたときには面白すぎて声が出た。
それぞれにキャラクターは際立っているが、テンプレ的なものではなく、圧倒的なセンスを感じた。特に、「ハゲワシを愛するあまり、息子が獣医師試験に落ちても気にしない父親」という人物造形など、普通はなかなか書けないと思う（マジですごい）。主人公がきちんとカッコよく、好感度高く描けているのも大変よい。
ただ、税務調査（&仮想通貨）&ミステリーのパートと、獣医師パートの相性がよくないようにも思う。作者の創作意図と異なるかもしれないし、もはやただの個人的願望だが、税務調査（&仮想通貨）&ミステリーの部分は脇において、獣医師モノとして完成した作品を読みたい。
作中で提示される「幼い頃、父が『悪魔』と責められていた。なぜか？」という謎は、大変よい謎だと思う。私がこの作品を書くとしたら、父親の謎を中心に据えて、獣医師のお仕事小説として連作短編的に進行させる。主人公が各話で少しずつ謎を解き、次第に父との心理的距離が縮まり、最後に父（と母）の秘密にたどり着く構成にするとピタリとはまりそうだと思った。
恋愛小説部門
探偵事務所に所属しているものの、やっていることは浮気調査ばかり……、と思いきや。
ミステリー小説の面をかぶった恋愛小説。
ボストンのバークリー音楽院に留学した水瀬希は、五歳年下の恋人ウィルの祖母宅へ、婚約報告の挨拶に行くが、認知症を患っている祖母に銃をぶっ放され、婚約の話が吹き飛んでしまう。
米国帰りの音楽療法士・塩谷啓子の「音楽的介入」により、徐々に心の傷を埋めていく希……、というのが物語の筋書き。
啓子の伴侶である、涅槃マスターの塩くんが地味にいい味出してます。
早熟の天才と称される美貌の作家・高槻沙梨。
デビューから一躍文壇の寵児となるが、深刻なスランプに陥り、世間では「消えた作家」扱いとなる。
高校生の藤岡春斗は、高槻沙梨の文体を模倣し、まるで高槻本人が書いたかのような作品を編集部に送りつけ物議を醸す……。
ファンタジー小説部門
バネ足の少年ミリクと、空飛び猫モシュのバディもの。
スーニャンはスナネコです。
死んだ都の地下底で、飛空ショーやってます。
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