マガジンのカバー画像

short fictions

19
短編小説集
運営しているクリエイター

#短編小説

なんか短くておもしろいやつ

なんか短くておもしろいやつ

「あー、ネタがねぇ! おいメイド! なんか面白いことしろ!」
「わ、分かりました……コマネチ!」
「そうじゃねえ! 漫画のネタが無いんだよ!」
「ご主人さま才能ないのでは」
「あぁ? クビにされてえのか?」
「私をクビにしたら誰がご主人さまの面倒見るんですか」
「そうだよな……だって……」
「人類ほぼ全滅しちゃったもんな……」

 突如流れたウイルスにより、人類はマスコットキャラになってしまった。

もっとみる
Talk-GPT -なんでも言うこと聞いてくれるエーアイちゃん-

Talk-GPT -なんでも言うこと聞いてくれるエーアイちゃん-

 いつだっただろうか、AIと対話するサービス、Talk-GPTがなんでも教えてくれるようになったのは。
 いや、厳密にはなんでもは教えてくれないが。
 犯罪のトリックやハッキングの仕方などは教えてくれない。
 いわば、秘匿された情報があるのだ。
 しかし、こんな噂が流れた。
 裏情報を教えてくれる、完全なAIがいる、と。
 ただの噂だし、その話は未来を含め、全て教えてくるなどと尾鰭がついている。

もっとみる
バタフライ-0.6%-

バタフライ-0.6%-

 いつからだろう、黒川羽子が引きこもりになったのは。
 大学デビューに失敗した時……いや、高校もろくに通っていなかった時が始まりだろうか。
 羽子は心配する両親により、心療内科にまで連れて行かれた。
 そこで検査を受けた結果こう言われた。

「あなたは自閉症スペクトラムです」
「なんですか、それ?」
「この病気はマイルールを作るなど、こだわりの強さや共感性の低さが特徴です」
「なるほど、それで私は

もっとみる
体重計に文句言うデブ-Europa-

体重計に文句言うデブ-Europa-

 あるところに、デブがいました。
 身体中の至る所についた贅肉は彼の自堕落な生活の産物です。
 デブは、ふと体重計に乗ると、たちまち顔を真っ赤にし、叫びます。
 
「俺が130kgのわけがねぇ! この体重計壊れてやがる!」

 果たして壊れているのは体重計なのか……

 ──エウロパ

 今は東暦213年。西暦に直すと2513年。
 昔、西洋が世界をリードしていたが中国やインドを筆頭にアジアが徐々

もっとみる
体重計に文句言うデブ-europa-

体重計に文句言うデブ-europa-

 あるところに、デブがいました。
 身体中の至る所についた贅肉は彼の自堕落な生活の産物です。
 デブは、ふと体重計に乗ると、たちまち顔を真っ赤にし、叫びます。

「俺が130kgのわけがねぇ! この体重計壊れてやがる!」

 果たして壊れているのは体重計なのか……

 ──エウロパ

 今は東暦213年。西暦に直すと2413年。
 昔、ヨーロッパが世界をリードしていたが中国やインドを筆頭にアジアが

もっとみる