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バンクシーの新作(5/7)

明日はフランスの祝日です。なので今日は少しだけ夜更かしをしています。5月8日。何の日かご存知ですか?ヨーロッパで第二次世界大戦が終わった日です。

つま戦勝記念日です。普段ならばフランス国内のあちこちでパレードが行われるんですよ。しかし、今年は厳しいかもしれませんね。しかし、何かしらのイベントは行われるのではないかと思っています。

日本では、織田信長の焼き討ち以来!だとか聖徳太子の時代以来!なんて枕詞でイベントが中止されることも多かったので、もしかしたらフランスもないかもしれませんね。

さて今日は少しモヤモヤを吐き出してもいいですか?

バンクシーの最大の皮肉

今日はフランスのニュースで、バンクシーが新しく描いた絵が病院に飾られたという話をしていました。これを見た人たちは絶賛しているんです。

この絵は白人の男の子が、今までのヒーローはカゴに捨てられているように置かれている中、黒人の看護師が新たなヒーローとして遊ばれている絵です。

皮肉すぎませんか。それを白人の病院関係者の方が絶賛している姿がものすごく違和感です。この絵を見た時に私はいろんな感情が自分の中で渦巻きました。

なぜそう思うのか

私はロンドンに留学していた時に、ルームメイトがインドの子達だったんです。そして彼女はイギリスの病院で看護師をしていました。たまにキッチンでお話しする程度だったのですが、いつも彼女の仕事の話を聞いていることが多かったですね。

彼女はインドからお金を稼ぐために看護師の資格を持ってきたと言ってました。そして、病院ではインド以外にもいろんな国の人が看護師として働きに来ていること、ロンドンは移民が多く、人種によって持病が違ったりするからそれはいいことだということ、たまに嫌な思いもすること、を話していました。

それらの話はだいたい予想がつきます。私とて、日本を出てしまえば差別される側の人種であることは理解していますから。特にプライドの高いイギリスの階級社会で嫌な光景を見たり、嫌な扱いを受けることはたまにあることだったりするのかもしれません。もちろん、全ての人がそうなわけではないですよ。

しかし、イギリスは少なからず、どんなに流暢に英語が話せても”白人ではないから”という理由で企業の面接が受けれなかったり、門前払いをされてしまうことはあるそうです。そして、病院内でもイギリス人だから、白人だからという理由で出世が早かったり優遇されることも。

なんども言いますが、これはたまたま彼女の身に起こったことかもしれません、イギリスの全てがそういう社会だとは思わないでください

でもこう言った、区別はいつの時代も、どの国にだって起こりうることなんですよ。

お嬢さんという韓国映画を見たことがありますか?

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この映画は1930年代くらいですかね?まだ韓国が日本の植民地だった頃の話です。韓国の中で幹部であったり、いい役職につく人間はほとんどが日本人であり、韓国人が日本人のふりをしていい身分をほのめかすシーンがあったりします。

韓国だけではないです。奄美大島はかつて島津藩より侵略された国の一つでした。侵略後この島の中で、先生や医者などのいい役職の人々は侵略側の鹿児島の人間だったこともあり、いまだ島の中でそういった役職をよく思わない人がいるくらいです。(私の母は奄美大島出身)

つまり、何が言いたいかというと。私は彼女の話の中でこういった構図が病院内でも出来上がってしまっているだろうこと、そして今現在のコロナの状況下ではもっと病院内では顕著に出てしまっているのではないかと懸念しているということです。

もっとストレートに言えば、白人は管理職などの安全地帯にいて、一番危険な現場では移民のインド人やヒスパニック系が多いのではないか、ということですね。

イギリスは特に医療崩壊危機を受けて、インドはもちろん、ヒスパニック系の方や中東出身の看護師が多く働きに出ていることでしょう。

一番印象的だったのは、あのボリスジョンソンさんの担当医がイギリス人の看護師ではなく、ニュージランド出身の方とポルトガルの方だったことですね。(もちろん、イギリス人だったとしたら担当したくない気持ちは分かりますが)階級社会があって、上流階級の方がそれ以外の国の人の治療を受けることがあるのかと、当時少し驚いたりしました私は。考えすぎだったのかもしれませんね。医療に国籍は関係なかったのだと思いたいです。

そして、現在たくさんの医療関係者が最前線でこの戦場と戦ってくれています。が、悲しいことに死亡者数を見た時に、インドや中東系、または黒人の医療関係者の死亡率が高いようなんですね。なぜか。

これが何を意味するのか

分かりません。あくまでも、全て私の推測です。ただ、特にイギリスでは最前線で戦っているのは賃金も安く、移民でもある黒人やインドの方達であり、だからこそ死亡率も高いのではないかと思ったということです。

もし仮に人種によるコロナの耐性に差がないとすれば、そういった事実もなきにしもあらずでしょうね。

そして、そのバンクシーの絵を見て実際にそういったことが現実ではないかと思ったということですね。あくまで推測です。

でなければ、バンクシーがヒーローをあのような”飽きたら捨てられて別のものに変えられてしまうオモチャ”に例えるでしょうか。だからこそ皮肉なんでしょうけれど。バンクシーの十八番ですね。
そして、バンクシーが寄贈した病院は南の方の移民率の比較的多い地域。

アメリカでは1年前からグリーンカードの申請をしていたカナダ人医師の申請が取り下げられたというニュースが流れていました。こんな時期に。

白人以外は、簡単に替えのきく使い捨てのオモチャ同然なのでしょうか。

差別のない世界。そんなものはないです。日本国内だってあります。そして、いまだに白人は世界で一番上なんです。もちろん全員がそう思っているわけではないにしても、差別される側を理解できない白人のそんな無意識なんて私たちには一生理解できないですからね。

ヨーロッパにいて、白人の、どんなに仲のいい友達からでさえ、”私たちは白人だから”といった片鱗をたまに感じてしまうときがあるんです。

ある意味でヨーロッパでアジア人同士が仲良くなりやすかったりするのは、そういう視点をうっすら感じてしまっているからんですかね。


少し愚痴っぽくなってしまってすみません。今日もありがとうございました。

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