すもも

はじめまして。すももです(#^^#)  長いこと図書館司書する中で、多くの本が、誰にも…

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はじめまして。すももです(#^^#)  長いこと図書館司書する中で、多くの本が、誰にも手を取られることなく消えていきました。 絶版になった、古くなった、読まれない、除籍する前に十分努力したか、そんな自戒の念をこめて一般書と児童書を交互に紹介していきたいと思います。

記事一覧

さよならおじいちゃん…          ぼくはそっといった               エルフィー・ドネリ作

老人と子ども 5冊目 10才の少年ミヒャエルは両親と姉、おじいちゃんと ウィーン郊外に住んでいる。 ミヒャエルはおじいちゃんが大好き。 おじいちゃんは時計、望遠鏡、…

すもも
3週間前
5

西の魔女が死んだ 梨木香歩作

老人と子ども 4作目 不登校になった少女まいが 田舎に住む英国人の祖母に預けられることになった。 祖母は「西の魔女」と呼ばれていた。 ひと月あまり西の魔女とともにす…

すもも
3週間前
8

赤い靴下 エルフィー・ドネリー作

老人と子ども 3作目 11才のマリーは公園のベンチで 右足は真っ赤な靴下 左足は黒の靴下をはいた おばあさんと出会った。 おばあさんは右足のほうがよけいに冷えるか…

すもも
3週間前
12

ハイジ J シュピーリ作

老人と子ども 2作目 この本をかつて読んだという人も多いのでは ないでしょうか? 多くの児童書の中にも度々出てくる。 私の小学2年生からの読書人生を スタートさせてく…

すもも
3週間前
13

絵ときゾウの時間とネズミの時間   本川達雄文 あべ弘士絵

今回のテーマは「老人と子ども」全5冊 子どもと老人は結構近い存在であると思う dreamerという共通項を持ち より良く生きたいと模索するものとして 本の中で探してみたい。…

すもも
4週間前
9

字のないはがき           向田邦子原             角田光代文・西加奈子絵

世界各地で戦争が今も続いています。その中でいつも犠牲になるのは市井の人々、とりわけ弱い子供たち これから、”疎開と図書館と子ども”をテーマに3冊紹介させてくださ…

すもも
1か月前
15

図書館がくれた宝物          ケイトk・アルバス

世界各地で戦争が今も続いています。その中でいつも犠牲になるのは市井の人々、とりわけ弱い子供たち これから、”疎開と図書館と子ども”をテーマに3冊紹介させてくださ…

すもも
1か月前
11

おやすみなさいトムさん       ミシェル・マゴリアン

世界各地で戦争が今も続いています。その中でいつも犠牲になるのは市井の人々、とりわけ弱い子供たち これから、”疎開と図書館と子ども”をテーマに3冊紹介させてくださ…

すもも
1か月前
14

バレエダンサー ルーマ・ゴッデン作 偕成社  -gifted child-

原題はThursday's Children。 Mother Gooseの「月曜日の子ども」という歌を ご存じだろうか? その中にThursday’s child far to go (木曜日の子どもは旅に出る) 苦難の…

すもも
2か月前
9

コルベ神父~優しさと強さと~    早乙女勝元

手をさしのべた人たち  アウシュヴィッツ収容所では日常的にナチスに よる無差別な殺害が行われていた。 ある日 無作為に選ばれた囚人10名が餓死室へ 送られることになっ…

すもも
2か月前
5

ふたりの星 ロイス・ローリー    

手を差し伸べた人びと ナチスというと第二次世界大戦中の ドイツのことと思われるかもしれない。 ナチスの支配下にあったデンマークの少女 アネマリーとユダヤの少女エレ…

すもも
2か月前
5

カラスはけっこう人気者? #4      カラスの教科書 松原始

カラスはけっこう人気者?カラスシリーズ全4回の4回目 最終回ではカラスたちの生態を探ってみよう ※カラスの教科書 松原始 これは教科書ですが、固苦しい教科書ではあ…

すもも
2か月前
8

カラスはけっこう人気者?#3      シートン動物記           銀の星 ~あるカラスの物語~

カラスはけっこう人気者?カラスシリーズ全4回はじめました 今日はその第三回です。 ※銀の星 ~あるカラスの物語~ アーネスト・トムソン・シートン    動物記で…

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2か月前
10

カラスはけっこう人気者?#2     北極カラスの物語 C.W.ニコル

カラスはけっこう人気者?カラスシリーズ全4回はじめました 今日はその第二回 ※北極カラスの物語 C.W.ニコル 北極圏に住む野生動物たちはいつも飢餓感を抱えている。 …

すもも
2か月前
8

カラスはけっこう人気者?#1       からすたろう 八島太郎

[カラスはけっこう人気者?]カラスシリーズ全4回はじめます 今日はその第一回です。    八島太郎は「からすたろう」「あまがさ」「海浜公園」 (3作ともコールディコ…

すもも
2か月前
10

手をさしのべた人たち

アンネ・フランク 早乙女勝元 世界は今あちこちで争いが起こっている。 ウクライナでパレスチナ・・・ 広島、長崎に落とされた原爆の比ではない規模の 核爆弾を所有してい…

すもも
3か月前
12
さよならおじいちゃん…          ぼくはそっといった               エルフィー・ドネリ作

さよならおじいちゃん…          ぼくはそっといった               エルフィー・ドネリ作

老人と子ども 5冊目

10才の少年ミヒャエルは両親と姉、おじいちゃんと
ウィーン郊外に住んでいる。
ミヒャエルはおじいちゃんが大好き。
おじいちゃんは時計、望遠鏡、眼鏡などおもしろいものを
宝箱の中に持っている。
いつもおじいちゃんはベッドの中で
ミヒャエルにお話をしてくれる。
「むかしむかしミヒャエルという少年がいた]
始まりはいつも同じ。
「・・・その子は何百年も前のスペインに住んでいた。

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西の魔女が死んだ 梨木香歩作

西の魔女が死んだ 梨木香歩作

老人と子ども 4作目

不登校になった少女まいが
田舎に住む英国人の祖母に預けられることになった。
祖母は「西の魔女」と呼ばれていた。
ひと月あまり西の魔女とともにすごした。
まいのママのママ 大好きなおばあちゃんから
魔女の手ほどきをうけることに。
魔女の基本は何でも「喜びも幸せも」自分で決めるということ。
まいはおばあちゃんに  父が死についてきちんと向き合って
くれなかったと残念さを伝える。

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赤い靴下 エルフィー・ドネリー作

赤い靴下 エルフィー・ドネリー作

老人と子ども 3作目

11才のマリーは公園のベンチで
右足は真っ赤な靴下 左足は黒の靴下をはいた
おばあさんと出会った。
おばあさんは右足のほうがよけいに冷えるからという。
店でおばあさんはチョコレートをレジを通さす
出てしまう。万引き?
おばあさんはエルレンホーフという精神病院に住んでいる。
マリはときどきおかしなことを言うおばあさんに
戸惑いながら心を寄せる。
今でいう認知症だろうか?
この

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ハイジ J シュピーリ作

ハイジ J シュピーリ作

老人と子ども 2作目

この本をかつて読んだという人も多いのでは
ないでしょうか?
多くの児童書の中にも度々出てくる。
私の小学2年生からの読書人生を
スタートさせてくれた一冊である。
あれから何回読んだことだろう。
その度に思うことは
ハイジのおじいちゃんの頼もしさ。
いつもしっかり大地に根をはり、
大自然の中であたり前に生きている。
そして
孫娘の存在を心から愛し支えている。
ハイジの無垢な心

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絵ときゾウの時間とネズミの時間     本川達雄文 あべ弘士絵

絵ときゾウの時間とネズミの時間   本川達雄文 あべ弘士絵

今回のテーマは「老人と子ども」全5冊
子どもと老人は結構近い存在であると思う
dreamerという共通項を持ち
より良く生きたいと模索するものとして
本の中で探してみたい。
過日の日経の歌壇に
「君たちはどう生きるのか 
 年齢を問わない問いが
 死ぬ迄続く」(二宮正博)という歌があった。

その1冊目です。

絵ときゾウの時間とネズミの時間
  本川達雄文 あべ弘士絵地球にはいろいろな大きさの生

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字のないはがき           向田邦子原             角田光代文・西加奈子絵

字のないはがき           向田邦子原             角田光代文・西加奈子絵

世界各地で戦争が今も続いています。その中でいつも犠牲になるのは市井の人々、とりわけ弱い子供たち これから、”疎開と図書館と子ども”をテーマに3冊紹介させてください。3冊目です。

戦争が激しくなり、私のちいさな妹も疎開するなった。
まだ字が読めない妹のために 
父は、数え切れないほどのはがきを用意した。
全てのはがきのあて名に 
自分の住所と名前を書き元気な日は
○を書いてポストに入れるように話し

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図書館がくれた宝物          ケイトk・アルバス

図書館がくれた宝物          ケイトk・アルバス

世界各地で戦争が今も続いています。その中でいつも犠牲になるのは市井の人々、とりわけ弱い子供たち これから、”疎開と図書館と子ども”をテーマに3冊紹介させてください。2冊目です。

戦時下のロンドン。
ずいぶん前に 父母を亡くした12才のウィリアム、
11才のエドマンド、9才のアンナの3兄妹は
今また 祖母も亡くし身寄りをなくした。
保護者となる後見人を見つけなければならなくなった。
ロンドンを離れ

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おやすみなさいトムさん       ミシェル・マゴリアン

おやすみなさいトムさん       ミシェル・マゴリアン

世界各地で戦争が今も続いています。その中でいつも犠牲になるのは市井の人々、とりわけ弱い子供たち これから、”疎開と図書館と子ども”をテーマに3冊紹介させてください。1冊目です。

第二次世界大戦中のイギリスの疎開児童をめぐる物語。
戦争が激化してきたロンドンの子どもたちの田舎へ疎開が始まった。
ウイリアムという名の少年は、骨と皮のようにやせ細り、
何に対してもおどおどとしていた。
一方、預かり先の

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バレエダンサー ルーマ・ゴッデン作 偕成社      -gifted child-

バレエダンサー ルーマ・ゴッデン作 偕成社  -gifted child-

原題はThursday's Children。
Mother Gooseの「月曜日の子ども」という歌を
ご存じだろうか?
その中にThursday’s child far to go
(木曜日の子どもは旅に出る)
苦難の道を歩むとでも訳しましょうか?
ルーマ・ゴッデンは80才を過ぎてから
この作品を書いた。
彼女自身もロンドンでバレエ教室を主宰していた。
主人公のデューンはspringのHalのよ

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コルベ神父~優しさと強さと~    早乙女勝元

コルベ神父~優しさと強さと~    早乙女勝元

手をさしのべた人たち 
アウシュヴィッツ収容所では日常的にナチスに
よる無差別な殺害が行われていた。
ある日 無作為に選ばれた囚人10名が餓死室へ
送られることになった。選ばれたポーランド人が
「もう家族に会えない」と嘆いた時 
コルベ神父は身代りを願い出た。そして餓死室で10人は
神父とともに 祈りと讃美歌に包まれて亡くなった
神父は餓死では死なず、注射により殺害された。
このフェノール注射をし

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ふたりの星 ロイス・ローリー    

ふたりの星 ロイス・ローリー    

手を差し伸べた人びと

ナチスというと第二次世界大戦中の
ドイツのことと思われるかもしれない。
ナチスの支配下にあったデンマークの少女
アネマリーとユダヤの少女エレンの物語である。
コペンハーゲンでもユダヤ人迫害が始まった。
エレンの家族を隣国に逃がすため
アネマリーの家族が手を差し伸べる。
姉ののフィアンセの力も借り、自由を求め
命がけの脱出計画が始まった。
この計画が発覚すれば命さえ失う。

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カラスはけっこう人気者? #4      カラスの教科書 松原始

カラスはけっこう人気者? #4      カラスの教科書 松原始

カラスはけっこう人気者?カラスシリーズ全4回の4回目
最終回ではカラスたちの生態を探ってみよう

※カラスの教科書 松原始

これは教科書ですが、固苦しい教科書ではありません。
カラスが好きで好きで大学の先生になってしまった
先生の「狂歌書」です。

この本を開くと読む者を惹きつけてやまない
文と絵が登場する。カラスはなにか不気味だ。
ところが、先生曰く、カラスはグルメでマヨラーという。
そう言わ

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カラスはけっこう人気者?#3      シートン動物記           銀の星 ~あるカラスの物語~

カラスはけっこう人気者?#3      シートン動物記           銀の星 ~あるカラスの物語~

カラスはけっこう人気者?カラスシリーズ全4回はじめました
今日はその第三回です。

※銀の星 ~あるカラスの物語~ アーネスト・トムソン・シートン   

動物記で有名なシートンの作品である。
「銀の星」と名付けられた賢い年寄りのカラスの物語。
銀の星の一隊は200~300羽ほどであった。
銀の星は統率力のある頭のいい隊長であった。
又いい教師でもあった。
若者たちに「異常なし」「気をつけろ」「危

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カラスはけっこう人気者?#2     北極カラスの物語 C.W.ニコル

カラスはけっこう人気者?#2     北極カラスの物語 C.W.ニコル

カラスはけっこう人気者?カラスシリーズ全4回はじめました
今日はその第二回

※北極カラスの物語 C.W.ニコル

北極圏に住む野生動物たちはいつも飢餓感を抱えている。
オオカミ、キツネ、ウサギ、レミング・・・
北極ガラスのゴンはそれぞれの動物たちの関わりを
俯瞰してみている。
子ギツネのコロンと天敵であるオオカミのグルーガ
との奇妙な関係がいつしか変わっていく。
グルーガの心にコロンを思うやさし

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カラスはけっこう人気者?#1       からすたろう 八島太郎

カラスはけっこう人気者?#1       からすたろう 八島太郎

[カラスはけっこう人気者?]カラスシリーズ全4回はじめます
今日はその第一回です。
  

八島太郎は「からすたろう」「あまがさ」「海浜公園」
(3作ともコールディコット賞次席受賞)の
児童作家である。私は長いこと
彼の作品に流れる寂しさに心惹かれてきた。
彼を日系米人だと思っていた。

前回紹介した「反戦平和に生きた人びと」で
「蟹工船」の小林多喜二のデスマスクを描いが
八島太郎であったことを知

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手をさしのべた人たち

手をさしのべた人たち

アンネ・フランク 早乙女勝元
世界は今あちこちで争いが起こっている。
ウクライナでパレスチナ・・・
広島、長崎に落とされた原爆の比ではない規模の
核爆弾を所有している国が複数ある。

「アンネの日記」を読んだ人は沢山いるだろう。
これは、第二次世界大戦中のナチス占領下で
アンネ一家に隠家を提供し、生活を
支え守った人びとの記録である。
私は半世紀ほど前にアムステルダムのアンネの
隠れ家を訪れたこと

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