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遥かなるサマルカンド(著:リュシアン・ケーレン)【読書紹介まであと3000キロ。「残り時間はあと」」なんで残り時間を入れた「いるだろ」】

15世紀。
スペインから中央アジアの都市に向けて、
使節団が派遣された。
目的地は「青の都、サマルカンド

非情に雅な話のように聞こえるが、
サマルカンドはティムール帝国の帝都である。


モンゴル再興を目指すティムール皇帝は、
一代で成り上がった乱世の英雄にして暴君である。

↑(動画が長いのでご注意を)

征く先々で征服と虐殺を繰り返す覇王の姿は、
むしろ恐怖の帝王なのだが、
モンゴルと違うのは、破壊するだけではなく、
建設も積極的に行った。
特に自らが定めた帝都サマルカンドを、
青いタイルで飾り付けて、
地上で最も美しい首都にせんという野望を叶えた。

(そういえばヒトラーもグロスベルリンを建設する野望があったが、こちらはまったくといっていいほど、叶わなかった)

さて。
なにせスペインは、カスティーリャ王国から派遣されるのだから、
当時の事とて、上述のような詳しいことは分からぬ。

しかしながら王国にとって、
遠方の強大な帝国と外交関係を持つことは、
王国の安全にとって極めて重要。

強大なオスマン帝国を牽制する役割を、
その向こう側の帝国に求めたのだった。
実際にティムールはオスマン帝国を一時的に滅ぼしている。

とはいえ裏事情からひとまず距離を置いて、
本書は長い旅行記のお話を描く。

スペインから今のウズベキスタンまで。
遠い。シルクロードを半分。果てしなく遠い。
もはや冒険である。

途中であらゆるアクシデントに見舞われつつ、
どうにかして魔法の都と見まごう帝都にたどり着くが、
覇王ティムールはすでに・・・

という話であり、
まあ旅行記である。
実話の旅を、可能な限りの研究で再現する。

***

人によっては退屈かもしれないが、

「青の都」という言葉と、
当時は謎でしかなかったティムール帝国に興味がありすぎて、
買ってしまった。
当時はお金があった。
(本を買う程度のお金)

興味がある人には、悪くないけど、
そこまで興味がない人は、図書館で探されたし。
その方が無難である。

まあ、中央アジアの歴史って、
本がないからね。

今のサマルカンドは、
一時期よりは復元されたとは言え、
当時の美しさをすべて再現はしていないらしい。
無限に予算がかかるし、仕方ないですね。

↑ 帝国の本土。現在のウズベキスタン。


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