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ヴォイニッチホテル(著:道満清明:全3巻)【このマンガ感想を書いたのは誰だー。(ばか、シェフ呼ぶな!)失礼いたしましたお客様・・・お客様、もしかして名もなき宿主様ですか? (貴様、なぜその名を知っている?)続く】

道満清明、という方はエロマンガ家の先生です。
しかしこの人のエロマンガは、なんというかエロくない。
というか、エロマンガ雑誌においては、息抜きとして休憩できるコメディ作品となっていたようです。
下ネタが出てくるので、苦手な人は注意が必要です。
だがエロくない。
どちらかというと、シュールなギャグマンガの枠なんです。
興奮するというよりは膝が抜けます。

一般紙においても、この人が発見されるのは時間の問題だったようで、
月刊ヤングチャンピオン烈で連載されていたようです。
それがこれ。

主要登場人物はこんな感じ。

南国の島に流れ着いた日本人たち。
ホテルにはふたりの謎メイド。
メンヘラコックとマスクマン支配人。
暗躍する殺し屋たち。
少年少女探偵団。
島の伝説で恐れられる3人の魔女。
悪魔と契約した謎の殺人鬼。
ウサギのかぶり物をかぶる少女。
麻薬を作りにきた3人の女。(ひとりは潜入捜査官)
猫。
殺し屋によって退場した亡霊たち。
契約しに来たビジネス悪魔たち。

こんな有象無象が、
エロ、グロ、シュール、ナンセンス、なんでやねん、無駄なセックスアピール、無駄な豆知識、ぶっ飛んだ道徳観、振り切った下ネタ、振り切った意味わからん何か、
で所狭しと群像劇を織りなしていき、
作風として当然ながら着地点はまったく見えません。
いったいこの物語はどこに向かおうとしているんだ?
惑うのも当然なのです。
それがこの道満清明という先生の作品スタイルなのです。

この手の作品において、あらすじを紹介するのは不可能です。
しいてわずかなネタバレをすれば、

1、殺し屋たちは、日本人ヤクザで組の金持って逃げたやつをおいかけてきた。
2、メイド2人と魔女2人は同じ人たち。

くらいですか。
しかし、このネタバレをしても、作品展開が丸わかりにはなりません。
というか、まったくわからんぞ。
いったい何がおこっているんだ!

ハリウッドはこういう作品こそ映画化権を取るべきだろ。
タランティーノマフィアみたいな、不条理で無軌道な筋の進め方にして、なぜか無理のない展開だという、ああそういうノリか、と思っていただければ重畳。
そうか。タランティーノブラザーズがいるから、ステーツにはそういう成分は足りてるのかもしれない。

3巻で終わっていますが、まあ終わらせようと思えばいつでも終わらせられそうな、それでいてちゃんと本筋が終わるまで描き切っていますね。
予定通りなのか? それとも行き当たりばったりなのか?

こういうの書ける気がしないんだよなあ。
しかもこの人、連年完成度が上がっていってる感じがする。
えらいこっちゃ。

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