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カエアンの聖衣(著:ハリントンJベイリー:1976年)【読書感想である。服を着ろ。それもいい服をだ。服はお前が思ってるよりはるかにお前自身の本質である】

何年か前のアニメ「キルラキル」の元ネタとなるSF小説です。


「キルラキル」もそうだったのですが、この小説では、人間より服が上位に来ます。
着られている服が、着ている人間にたいして、もの申す系ですね。
(ああ、ネタバレしちゃった)でも、こんくらいなら大丈夫なはず。

といっても、キルラキルとカエアン、内容はだいぶ違います。
これは原作とは言えないですね。オマージュですか。

主人公はとある経緯で、すごい服を手に入れます。
その服を着ていると何かが違ってきます。
でもだんだんと依存するようになって。
しかも服を着ている状態の主人公は、何かを始めるのです。

こうしたメインストーリーのみならず、
生まれたときから機械の中に入れられ、機械の体を自己イメージとして持っているロシア人の子孫と、宇宙空間に素っ裸で適応できるようになった日本人の子孫が、なんと辺境星域で戦っているというサブストーリーまで入ってきます。宇宙日露戦争か。

この作者さん、さては日露戦争に関心があったんですね。

作品が出されたのは70年代なので古き良き(?)スペオペです。
現在はキルラキルの影響で再販された新訳版がハヤカワから出ています。

ロシア人の子孫と日本人の子孫の正反対な適応進化の結果と言い、この作品では人間の外表についてのアイデアが主題になっています。
人間は中身ではなく、ラッピングにこそ本質があるのではないか。
それを突き詰めていったような感じ。
この哲学的倒置はSFならではの感覚です。
こういう存在の前提をひっくり返すような話は、やはりSFカテゴリーの専売特許ですね。
ただ惜しむらくはそこからもう一歩踏み込んでもらえたら、もっと良かったんだけど。
贅沢なのかな。

キルラキルの方も紹介しておこう。
こちらはノリの良いコメディ調バトルアニメ。
私はトリガーの作品とは相性が悪いかもしれません。
うちの弟が2部を見逃したと嘆いていましたが、そこまで残念に感じるほどではないと思うな。

ちなみに私は服装に割と無頓着です。


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