もえ

言葉と音と香りとか ときめくものが好き

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言葉と音と香りとか ときめくものが好き

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はじめましてのご挨拶

ハローハロー、いつか誰かに応答してもらえたら嬉しいです。 応答なくても構いません。それは少し寂しいけれども、ここは私が私のために作った居場所です。日陰の子猫。ここは心地のよい、私の木陰にしたいのです。 時々泡のように浮かんで消える私語。とっておきたい気持ちや記憶。ときめいた物。そういうものを好きに書き散らかすつもり。 普段の生活では隠しているつもりや曝け出していないつもりの事も。親しい人が見たらすぐに分かってしまうかもしれないね。それでもそっとしておいてください。あなた

    • 夏のおわりから冬のはじまりまで

      気がつくと、冬の入り口に立っている。 過ぎ去ってしまった季節と、少しだけ切り取っていた一片を。 9月9日 日が落ちるのが早くなった。月が細い。 お昼につけたトンカの香水の残り香が掠めて。 木造平家から外に出てきた風呂上がりらしきおじいさんの煙草の煙が流れてきて、木材市場を通ると木の匂いがして、古いアパートからシャワーの音が聞こえた。全部が晩夏。 10月6日 金木犀が咲いているのをやっと見つけたけれど香ってはこない。 昼間はジリジリと暑いけれど、夕暮れからはなんだか寂しく

      • ご機嫌な私から。

        夕立のあとの19時ごろ。 夏至をとうに過ぎた空は明るくて、真昼の暑さは和らいでいる、そんな時間。 水溜りに夕空が滲んでいる。それを見つけるのがとても好き。 黒く濡れたアスファルトも、不思議に染まってる。 お気に入りの瞬間はたくさんあって、日常のあちらこちらを掠めていく。 全部覚えておきたいけど、無理だから。せめて見逃さないように出会いたいね。 この間、親愛なる妹より手紙が届いた。 素敵な映画を見て、そうして手紙を書きたくなったのだって。 とりとめのない内容が綴られたそれが

        • 夜のドアの先の

          見つけたのは、車の中からだった。 4月、新しい環境で新しい上司と、なんとなく気詰まりな車の中から。 お花屋さんなのだろうか、それとも花屋という名前を冠した他の何とか屋さんなのだろうか。 不思議と目についたそのお店のドアを開けたのは、新しい日常に少しだけ慣れた、4月末。 ドアを開けた先の店内には誰もいなくて。 小さなギャラリーのような空間に、作品みたいに花が並んでいた。 やっぱり花屋さんだった、と思いながら勝手に見て回っていると、奥から店主の方が現れたのを憶えている。 そ

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        はじめましてのご挨拶

          読書感想文は大体自分語りをすれば成功する、みたいな事をなにかで見た気がするんだ。 それは何だか癪なので お気に入りの絵本の、公開されている部分の、Instagramのリンクを貼って私の読書感想文とさせていただきます。 ねえ、素敵でしょう?? わたしの お気に入りのコートの ポケットの中のお城の いちばん上のながめのよい部屋の ... お気に入りの本の、お気に入りのページを、誰かにこっそりと教えたい。 そうして誰かのお気に入りの本の、お気に入りの言葉をこっそりと教えても

          ただのメモ

          モラトリアムもう少しで終わっちゃうので余裕あるうちに最近の泡を覚え書き。 ラナンキュラスは球根で増やすけどあんなに花びら重なってて受粉しにくいんじゃないの→品種改良されてるから、きっと。え、そしたらチューリップもかな?? 少し昔、男の人にもお胸様の天辺があるのが不思議って飲み会で口を滑らせたら割と引かれた。最近思い出して検索かけてみたらおんなじ事考えてる人達が結構いて安心しました。 土地の名。土地の名前からイメージされる事って多い?観光地だと特に??マスメディアや観光地

          ただのメモ

          小さな長方形から、

          最近、高校卒業ぶりに会った子がいます。連絡は時々取っていたのだけれど、顔を合わせるのは18歳以来。  彼女は日本語教育の研究をしていて、研究も兼ねて海外へと行く予定だったのだけれど延期になってしまったのだって🦠 近況報告や少しだけ真面目な話を。それから、あの時一緒に遊んでいた友人の1人が、発展途上国と呼ばれる国で何をしていたかについても教えてもらいました。 小さな田舎の、小さな長方形の教室で小さなことで笑ったり悩んでいたりした私と彼女たち。小さな教室を出てしまった後

          小さな長方形から、

          てがみ

          日曜日は晴れていて、さらに素敵な事に、暖かかった。  風をめいっぱい取り込んだ窓際で、本の頁を捲るのがとても幸せ。 土曜日に勢いのまま読んでしまった本の、お気に入りになりそうな箇所をもう一度、何度も。  ベランダで母がちぎったのでしょう、ミントの匂いが私にまで届く。冬の空はぱりん、としていて、音もなく静か、穏やかな午後1時半。    そうしてベッド脇には4つの紙。つい何日か前に「UFO MAIL」と書かれた封筒で届いた手紙たち(ポストを覗いたのが母だったので

          てがみ

          喉の奥に4日目。

          土曜日の小さな川に夕空が映っていた。 美味しそうな雲が私の下に浮かんでいる。水草に撫でられる夕焼け。水も空も、とぷとぷ流れていく。    まだ年齢が2桁に満たない頃、よくこの川に入っていた。アスファルトや石のブロックに手と足をかけて、ゆっくりゆっくり降りていく。トムソーヤにでもなった気分。  私達が川に入っても怒られなかったのは、そこに「川のおじちゃん」がいたから。 長靴を履いた彼は、川に落とされた空き缶等のゴミを拾っていた。 私達が川に入ろうとすると、彼は

          喉の奥に4日目。

          おやすみの前に

          なかなか言葉で遊べないまま日々が過ぎているけれど、ふとした時にひらくnoteのそこかしこで、素敵な1日や素晴らしい瞬間を眺めさせて頂いている。 天気も良くないし、眠たい火曜日だから、頭上の流星群は夢で見ることにするよ。冬の空は澄んでいて綺麗だと言うけれど、寒がりの私はぬくぬくと布団の中でいっとう明かるい何かを浮かべる。 ねえ、の後に言葉が続かないみたいに。このnoteに綴りたい事が全くもって思い浮かばないのだけれど。ねえ、の後を待っているような待っていないような、そんな時

          おやすみの前に

          夕焼け小焼けに手を繋ぎたい。

          帰り道の空が染まっていた。 最近はすぐに暗くなってしまうから、赤い帰り道を急いで過ぎる。 梅雨がはじまる前だったから、5月頃。同じように真っ赤な帰り道を辿った日を思い出した。 西日が眩しくて、夏に向けての空気が少し鬱陶しくて、紫外線を思えば気分の落ちるような、そんな夕方。 落ちていく太陽に向かって進む信号待ちの耳が捉えたのは尾崎豊のI LOVE YOU。中学校の学ランを着た男の子たちが綺麗なユニゾンで紡いでいた音。 10代になったばかりの彼らがなんで?とか、学校で習ったのか

          夕焼け小焼けに手を繋ぎたい。

          OSAJI

          届いた小瓶には、晩夏がつまっていました。 OSAJIというブランドを知ったのは、去年の春、メイクアップラインがお披露目されたとき。SUQQU等のリップ、アイシャドウなんかの名前にも弱い私は素敵な名前たちに心惹かれて(勿論その外見も非常に好みだった)、ホームページを覗きにいった先でとても良い出会いを迎えたの。 「OSAJI」という名前自体は「お匙」が由来なのだって。 大名や将軍に仕える医師を、匙を使って薬を調合するすがたになぞらえて用いられた呼び名が「お匙」。 以前訪れた中

          はっぴいえんどさまー

          海を渡る電車を見たのは小学生になったばかりの時。 今は郊外のショッピングモールにある映画館が小さな繁華街の中にあった頃で、私達は立ち見で「千と千尋の神隠し」を見ていた。 そのスクリーンの中で、電車は海の上の線路を滑り出す。 前の場面でハクが龍の姿で苦しむ姿を見た妹は泣き出してしまい、母と一緒に外に出ていた。 だから、私は1人で手すりにしがみついて、ひっそりとその時を迎えた。 素敵なものを、見たと思った。 昨年の春、電車が海を渡る音を聴いた。 ちょうどYMOをテレビで初めて

          はっぴいえんどさまー

          露をふらせ。

          100億光年先、初期宇宙の銀河団 この間借りてきた宇宙の図鑑に載っていた写真の説明書き。 小さな銀河が発光虫のように散らばっていた。 よびかけるルシフェリン-ルシフェラーゼみたい。昔々が今届く。 100億光年先、初期宇宙の銀河団。 気に入った言葉を口の中で転がして、それからメモ帳に書き留めて。 ペルセウス座流星群が降ってくる。家からとても近い河川敷へ降りてみた。 ケンタウル、露をふらせ。 河川敷にシートを敷いて座り込んだら星が多くなった気がした。 カシオペアを見つけた

          露をふらせ。

          蝉とシロクマ、グリーンカレー

          燃えるゴミを出しに行った朝のこと。 素敵な朝の光も私の肌に紫外線を届けてしまう。 日焼け止めを塗って、帽子を被って下のゴミ捨て場に行く。 帽子の下、狭くなった視界の隅に茶色い落ち葉が映った。 ゴミを出し終わった帰りにまた映ったそれは、茶色い落ち葉じゃなくて蝉の抜け殻だって気づいた。 ちゃんと蝉の抜け殻を認識するなんて、何年ぶりだろう。宝物のように集めていた小さな私が、虫取り網を振り回していた木のすぐそば。 近寄ってみて、ちょっと驚いた。 羽化したての蝉がじっと待っている。と

          蝉とシロクマ、グリーンカレー

          夏のはじめの夜の

          夏の輪郭がくっきりしてきた夜のはじめに外に出た。 B4の書類をコピーしに、近所のコンビニに。 お風呂上りのすっぴんジャージにクロックス、正統派のコンビニスタイルでぺたぺたと。 風が心地よいな。 風が心地よい。 コンビニで美味しそうな缶チューハイを買った。最近のコンビニブランドの缶チューハイはとても美味しいので信頼しているよ。これもきっと美味しいでしょう。 レジ袋が有料になったのでバッグに缶チューハイとコンビニスイーツを入れて家に帰る。コピーした書類が濡れちゃいそう。 心

          夏のはじめの夜の