マガジンのカバー画像

短編小説 まとめ

22
短編小説のまとめです。
運営しているクリエイター

#恋愛短編小説

帰りたい場所… 1859文字#青ブラ文学部

帰りたい場所… 1859文字#青ブラ文学部

「河瀬さん、今日飲みにいきませんか?」

………また来た。

冷たくて冷酷かもしれないけれど、私は声をかけられて直ぐにそう思った。

「今日は、両親と晩御飯を食べる約束をしているんです。」

何となく浮かんだ理由を伝える。勿論、絶対に信じてもらえないというのも分かって言っている。

けれど、心の中では思ってる。

この理由を聞いて、納得して欲しいって…。

「そうなんですか?……じゃあ、仕方ないで

もっとみる
君に届かない 1375文字#青ブラ文学部

君に届かない 1375文字#青ブラ文学部

「私は、上原みたいな人…絶対に好きにはならない」

「私は、私が1番大切だから…」

彼女に言われた言葉は、今でも俺の頭と心に残ってる……。

◈◈◈
「上原〜、お前また女の子振って泣かしたんだって〜?」

大学の近くにある居酒屋に高校時代からの友人、松下と飲みに来ている。

「ふってねーよ。俺が振られたんだよ」

「でも、そのお前を振ったっていう女の子、泣いてたって言ってぜ?」

「………とにか

もっとみる
片思いの上司 (恋愛短編)

片思いの上司 (恋愛短編)

胸の鼓動を感じる。トキメいている。
……こんな風に男が思うのは可笑しい事なのだろうか?
でも、俺はトキメいている。

会社の上司でもある女性に。

「榊原ー、会議で使う資料出来た?」

「は、はいっ!出来ました!」

「それじゃあ、会議室行くよっ」

俺の名前は榊原 充(さかきばら みつる)上司の名前は田中 美麗(たなか みれい)さん。
俺は、美麗さんに恋をしている。

__________✤✤✤

もっとみる
想いと恋心(短編小説)

想いと恋心(短編小説)

大事にしたい。
彼の心も体も。この2つがとても大切なものだから。

「神山選手。そろそろです」

私のいつものルーティン。私の仕事はレースクイーン。私はだいぶ特殊なレースクイーンで、レース直前になると、ドライバーを呼びに行くことを任されている。
私が任されている人は、レース前、とてもナイーブになる人だ。けれど、一度走り出せば有り余る才能を爆発させる。………そんな人。

「………神山選手?」
あら?

もっとみる