見出し画像

みだれ髪の読書記録:2023年3月31日~5月14日(応仁の乱、マスカレード・ゲーム他)

この期間に読んだ本は、以下の9冊。
すでに感想を書いたものも多いので、新たに書くのは4冊。

①   『To Kill A Mockingbird』(邦題『アラバマ物語』) by Harper Lee

今年の洋書1冊目。すでに記事を書いた。


② 『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』 by 呉座勇一 (中央公論新書)

2016年に出版され、TVや新聞でも宣伝していたし、本屋でも目立っていたし、かなり売れたはずである。翌年購入した時にはすでに29版。
その後ずっと積読状態だったが、だいぶ熟成したしそろそろ読もうか、と、取り出した。

応仁の乱」は室町時代、将軍の後継争いや、山名家と細川家の対立などから勃発、そのうち寝返るものが出たりなんだかんだで11年続き、京都は火の海となった割には、勝敗もあやふやに終わった。しかし、この混乱がもとで、やがて戦国時代に入っていく。
随分前の大河ドラマでは、将軍の足利義政の優柔不断さや、日野富子のがめつさなどしか印象にない。
TVの歴史解説番組などで、もとは畠山の家督争いから始まったんだとか、日野富子は悪女でなく、内乱を終わらせるよう働いたんだとか、いろんな解説も出てきた。

いくら解説を聞いてもわかったような、わからないようなだったので、この本を読めば、少しすっきりするかな、と期待したものの、逆だった。(笑)
かなり詳細にいろんなことが書いてあるが、詳しすぎると焦点がぼやけるともいえる。

全体は7章+終章に分かれているが、1章~2章では、まだ応仁の乱は始まっていない。その前の時代の混乱状況だ。
3章で大乱勃発、6章で終結。7章~終章は、終わったあとのごたごた。

この本を読んでわかったことは、「応仁の乱」は、いつ始まっていつ終わったか、いろんな問題が絡んできてはっきりとは区切れないこと。誰か1人が悪いというわけではなく、いろんな人の思惑が絡んでいること、意外なほどに「」が重要な役割を果たしていること、ぐらいだろうか。

応仁の乱」がわかりやすいサイト。


③    『The Silver Chair(邦題:銀のいす)』 by C.S.LEWS

今年の洋書2冊目。
The chronicles of Narnia』(ナルニア国ものがたり)の4冊目。
すでに記事を書いた。

④    『魔の山』(上)(下) by トーマス・マン(高橋義孝訳、新潮文庫)

これもすでに記事を書いた。

⑤    『いつもの木曜日』 by 青山美智子 (宝島社)

青山美智子さんの本6冊目。これも記事を書いた。


⑥    『マスカレード・ゲーム』 by 東野圭吾

東野圭吾の本は10冊目。
連続殺人事件はあるものの、残虐なシーンを詳細に描写したりせず、あくまで人間ドラマや心の動きを重視する、いつものスタイルと言ってよいので安心して読める。
マスカレード」シリーズは、「ホテル」「イヴ」「ナイト」に続く4作目。
おなじみの、ホテル・コルテシア、新田警部とホテル従業員の山岸尚美のほか、何人か、以前活躍した人々が登場、新しいキャラも加わる。
本作だけを読んでも、おおむねストーリーはわかるようになってはいるが、やはり前の3冊を読んでからのほうが楽しめると思う。
前作の『マスカレード・ナイト』は映画も楽しんだが、この『マスカレード・ゲーム』も、クリスマスの時期のホテルの飾りつけやイベントなど、映像化に向いていそうだ。
さらに、SNSやブログ、スマホの位置情報の利用などが、犯人側の手段としても、操作方法としても活用される辺りは、時代に沿っている。捜査のために、「プライバシー侵害」はゆるされるのか?という問題、線引きが難しいが、一般人ではなく、警察官やホテル従業員に語らせるあたり、説得力がある。
犯人が判明しても、すっきりせず、こんな終わり方は嫌だなあ、と思っていたら、やはりそこはちゃんとフォローがあった。
このシリーズ、まだ続いてほしい。


⑦    『鎌倉うずまき案内所』 by 青山美智子(宝島社)

青山美智子さんの本、7冊目。これも記事を書いた。


⑧    『未来の学力は「親子の古典音読」で決まる!』 by 松永暢史(のぶふみ)

旬さんの記録を見て読んでみようかと思った本。

二部構成で、第1部が理論編、第2部が実践編。
著者の考えをザクっとかいつまんで言うと、「日本語ができないと、ほかの教科もできるようにならない。日本語を上達させるには、音読すること。それも、古典を古いほうから順にやっていくのが望ましい。音読は、1語1語はっきり正しく発音するように練習すること」
といったところだろうか。

日本語ができないとほかの教科もできるようにならない、とか、音読が効果がある、ということは私自身も昔から思っていたことだ。
だが、それがなぜ古典でなければいけないのか?
現代のよくわからない文章を読みより、リズムのある古典を読んだ本がよさそうだ、くらいは思っても、本当に効果があるのか?とちょっと疑問に思いながら読み進めた。

著者は、実際に多くの生徒を教え、成果を上げているようだ。だから、とりあえず信じることにしよう。我が家で音読を実践するのは難しいので、実証はできないが。

実践編では、「カタカムナ」「古事記」などから始まり、「源氏物語」や「枕草子」、そして「徒然草」「奥の細道」、さらに「学問のすすめ」「舞姫」などへと進んでいく。
24の名作のダイジェストが解説とともに載っていて、面白エピソードなども盛り込まれている。
軽く読むにも耐えるし、「音読法」を本気で学びたい人にも良いテキストになるだろう。

惜しむべきは、本のタイトル。
親子の」古典音読といわれると、読者が限られてしまいそう。
子供の有無に関係なく、楽しめる本なのだが。

⑨    『それ、数学で証明できます。』by 北川郁馬 (ワニブックス)

見たことはないが、You Tubeチャンネル「ナゾトキラボ」の書籍化だそうだ。
クラスに同じ誕生日の人がいる確率は?
宝くじが当たる確率は?
投票のパラドックス。
四次元ポケットの構造(ドラえもんとかね)
など、日常的な、数学にまつわる20の疑問をわかりやすく解説している。

この本を借りてみたのは、宣伝文句が通常とは違っていたから。
数学好きの子供にも読ませたい1冊!

たいていの、一般向けの数学関連の本は、「苦手な人にもわかりやすい」「嫌いだった数学が楽しくなる」といった感じの副題がついていることが多い。
私のように、数学が嫌いでもなく、苦手でもなく、かといって専門書読むほどの気持ちもないような、中途半端な人が読む本はなかなかないのだ。
借りてきた本に「宣伝文句」はどこにもなく、ある意味、普通の本だったが、でも、すごく、面白かった!

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?