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完読!洋書:『The Chronicles of Narnia』(邦題:ナルニア国ものがたり)by C. S. Lewis

C. S. Lewisの『The chronicles of Narnia』(ナルニア国ものがたり)は、1950年代の異世界ファンタジー小説。
児童書だけど大人も楽しめ、映画化もされた。

昨年7作中3作目まで読んで、感想を書いたが、

先日、ついに7作目まで読み終わったので、少し重複するけど、1作目からの感想をまとめておこうと思う。
読んだ直後の感想をなるべくそのままにしておく。

ちなみに、全7巻のタイトルは、以下の通り。
ナルニア国ものがたり』の刊行順では、
1.ライオンと魔女(1950年)
2.カスピアン王子のつのぶえ(1951年)
3.朝びらき丸 東の海へ(1952年)
4.銀のいす(1953年)
5.馬と少年(1954年)
6.魔術師のおい(1955年)
7.さいごの戦い(1956年)

ナルニア国の始まりから終わりまでの出来事を順番にして読む場合の年代記としては
1.魔術師のおい
2.ライオンと魔女
3.馬と少年
4.カスピアン王子のつのぶえ
5.朝びらき丸 東の海へ
6.銀のいす
7.さいごの戦い

1)The lion, the witch and the wardrobe(ライオンと魔女)』(講談社英語文庫)

いつか読んでみたい(できれば英語で)とずっと前から思っていたものの、全7巻もあるということで、なかなか手が出せずにいた。
この『The lion, the witch and the wardrobe(ライオンと魔女)』は最も早く刊行され、もっとも有名、ということで最初に読んでみることに。
4人の兄弟が、戦争中の疎開先の古いお屋敷で、衣装ダンスを見つける。
このタンスが、実は「ナルニア国」とつながっていて、悪い魔女と戦うなど冒険をするお話だ。

ナルニア国の描写や冒険の話は普通に楽しめる。
ただ、アスランというライオンが何故生き返るのか、いくら何でもこじつけ感が、、と思ってどうも解せなかった。
読み終わってから、読みかけの『洋書天国へようこそ』(宮脇孝雄)をぱらぱらやったら、この本の話も出ていたので読んでみると、この場面は、キリストの受難そのものだとあった。なるほど、キリスト教国では、児童文学でも普通にこんな話が出てくるということ、頭にあったはずがすっかり抜けていた。納得である。

ハッピーエンドのようで、まだまだこれから続くぞ~感が満載。
読んだ方々の話では、初めて読むときは刊行順に読む方が分かりやすいとのこと。
後で読み返すなら年代順に読んでみる手もあるとか。

2)Prince Caspian ( The Chronicle of Narnia ) 』(邦題:カスピアン王子のつのぶえ
刊行順では2作目、ナルニア成立順では、4作目にあたる。

刊行順1作目の『ライオンと魔女』で、ワードロープからナルニア国に紛れ込んだ4人の子供たち(ピーター、スーザン、エドモンド、ルーシー)が、現実の世界に戻って1年後、今度は駅のホームからナルニア国にトリップする。
現実世界では1年でも、ナルニア国では1000年以上の時が流れていた。ナルニア国の王は、ナルニア人ではないテルマール人のミラース、魔法や妖精は忌避され人間が支配していた。ミラースは甥のカスピアン王子を迫害、助けを求めたカスピアン王子の吹いた角笛で4人が呼び戻されたのである。

4人のキャラは『ライオンと魔女』でわかっていたし、カスピアン王子の生い立ちなど、リアルでわかりやすく、初めのほうはかなりのスピードで読むことができた。
しかし、アスランと4人と、カスピアンが出会うあたりから、なんだかな~という気がしてくる。
まず、ルーシーにはアスランが見えるのに、他の3人には見えない、という設定がいらいらする。いろいろな生き物が登場するけど名前が全然覚えられない。
きわめつけは、カスピアン王子が、「まだ子供だから」みたいな感じになって、で「ピーター王」や「エドモンド王」が先頭に立つことになる。
おいおい、ピーターも、エドモンドも子供じゃなかったのか?
別に子供が活躍したってかまわない。ハリーポッターだって子供だったけど何ら違和感はなかった。だけど、さっきまで子供だったはずが、ナルニアについたとたんに姿まで変わってしまうのか?
タイムスリップ系は継ぎ目がうまくいかないとしらけてしまう。

ぶつぶつ言いながらも読み終えてみると、やはり全貌が分からないと気持ちが悪いので、また続きも読もうと思っている。

3)The Voyage Of The Dawn Treader』(邦題:朝びらき丸 東の海へ) 
刊行順としては3作目だが、ナルニア成立順としては5番目にあたる。

今回は4人の兄弟のうち登場するのは2人だけ(ルーシーとエドマンド)、そして、いとこのユースチスも登場、カスピアンとともに東の海を目指して航海する話だ。
途中で、様々な不思議な島や出来事に遭遇する。ユースチスが竜になってしまうところは面白かったが、そのほかは楽しいというほどでもない。
そもそも何で航海してるんだったか?読んでいるうちに忘れてしまった。
後でチェックしたら、「カスピアンの父の友である7人の偉人たちを探す航海」だったらしい。

感想文の短さから、3冊目で早くもテンションが下がってきたのがバレバレだが、実は7冊分が1冊になっている本も買ってしまったので、ここでやめるわけにはいかない。
しばらく違う洋書を読んでから、またこの世界に戻ってきたいと思っている。

4)『The Silver Chair(邦題:銀のいす)
4巻目(ナルニア成立順だと6巻目)を、4月3日に読み始めて、4月30日に読み終わった。
1か月足らず、8時間3分は自分としては結構なスピードである。

4巻目ともなると雰囲気がわかってきて、多少わからない単語があってもこれは飛ばしても大丈夫だな、という見当もついてくるというのもある。
その前に読んでいた洋書も和書もむずかしめだったので、えらく簡単に感じたのもあるし、洋書の頂き物もあったりして、早いとこ終わらせなければ!という意識もあったかも(笑)

今回の話は、4人兄弟は出てこないで、前回出てきた、いとこの男の子と、そのクラスメートの女の子が中心となっている。
前回王子だったカスピアンは王となっていて、その息子リリアンが行方不明。
リリアンを探しに旅に出る、というのが大筋だ。
詳しい感想は、またいくつか読んでから書く予定、(そのころには忘れそうだけど)、気持ちが乗っているうちに、5巻目に入ろうと思う。

*後で書こうと思って、結局書いていないな(笑)

5)The horse and his boy(邦題:馬と少年)
5巻目(成立順だと3巻目にあたる)。
5月1日読み始めて、23日に読み終わった。所要7時間54分。

今回は、現代からナルニアに飛ぶのではなく、はじめからナルニアと同じ時空(?)にあると思われる、カロールメンという場所から始まる。
カロールメンの漁師に拾われて育てられたシャスタ少年は、育ての親が自分を貴族に売り、渡そうとしているのを知り、馬と一緒に逃亡。
途中で出会った、少女アラビス(政略結婚?から逃れてきた)とその馬とともに、ナルニアを目指す冒険の旅だ。

途中砂漠を超えたり、王子と間違えられたり、戦争に巻き込まれたり、いろいろ起こるが、最終的にはナルニアに到達。
時代的に、『ライオンと魔女』と『カスピアン王子のつのぶえ』の間ということになっているので、『ライオンと魔女』で活躍した4兄弟が、ナルニアを統治している。
カスピアン王子』の最初のほうは忘れてしまったので、うまくつながっているのか、定かではないが、馬がしゃべっても、もう驚かないし、ライオンは登場しても、アスランだな、わかってしまう。

ともかくもこれで5/7を読み終え、いよいよ、6巻目のナルニアの成立当時の話に入れるので楽しみ♬

6)『The Magician’s Nephew(邦題:魔術師のおい)
6巻目(成立順だと1巻目にあたる)。
5月24日に読み始めて、6月21日に読み終わった。所要7時間12分。いいペース♬

成立順だと1巻目なので、ナルニアのそもそもの始まりがわかる、ということでわくわく。
でも、舞台がナルニアから始まるのではなく、(すごい昔だから4兄弟は出てこないけど)、やっぱり子供たちが異世界に紛れ込んで、冒険するパターンは同じで、なんだ~という気もした。
ここまで読んでくると、話としても英語としても、さほど難しく感じないが、3人称で語られていたはずが、ある場面でいきなり“I”と言い出したので、おまえは誰だ~?と言いたくなった。創造主を意識したのかどうか、単なる読み間違いか、定かではない。もう1度読みなおせばいいのだけど、それほどの根性もなく。

でも、やはりこの巻を読んでよかった。
いろいろなことがわかってくる。
アスランの役割。
なぜ、ワードロープが異世界とつながったのかなど。
さあ、あとは最終巻を残すのみ。
楽しみのような、終わりたくないような。

7)『The Last Battle(邦題:さいごの戦い)
最終の7巻目(成立順でも7巻目にあたる)。
6月23日に読み始めて、7月19日に読み終わった。(所用7時間4分)

最終巻はナルニア国で始まる。
初めから不穏な雰囲気だが、やがて戦いが始まる。
子供たち(4人兄弟の1人は除く)を含み、今まで登場した重要人物が再登場する。
アスランが登場するなど、面白い場面もあるし、最終的にどんな結末になるのか、ドキドキしながら読み進める。

そして最終章、悪者は滅んで、子供たちは日常に帰っていくのかと思いきや、えぇ~!という結末。聖書的にはこれをハッピーエンドと呼ぶのだろうか。
個人的には、こんな結末は嫌だ!

結末だけでなく、全体としてのつじつまが合っていない気がするのがどうも気に入らない。
もちろん読んでいるときは、それなりに楽しんだし、長編を英語で読み終えたという満足感はあるのだが、ちょっと残念な感じである。

ちなみに、映画は
第1章:ライオンと魔女』(2006)は、1.ライオンと魔女。
第2章: カスピアン王子の角笛』(2008)は、2.カスピアン王子のつのぶえ。
第3章: アスラン王と魔法の島』(2010)は、3.朝びらき丸 東の海へ。

と、刊行順の3作目まで公開されたが、その後は制作されていないようだ。


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