見出し画像

今読むべき、いや、今後どう世界が変わろうとも読むべき本|『「空気」と「世間」鴻上尚史(著)|講談社現代新書

あらすじ

「空気」の存在に怯えている人は多い。なぜ「空気」は怖いのか? その正体を探っていくと見えてきたのが、崩れかけた「世間」の姿だった……。人気の脚本・演出家が、阿部謹也、山本七平といった先人の仕事を現代に投影させながら、自分の体験や発見を踏まえた会心作! 「空気」と「世間」を知り、息苦しい現代日本を生きていくための方法を示します。(講談社現代新書)
引用元:「https://www.amazon.co.jp/dp/product/4062880067/ref=as_li_tf_tl?camp=247&creative=1211&creativeASIN=4062880067&ie=UTF8&linkCode=as2&tag=bookmeter_book_image_image_pc_logoff-22

レビュー(感想)

「空気が読める人」、「空気が読めない人」おそらく何かしらの集団や組織に属した人であるのであればこの言葉を聞いたことがあるでしょう。空気というのはあなたにとってどのように考えていますか?さらに「世間」とは何なのでしょう?

何よりこの本は2009年に出されていることが読んだ僕の一番の驚きでした。

てっきり、SNSが普及し数々の問題が発生している昨今だと思っていたからです。ここには2009年以前の2チャンネルや裏掲示板等しかネット関係は出てきません。しかしながら、今のX(Twitter)やインスタグラム、Tiktok、Youtube等のSNSに置き換えたとしても文脈はちっとも変わりません。余りの違和感のなさに恐怖を覚える程でした。おそらくではありますが、今後先述したSNSが衰退し新たなプラットフォームが形成されようとも、この「世間」と「空気」は一生私たちの隣で微笑んでいるかと思われます。

いや、2009年以上に肥大化し、その影響力を強めほくそ笑んでいるのかもしれません。著者は最後に「大人とは、「世間」と「社会」の振り子を積極的に楽しみながら生きていく人」だと述べています。「世間」と「空気」そこにある「社会」全てを解剖した上でのこの言葉は今では通じないものなのかもしれません。

そこには大人ではなく、それ以外の子供も加えなければならない状況になってしまっているからです。誰でもSNSでアカウントを作成し情報を発信することができるようになってしまっています。今までの学校だけでの生活では子供達が収まらなくなってしまっています。ましてや、地域での交流というのは少なくなっており、部活動においても無理にやる必要性も無くなってきています。その結果、自然に、いや、自発的にSNSへと導かれているのではないのでしょうか?

そのように考えると、大人ではなく、自我が芽生えたその日から「世間と空気」そして「社会」の振り子を生きていく必要があると考えます。それならば、この本を読んで少しでも見聞というのを深めるというのが役に立つのかもしれません。

僕自身としては、余り本の内容を切り取って細かく分析したりするのはネタバレにもなるのでしたくはありません。ちょっした1部分に対して膨らんだ想いというか考えも今後も本を読んだ際にはここに残してみたいと考えております。

それでは!!
また!!

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?