副業を認める会社はイノベーションが生まれる?
副業をする人が増えている背景とは?
コロナ禍によって、在宅勤務が増えたり、リモートワークが進んだこともあり、副業をする人が加速しています。
これには、国としての副業・兼業の推進施策が大きくリンクしています。
2018年に企業の就業規則のひな型となる「モデル就業規則」が改正され、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という文言が削除されると同時に「副業・兼業に関する規定」が新設されました。
さらに、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」も合わせて公表され、具体的な留意点も明示されるようになりました。
働き方改革の推進や少子高齢化に伴う労働人口減少が背景にあり、副業・兼業を促進することで、「長時間労働の抑制が進み時間外手当が減少した分を補うことができる」、「人手不足が進む日本社会において労働力を確保することができる」というところが狙いとなっています。
労働者側にとっては、「収入が増える」以外にも、「本業では得られない知識や経験を身に着けてスキルアップができる」、「自分のやりたい仕事で対価を偉られることによる自己実現・モチベーションアップ」などのメリットがあります。
実際に、就職・転職の際に企業を選ぶ基準の中で「成長できる環境にあるかどうか」のポイントが年々高まっており、本業では難しくても、副業を通じて成長したいという人が増えています。
逆を返せば、成長できる環境を提供できない会社は、離職する可能性も高まるということです。
マズローの欲求5段階(6段階)説の5段目となる、「自己実現」をしたいという視座の高い人が増えてきているのは、非常に素晴らしいことだと思います。
副業を推進する企業
社員のスキルアップは、企業にとっても良い影響をもたらします。
スキルや経験が会社に還元されることで、新たな製品やサービスが生まれ、企業としての価値・利益が向上するだけでなく、異なる価値観や文化が取り込まれます。
様々な企業が副業制度を導入していますが、人材開発に力を入れているライオン株式会社(LION)では、副業先を紹介したり副業先とのマッチングまで行う取り組みを行っています。
ロート製薬株式会社でも、「社外チャレンジワーク制度」として収入を伴う副業・兼業を制度化しています。
京セラの創業者で、経営の神様とも言われる稲盛和夫氏は、かつて役員の登用試験として、「夜鳴きうどん屋の経営」を課すことを考えたと言われます。
これは、実際に自分でうどん屋を経営することで、経営を学び、大変さを感じ、適性を見ることができるからです。
これは、副業ではありませんが、実際に起業をすることで、得られるものは非常に大きいという示唆となります。
生え抜きで現場からの叩き上げだけで上がってきた人が管理職に抜擢されるという典型的な日本企業の人事制度から脱却し、自社に限らずより広い視野をもっている人が昇格するという会社も出てくるようになりました。
多様性はイノベーションを生む
現在、多くの企業では、「多様性を認め、在籍する社員全員が成長し、活躍できる会社」(ダイバーシティ経営)を実現する「ダイバーシティ&インクルージョン」のための様々な取組が行われています。
対外的には、企業イメージのアップや、CSRの取り組みとして行われていることが多いかもしれませんが、多様性を認めることは、会社にとって利益をもたらします。
多様性とイノベーションの相関関係については、様々な研究がされていますが、多様性のある企業のほうが多くのイノベーションが生まれるという結論となっています。
井の中の蛙社員だけでは、新たな発想は中々生まれません。
色々な経験や、多様なバックグラウンドがあるからこそ、新たな視点が出てくるのです。
多様性を大事にするということは、社員だけでなく、企業にとっても多くのメリットをもたらすのです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
少しでも皆様のお役に立ち、新たな気づきや思うことがあると幸いです。
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