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土をほぐしていたら、心までほぐれてきたよって話

今朝、町内の花植えのイベントがあった。

町民有志で集まって、駅前の花壇に苗を植える作業だ。

町内会の皆さんを筆頭に、毎年の隣組の班長は参加することになっている。

今年は我が家に班長の当番が回って来たので、
町内会のイベントに参加することも多い。

コロナ禍に中止されていたイベントも徐々に再開傾向にあるため、
実はこんなにも町内でイベントが行われていることを改めて知った。


花植えでは、目印の場所に苗を植えていく。
スコップで掘って、苗を入れて、土をかぶせる。
単純作業ではあるけれど、みんなで一斉にやるのは意外と楽しかった。


普段、あまり土いじりをしない私も、
なんだか土を触りたくなって、余った苗を4株もらってきた。

サルビアの苗を2つと、ニチニチソウの苗を2つ。

自宅の庭に放置されていたプランターに植えることにした。


この家に住んで約6年になるけれど、
5年間はずっと花や野菜をプランターで育ててきた。

正直、あまりガーデニングや栽培に興味がなかったのだけれど、
パートナーがやりたがっていたため、私も水やり等は協力していた。

そう。

「協力」という言葉が出るくらいなので、主体的ではなかったのだ。

それでも、手入れが出来ていなかったり、枯らすことがあるたびに
ガッカリした顔や言葉を見聞きしないために、なんとかやっていた。


ただ、ここ1年くらいは、完全に放置していたんだ。

「私は興味ないから、やらない。」

これは私自身の反抗期のような、「自分を大切にする」決意でもあった。


この時の私は、
「関わらない」「拒絶する」「見てみぬふりをする」ことが、
精一杯の「自分を大切にする相手との関わり方」だったのだ。


もちろん、時にはそういう場面も必要ではあると思う。

それでも、私が望んだ自分の在り方はそうだったのだろうか。


1年間放置されたプランターの土は、かたくて、乾いていて、一部には苔が生えていた。
その姿を直視して、心がザワザワした。

(私が見てみぬふりをしている間に、こんな姿になっていたんだなぁ…)


もらった苗を植えるために、
かたまっていた土を、水を与えながらスコップでほぐしていった。

土を掘り起こすと、中の土は湿っていて、
虫たちが元気に生きていた。

(この土は、まだ生きている…!!!!!)

そう思った瞬間に、ふと涙が溢れた。


表面はかたく、乾き、苔が生えていた土も、
内側はやわらかく、湿り、命が動いてた。

まだ、この土は生きている。
丁寧に手入れしたら、もっともっと生き返っていく。
元気な土になっていく。

その土の栄養をもらって、そこに根を張って、
この苗たちもいずれは綺麗な花を咲かせるんだろうな。


そう思ったら、苗の成長が楽しみになった。
毎日水をあげて、眺めて、愛でて、
花が咲くのを楽しみに待ちたいと感じた。

そして、その楽しみのために土を整えることが
とても愛おしい行為に思えた。

たとえ少し面倒くさくても、手間がかかっても、
大雨に降られたり、強風に煽られたり、虫に喰われることがあっても、
私は育てていきたい。


主体的に、『育てたい』と感じたんだ。



これは、私の心にも繋がる話だと思った。


見て見ぬふりをすることでしか、当時は自分を護ることが出来なかった。
とは言っても、その時の精一杯だったのだから、それはそれでもいい。


ただ、荒れ果てるまで放置した部分もあることに気が付いた今、
やっぱり整えたいと感じたんだ。

(このまま、見て見ぬふりをして、終わりたくない!!!)


土をほぐしていたら、だんだんと、自分のかたくなっていた心もほぐされていったような感覚があった。


「関わらない」「拒絶する」「見てみぬふりをする」を、
このまま続けていても、私が納得しない。荒れ果ててしまう。

いつまでも、花を咲かせることはできないと思った。


自分の心をほぐしていく。
丁寧に、整えながら、愛でていく。
毎日眺めて、成長を楽しみにして待つ。


この苗も、私の心も、愛でながら、育てていきたい。

柔らかく、ほどよく潤した土壌で、綺麗な花を咲かせたい。


そのためにも、もう放置しない。

向き合うと決めたんだ。

たとえ少し面倒くさくても、手間がかかっても、
ハプニングや大変なことがあっても、
私は向き合っていきたい。環境を整えるためにも。


花が咲いたよって報告を、またここで綴りたい。


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