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【ビジネス書評】パーセプション : 市場をつくる新発想 / 本田 哲也さん

※こちらは書評です。個人的な見解や、実際に本に書かれていること以外の情報も含みますのでご注意ください。

キーワード:パーセプションとは?

perception→ a brief and an opinion, often held by many people and based on how things seem

Cambridge Dictionary

訳すと、「多くの人々による、『物事がどう見られているか?』ということに基づく信条や意見」という意味。つまり、物事の本質や実際どうなのか?ということはさておき、世間がどう感じるか?どういうイメージを持っているか?という『認識』ということです。本書ではこのキーワードを元にマーケティングにどのように活かすか?という論が展開されていきます。有名メーカーやブランドの"パーセプション"の活用法が例として多く出てきますので、これからビジネスをする人、マーケティング業界で働く人、すでに有名な製品やブランドを持つ企業にも多くの学びがあるはずです。

著者はどんな人?

 著者の本田哲也さんは、PR専門家でブルーカレント・ジャパンの創業者です。「PRの建築家」なんて異名で呼ばれたりもしているようですが、ビジネス書を10冊以上も出しているのです。戦略PRやブランドマーケティングのプロの本田さんが語る"パーセプション"の操作の手法は非常に興味深いところがありました。

"パーセプション"操作の代表例『アリエール』

 当時世の中には、洗濯洗剤は水でかさ増しされているという噂が出回り、小さい洗剤=良い洗剤、という認識になっていた。P &G社は「除菌の出来る洗濯洗剤」としてアリエールを売り出していたが、世の中ではまだ洗濯洗剤に対しての除菌の必要性は浸透しておらず、主婦が洗濯洗剤を選ぶ上では除菌能力は全く検討材料とはなっていなかったそう。そこでP&G社は洗濯における菌の存在を明らかにし、洗っても多くの雑菌が衣服に残っているという事実を世間にアピールすることで、洗濯洗剤を選ぶ上で除菌性能を鑑みることが必要であるという"パーセプション"を世の中に流通させたのである。

「認知」と"認識"

 実質的にいかに消費者にとって価値のあるものだったとしても、世間がそれを「価値」と認めなければ、それは必要とされないものになるわけである。もちろん製品を「認知」して貰うことは大事だが、その製品の価値を"認識"してもらえなければ製品は売れない。『アリエール』ように、価値提供をする中で世の中にその製品の価値を"認識"させることで、自社製品を売るという考え方の重要性を説いているのだ。

"パーセプション"の5段活用

 本書のメインはこの"パーセプション"をいかにして活用させるかという、活用法の部分であるが、著者の本田さんはそれを"パーセプション"の5段活用と呼んでいる。

【パーセプションの5段活用】
・つくる
・かえる
・まもる
・はかる
・いかす

ここからこの5段活用の活用法をさまざまな利用例を用いて解説してくれるのだが、それはぜひ本書を読んで理解していただきたいと思う。

Mochanの感想文

 私個人の感想としては、認知と認識の違いは分かっていて、如何に世の中に認識してもらうかの重要性は分かっていても、本当にそれに対して対策の出来る人というのはなかなかいないと思うので、そんなことわかってるよ!と思う人ほど一度読んでみて欲しいです。ただ読んだ感覚としては、個人の好みの問題だが、例に対するさらなる例が挟まれていたりなど、文章としては少々混乱するというか、読みにくい部分もあるので、その辺りは頭を整理しながら読んでいただければと思います。人によっては例が多い分逆に理解し易い方も多いと思います。

 以上、今回はPRの専門家、本田哲也さんによる『パーセプション:市場をつくる新発想』をご紹介致しました。今回私は楽天KOBOにて読みました。
 皆様の学びへの興味にチクチク刺激があれば何よりです!ぜひご参考いただければ幸いです。

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