![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/115302100/rectangle_large_type_2_9e1f63ba9d11f365202b9ddc4b133846.jpeg?width=800)
一陽来復の娘 20
こちらの続きとなります↑
※こちらのお話は少し長めのお話しになっています。ご注意下さい。(2741文字)
声がした方を振り返ると、
どこか見覚えのある女性が立っていました。
(…あれ、この人…?(;・∀・)
私は、この女性をひとめ見て、
昔見た「夢」の中に出て来た、
過去の「自分」…
「少し良い家の娘さん」だと、気づきました。
「…な、なんで?…(;´Д`)?
戸惑う私の様子を見て、「彼女」は、
鈴の音のような声で、ぽつんと、
「…ごめんなさい…」
ちいさな声で、言いました。
(……?(・・)
私が見た夢の中では、
彼女は、当時の人として、上流婦人としての人生を
守りながらも、心の奥深い所で、
戦争や身分格差に心を痛め、
その渦中の人達の苦しみに思いを馳せ、
人の世の哀しさを感じながらなくなった、
心優しい、どこか繊細さのあるような人でした。
そんな方に、謝ってもらう覚えは、
その時の私にはありませんでした。
(…どうしたんだろう?何が言いたくて出てきたのかな?
…あ、あれ?(・・;)
今、私の目の前にいる「彼女」は、
昔見た夢の中の姿そのままに、
おっとりと、品良く、慎ましやかな様子で
佇んでいましたが、
ですが、よく見ると、
その姿は、まるで、長年、鍛え上げた人かのように、
ぴたっ、と、全く、微動だにせず、
その「身」には、
神様にお使えした、もしくは、
神様の「ご用」をした経験のある人特有の…
「静謐で、堅牢な気」を、濃厚に纏っているように
見えました。
(…な、なんで?(;´Д`)?
私は、「普通の女性」が「その状態」である事に
違和感を感じ、
(…よし…)
「目」を凝らしてみました。
すると、
彼女の「奥」に、
すうっ、と…
神様にお仕えする方が纏うような、
白い、さらりとした装束を身につけた、
1人の壮健な男性が、「見え」てきました。
(…これは、「彼女」の「前」の人?なのかな…?
少し好みかも…!(*´ω`*)✨
↑マッチョ好きです(^.^;
などと、ややふらちなことを思いつつ(^.^;
「彼」に話しかけようとすると、
ふわーーーっ、と、
熱く乾いた、爽やかな「風」が、
こちらに吹いてきました。
(……うわー…気持ちいいなー…✨(*´ω`*)✨
その、吹いてきた心地良い「風」に触れると、
爽やかな気持ちよさと共に、
彼が、一族を守る優しい神様に仕え、
その声を降ろす役割を担っていたこと、
そして、神様の声を正しく降ろす為に、
自らを磨きあげ、長年かけて身に付けた、
彼の「在り方」などが、
ふわっ、と、こちらに伝わって来ました。
(おおー……そういう事かぁ…( ´∀`)✨
などと、私がのんびり感動✨(^.^;していると、
彼は、その、澄んだ眼差しを、すっ、と
こちらに向けて、
穏やかに話しはじめました。
(…俺は…
…神に仕える立場として生まれて、
幼い頃から、その定めを生きた。
与えられた役割を果たして、皆の役に立って…
そして、時に、神の…自然の世界を知って…
そんな、まあまあいい時を過ごした…)
優しく微笑む彼。
(…だが…その生き方は、裏を返せば、それしか知らないと言う事でもあり…
俺は、その生き方しか知らず…
…そして、生まれ育った村以外の世界を知らずに、
一生を終えてしまった…)
その刹那、さっ、と、
穏やかな彼の目に、暗い陰がよぎりました。
そして、
(…実は、うちの村は…
本当に突然…見知らぬ者達に攻め込まれて…
あっと言う間に、皆が、散り散りになって
しまったんだ…)
と、静かに、つぶやきました。
(…神さんに仕える者として、俺の父親やじいさま(祖父)がそうだったように…
昔からの決め事を行って、そして…
それを、◯◯(息子さん)に受け継いで…
その後に、自分の命は、自然に帰るもの、
と思ってた。
でも…その思ってたものは、全部、はかなく消えちまった。泡沫のように…
…もちろん、何事にも、終わりはある。
生きるって事は、命のやり取りだし、
俺らも、ずっと、様々な命を受け取りながら、
生きてきた…
それが、俺らの身の上にも訪れただけ…
「俺らの番」が来ただけだと…
まるで、嵐の時に、山々の向こうから、
黒雲や生暖かい風と共に現れる、大きな雷のように…
全てをうち壊す恐ろしいものは、
予兆なく突然訪れ、
それに皆なすすべもなく翻弄され、
全て、呑み込まれるんだと…)
ぽつぽつと…でも、しっかりとした口調で、
彼は、昔、自分達の身に起きたことを、
話してくれました。
そして、改めて、私の方を見ると、
(…だが…だからこそ…
生ある時…「今この瞬間」を、
己の全てをかけて、生きる。
そこにこそ、「いのち」の本質がある。
…そうだろう?)
彼は、再び穏やかに微笑みました。
(…だから…
俺の事を、「愚かだ」と言うものもいるかも
しれないが、
俺の心は、一族を滅ぼされた憎しみに
支配されはしなかった。
運命に対し、そのような心を持ち、
わが心を穢すことはすまい。
俺らの神さん…いや…)
彼は、すっ、と、居ずまいを正すと、
「我が神、そして、我が一族の誇りにかけて。」
と、言いました。
もう終わってしまった、辛く苦しい出来事を
話してくれているはずなのに…
その時の彼からは、
何者にもおかすことも、奪いさることも出来ない、
人の内側でいきいきと光輝きながら息づく、
「いのち」そのものを、感じました。
そして、彼の言葉はなおも続きました。
(だが…この度のことは…
これは、俺らの知っている理の外の…
他の(広い世界の)人の世のことが原因だと…
だからこそ、何故なのか、と…
どのような(人々の)働き(社会情勢)で、こんな事が起きたのか、それを知ってみたい、と…
知らなかった、広い世界を知りたい、と…)
そして、生まれ変わるその時に、
「様々な事を知りたい。」
と願ったのだ、と、教えてくれました。
(…様々な事を知りたい…
だから、広い視野が持てるような、
高度な教育を受けられる、ノブレスな身分の
「彼女」にこの人は生まれ変わったのかな…?(´;ω;`)
一体、どれだけの「想い」だったんだろうか、
と、私は一瞬、胸がきゅっと苦しくなりましたが、
彼はどこか明るく、さっぱりとした様子で
穏やかに微笑んでいました。
そんな彼の在り方を、
どこか不思議に感じていると、
またあたたかな風が吹き、
ふわっ、と
望みの為に、「彼女」に生まれ変わって、
でも、「彼女」は、様々な事を、
知れば知るほど、
自分の生まれた世界での価値観に、
少しずつ違和感を感じ、
悩んだ末「私」として生まれる事になった…
という「顛末」が合わせて「伝わって」きました(^.^;
(…そ、そうかー…( ´Д`;)
ほんの少し戸惑う私の様子を見て、「彼女」は、
鈴の音のような声で、ぽつんと、
「…ごめんなさい…」
と、言いました。
↓続きますm(_ _)m💦
お待たせして誠に申し訳ございませんでした(`;ω;´)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?