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#00 いつか訪れる、その日が来る前に

12月6日の自身の誕生日に
私のことを書いてみたいと思います。

2019年12月16日
私はがんの宣告を受けました。
乳がんです。
(最後に胸の写真を載せています。不快な方はここで閉じてください。)

今もその時のことを思い出そうとすると、涙が出てきます。
最初の検査結果で「おそらく良い結果では無さそうです」と言われた時、ほんの少しのもしかしたら・・・が的中して、自分のことのような誰か別の人の話しをされているような不思議な感覚の中、ただただ涙だけが溢れ、その日から数日に渡った検査の結果、告げられた乳がん確定。

その日が12月16日でした。

ここまでの経緯は、別で書かせていただきます。
私の経験がどなたかのお役に立てましたら幸いです。

私は右胸を全摘して、同時再建という選択をしました。
その選択しかなかった、というのが正解です。

がんのステージよりも、全摘をする、胸を失ってしまうということについてのショックが大きく、女性としての象徴を失う現実を受け止めるまでに時間がかかりました。今、どれくらい受け止められているのかは、自分でもわかりません。

昨年12月にわかった私のがん、
でも痛くもないし、どちらかと言わず仕事や恋愛においても積極的に挑んでいたアクティブな人間で、病気の宣告を受けてしまったその日から急に私は病人になったのです。しかもがん患者。病名ががんです。
2月には人生ではじめての入院をして手術をして、胸をなくすのです。

「私、がんになった」
そう言葉にすることもこわくて、誰に伝えたらいいのかもわからなくて、痛くもなんともないのに病人で、病人だけど会社に行かなきゃいけなくて、病気になったけど病気のことをよく知らないし、全摘って言われてもどんなことが待っているのかもよく想像がついていないし。

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(病気になって読み漁った本の一部です)

ただがんになったその日から、私の世界は変わったのです。

電車に乗っていても、ふと涙が出てきたり、下着のCMを目にしては胸がざわついたり、生きることよりも死ということを考えたり。
私のいなくなった世界・・・私はどうして生まれてきたのか・・・

仕事ばかりを不器用にしてきて、気が付いたら独身のまま。
胸がなくなってしまったら、きっと恋愛にも積極的になれなくて自分は選ばれなくなるのだろう。これからも一生ひとりで生きて行けるのか、生きていかないといけないのか、そもそもいつまで生きていられるのか。

病気のことを両親へ伝えなければいけない時、これはとても辛かったです。
きっと両親はもっと辛かったと思います。

「取ったら大丈夫だけん!!」

そう気丈に伝えたつもりでしたが、両親の気持ちは残念ながら親になったことがない私には今もわかりません。ごめんね、お父さんお母さん。

がんの宣告を受けたことのある人ならわかる、あの瞬間。
診察室に入った時の空気感。「がんです」って、言う方も聞く方も辛いあの瞬間。できれば二度と経験をしたくない時間。

誰しもに命の期限があることはわかっています。
がんという病気が、今や3人にひとりがかかる時代とも言われているし、がんに限らずいつ何が起こるかなんて誰にもわからない。いつか・・ってみんな頭ではわかっている。

でも、どこかの誰かのことなんです。
自分には訪れないと思っちゃうのです。
訪れない方がいいんです。
乳がんになんて、ならない方がいいんです。
自分にも、大切な人にも、そんなことは起こらない方がいいんです。

私もなりたくなかった。
おっぱい、残したかった。今は新しいお胸を作ってもらえたけど、大きな大きな傷は無い方が良かった。大切な人を悲しませたくなかった。

でも、なってしまいました。
そして、経験をしたからこそ感謝をしていることもあります。
気づいたこともあります。死ということを感じて、はじめて生きることを真剣に考えることができたような気がします。

この病気になって私ができることがあるとするなら、病気になる前にやっておいたら良かった、気が付いていたら良かったということをお伝えして誰かのお役に立ちたい、そう思っています。

病気になって1年、自分が「乳がんサバイバー」だと言えずにきたのは、あえて知らせる必要はないのかもしれませんが、自分は劣っているのではないか、かわいそうな人なのではないか、誰かの迷惑になるのではないかという、誰かと比べる自分がいたからだと思います。

病気も、性別や生まれ育った場所が違うことと同じように、人と違うことを認めること。他人の人生ではなく、自分が主人公の人生を生きること。どんな自分も愛して、自分を大切にすることができたのなら、他の人のことも大切にできます。自分を認めることをできたのなら、もっと楽に生きることができるはずです。

私は今まで、自分と他人を比べて生きてきました。
自分の人生を、自分らしい人生をどれくらい生きてこられたのか、
今どれくらい自分が主人公の人生を進もうとしているのか、まだわかりません。
でも、今日またひとつ年を重ねられたことに感謝をしています。今に感謝をして、この瞬間をもっと大切に生きたいと思っています。

生かされた私が何かお役に立てることがあるとするなら、毎日の食事と考え方の大切さについて知っていただき、考えるきっかけになれたなら。誰しもに”いつか訪れる、その日が来る前に”是非気が付いていただけたなら。
もしも、そんな日がやってきたとしても、自分の人生を諦めずに輝くことができたのなら。嬉しいなと思っています。

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今、私はすこぶる元気です。
こうして文字にしながら少しこわいと感じる自分もいますが、自分の人生の主人公になるために、誰かの勇気や力になるために、新たにスタートを切ることにしました。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
もしも不快な思いをされた方がいらっしゃったら、大変申し訳ありません。

サポートいただき、本当にありがとうございます。これから、食事と考え方(心)の大切さを知っていただける活動に役立てさせていただきます。